あなたは大丈夫?歯周病が分かる10個のチェックポイント

出血や腫れ、歯の根元など、歯ぐきの変化を毎日チェック

成人が歯を失う最大の原因・歯周病を防ぐには、毎日のブラッシングに加え、専門家によるケアも必要です。

自覚症状がなく、気づいたときには重症化していることも

 歯周病は、歯ぐき(歯肉)など歯を支える歯周組織が歯周病菌による炎症で徐々に破壊されていく病気の総称で、成人の抜歯原因の第1位です。虫歯と違って痛みなどの自覚症状がほとんどなく、見た目でも進行がわかりにくいため、気がつかないうちに抜歯が必要なほど進行していることもあります。中高年世代の8割以上がかかっているといわれ、中高年の病気とみられがちですが、歯周病の初期段階である歯肉炎は20代から増え始めます。早い時期から予防に努めることが大切です。

 自分が歯周病かどうか簡単にわかるチェックポイントを下にあげます。このうち1つでも当てはまれば、すでに歯周病にかかっている可能性があります。早めに歯科医を受診することをおすすめします。

●歯周病クイズ
【質問】 2枚の写真のうち、どちらが重症だと思いますか。

【回答】 正解はBです。
 Aは20代の歯と歯ぐきです。歯石がたくさん付着しています。
 Bは40代の歯と歯ぐきです。歯石は付着していませんし、歯ぐきもピンクです。一見すると、歯ぐきの炎症はないように見えますが、たばこを吸う習慣があり、血液の流れが悪くて歯ぐきが赤く腫れないのです。X線撮影でチェックすると、Bは歯を支えている歯槽骨が3mmほど破壊されています。

歯周病は静かに進んでいく

 歯周病は、歯と歯ぐきの境目に歯周病菌がたまることから始まります。歯周病菌は口の中にすみついている細菌で、完全に取り除くことは不可能です。毎日のていねいなブラッシングなどで、歯と歯ぐきの境目や、境目に通じる歯と歯の間に歯周病菌がたまらないようにケアすること、これが歯周病予防の基本です。

 では口の中のケアを怠るとどうなるのでしょう。歯と歯ぐきの境目に、歯周病菌を含む細菌の集まりであるプラーク(歯垢)が蓄積し始めます。すると歯周病菌によってここに炎症が起こり、歯ぐきのふちが赤くわずかに腫れてきて、結果として歯と歯ぐきの間の溝が深くなってポケットができます。この状態が歯肉炎です。

 そしてプラークが適切なブラッシングにより除去されないまま経過すると、蓄積されたプラークが石灰化して小さな歯石がこびりつくようになります。プラークは「細菌の集まり」ですが、歯石は「細菌の家」ともいうべき強固なもので、ブラッシングでは除去できません。「家」を得た歯周病菌はますます活発に活動できるようになってしまいます。
 その結果、歯ぐきが赤くぷっくりと腫れ(1)、ちょっとした刺激でも出血するようになります(2)。しかし個人差があり、見た目ではわからないこともあります。

 この歯肉炎の段階で歯科医を受診して歯垢や歯石を取り除き、口腔衛生指導を受けて毎日ていねいにブラッシングを行うことが大切です。ここでプラークをきちんと除去できれば、元の健康な状態に回復することが可能です。

 溝が深くなって歯周ポケットが形成され、炎症が歯ぐきから歯を支える歯槽骨に及ぶと、歯周炎と呼ばれるようになります。歯周ポケットの奥に歯垢や歯石がたまって炎症がひどくなると、歯ぐきを押したとき膿が出ることもあります(3)。こうなると、朝起きたときに口の中がネバネバしたり(4)、口臭がするようになります(5)。歯槽骨が溶けはじめると、歯ぐきを押したときふわふわしたり、歯ぐきが浮いている感じがすることもあります。

 歯槽骨がさらに溶けると、歯ぐきが退縮してやせて見えるようになります(6)。歯と歯の間にすき間ができ、食べ物がよくはさまるようになります(7)。
 さらに重症になると出血や膿も悪化し、口臭も強くなります。歯槽骨の破壊も進み、歯を押すとぐらぐらし(8)、堅いものがかみづらくなり、かんだときