胆石症ってどんな病気?食後の腹痛や下痢に要注意

脂っこい食事は胆のうを疲れさせ、胆石症や胆のう炎の原因に

高脂肪、高エネルギーの食事は控え、40歳をすぎたら定期的に腹部超音波検査を

食後の腹痛や下痢が増えたら要注意

 食事の後、みぞおちや右上腹部が痛んだり、下痢になったりすることはありませんか? 「何か悪いものを食べたのだろうか」と心配になることでしょう。しかも、1回だけでなく、何回も同じような痛みを感じるようになると、放っておくわけにはいきません。

 食後の腹痛や下痢が増えた場合、胆石が原因のことがあります。胆石による痛みは、脂っこい食事の後、みぞおちや上腹部に起こりやすく、黄疸(おうだん)を伴って、時には右肩や背中、胸にまで広がることもあります。
 特徴的なのは突然の激しい右上腹部の腹痛で、脂汗をダラダラかいたり、体をくねらせ、その場にうずくまってしまうほどの激烈な痛みに襲われます。

 最近、こうした激痛に襲われ、救急車で病院に運ばれる人が増えています。食生活の欧米化により、肉類中心の脂っこい食事をする人が多くなったことが大きな要因といわれ、日本人の胆石症の割合は、成人人口の10%に達しています。

 とくに胆石ができやすいのは40歳以上の女性で、活動的、肥満ぎみの人だといわれています。男性に比べ、1.5倍も多いことがわかっていますが、どうして女性のほうが多いのか、原因ははっきりしません。40歳以上に多いということから推測すると、女性ホルモンとの関係も考えられます。また、加齢とともに胆石を持つ人の割合は増えていきます。
 いずれにしても、脂っこい食事や、からだに脂肪を蓄積しやすい生活が、胆石の危険性を増すことは間違いありません。

胆汁に増えすぎた成分が、胆汁の通り道にたまって胆石に

 胆石とは、胆汁の中の成分が固まってできる石のことです。胆汁はたんぱく質や脂肪の分解・吸収を助ける消化液で、肝臓でつくられ、肝内胆管や胆管、胆のう管を経て胆のうにためられ、濃縮されます。食事をすると胆のうが収縮し、胆汁が総胆管を通って十二指腸へと送られます。胆石はこれら胆汁の通り道にでき、できる場所によって胆のう結石、総胆管結石、肝内結石などと呼ばれます。

 また、胆石はその成分によって大きく3種類に分けられますが、最近の日本人ではコレステロール結石が7~8割と多くみられます。

 十二指腸に食べ物が運ばれてくると、胆のうが胆汁を分泌して十二指腸に送り、脂肪の分解・吸収を助けます。食事の内容に偏りがなく、脂肪分が過剰でなければ、この仕組みは問題なく働きます。ところが、脂っこいものばかりを食べていると、胆のうは胆汁を分泌し続けなければならず、過労に陥ってしまいます。
 こうしてオーバーワークになった胆のうが通常どおりに機能しなくなると、胆汁の分泌が滞ります。そのため、食事でとった脂肪分が十分に吸収されないまま大腸に送られて、下痢を起こすことになります。

 脂っこい食事は、胆汁の成分にも変化を及ぼします。通常は胆汁の中に溶けているコレステロールが増えすぎると、過剰な分が結晶化し、胆汁の通り道で胆石となってしまうのです。脂っこい食事の後に起こる激痛は、この胆石が胆管などに詰まることが直接の原因です。
 胆石が胆管などをふさいで胆汁が胆のうにたまったままになると、細菌感染から胆のう炎を引き起こし、命にかかわることもあります。

 突然の腹痛はもちろん、食後に腹痛や下痢が気になる方は、早めに消化器内科や消化器外科などを受診しましょう。黄疸や発熱がある場合は、すぐに受診してください。

 胆石があるかどうかは、腹部の超音波検査でわかります。治療は、内服薬で胆石を溶かす方法、胆石に衝撃波を当てて粉砕する方法、手術で胆のうをとってしまう方法などがあります。胆石があっても自覚症状がない場合、多くは定期的に検査をしながら経過観察をします。

高脂肪、高エネルギーの食事を避け、栄養バランスのとれた食事を

 脂肪分は、食事のおいしさを左右するだけに、全くゼロにすることは不可能ですし、必要もありません。注意が必要なのは、脂肪分が過剰な食事です。1日3食、脂っこいものばかりを食べたり、毎日、肉類や油で揚げたものばかりをとるのは考えもの。高脂肪、高エネルギーの食事は避け、いろいろな栄養素をバランスよくとるようにしましょう。

 また、女性に限らず、肥満の人に胆石症の人が多いのも事実。脂肪に偏った食事を控えるとともに、適度の運動を定期的に行い、体重をコントロールすることが大切です。

 ただし、肥満ではない人にも、あまり脂っこいものを食べない人にも、胆石症になる人はいます。むしろ、40歳前後を境目に胆石症の人が増える傾向にありますから、40歳を迎えたら、定期的に腹部超音波検査を受けて、胆石の有無をチェックすることをおすすめします。

(編集・制作 (株)法研)

【監修】
柁原(かじわら)宏久先生


柁原医院副院長
東邦大学医学部卒業。1985年同大学医学部外科学第三講座入局。同医局長、東邦大学医学部講師などを経て、現職。専門分野は肝胆膵外科、消化器外科。著書に『胆のうの病気―胆石、胆のう炎、ポリープ、ガンとのつきあい方』(共著、講談社)など。

コラムに関連する病名が検索できます。

アクセスランキング一覧

100件中 1件~20件を表示

  1. 1
    睡眠中の"よだれ"に潜む意外な健康リスク
    執筆:月刊『からだにいいこと』編集 -株式会社からだにいいこと 朝、…
  2. 2 放置するとダニ・カビの温床に…寝具のお手入れ方法
    放置するとダニ・カビの温床に…寝具のお手入れ方法
    (編集・制作 (株)法研) 汗を吸い込んだふとんは、カビやダニの温床…
  3. 3
    好きなだけ食べても太らない!? 18時間プチ断食で食べすぎリセット
    執筆:月刊『からだにいいこと』編集 -株式会社からだにいいこと 腹8…
  4. 4
    忙しい人に知ってほしい、質の高い睡眠をとるための快眠10か条
    (編集・制作 (株)法研) 午後10時から午前3時は睡眠のゴールデン…
  5. 5
    そのむくみ、病気のサインかも? むくみの原因と解消法
    (編集・制作 (株)法研) デスクワークばかりの運動不足はご用心…
  6. 6
    歩くとツライ、外反母趾。大きめの靴を履くのはOK?正しい靴の選び方
    (編集・制作 (株)法研) 外反母趾の靴選び、自宅でできる運動療法な…
  7. 7
    ストレスやイライラには『ハーブティー』!あなどれないハーブの効能
    (編集・制作 (株)法研) フレッシュ・ハーブは、心を癒す効き目たっ…
  8. 8
    運動しない人は注意!筋肉が減少して脂肪が増える『サルコペニア肥満』
    執筆:月刊『からだにいいこと』編集 -株式会社からだにいいこと 高齢…
  9. 9
    Wi-Fiのせいで体調不良?「電磁波過敏症」ってなに?
    執筆:月刊『からだにいいこと』編集 -株式会社からだにいいこと イン…
  10. 10
    正しく痩せる早道とは? 間違ったダイエットの落とし穴
    (編集・制作 (株)法研) 過剰なダイエットはやせないどころか、命を…
  11. 11 みぞおちの辺りが痛い 激しい痛みor鈍痛? 痛むのは真ん中・右・左?
    みぞおちの辺りの腹痛 激しい痛みor鈍痛? 痛むのは真ん中・右・左?
    お腹の上の部分、みぞおちあたりの痛み。胃痛? それとも、ほかの病気? …
  12. 12
    ヘルプマーク、ハートプラスマークなど、見えない障害を持つ人のためのマーク
    (編集・制作 gooヘルスケア) 外見からはわからない障害を抱え…
  13. 13
    内臓が悪いと口臭がキツくなる!? こんなニオイがしたら注意して!
    執筆:月刊『からだにいいこと』編集 -株式会社からだにいいこと 口臭…
  14. 14
    トイレはどこ!?几帳面で神経質なタイプに多い過敏性腸症候群とは?
    (編集・制作 (株)法研) 外出先で突然、お腹を下す過敏性腸症候…
  15. 15 その腰の痛みは坐骨神経痛かも?症状をチェック!
    その腰の痛みは坐骨神経痛かも?症状をチェック!
    (編集・制作 (株)法研) 脚や腰が痛い! 坐骨神経痛の原因と症状を…
  16. 16
    虫刺され跡の茶色いシミをどうにかしたい!早く消す方法は?
    執筆:月刊『からだにいいこと』編集 -株式会社からだにいいこと …
  17. 17 「そこ気持ちいい!」相手が喜ぶ“手の指・甲マッサージ”-イラスト解説付
    「そこ気持ちいい!」相手が喜ぶ“手の指・甲マッサージ”-イラスト解説付
    多くのツボが集まる手をマッサージすれば、自然にツボを刺激できる パー…
  18. 18
    スマホの操作はトイレでやってはいけない
    執筆:月刊『からだにいいこと』編集 -株式会社からだにいいこと 昔は…
  19. 19 あなたは大丈夫? 使わないと衰える…脚の筋力とバランス力をチェック!
    あなたは大丈夫? 使わないと衰える…脚の筋力とバランス力をチェック!
    (編集・制作 (株)法研) (「ジャストヘルス」法研より) 脚…
  20. 20
    実はかなり他人にみられてる…背中・うなじニキビの原因と治療法
    シャツの襟からのぞく背中やうなじのニキビ。治らないとあきらめていません…

一覧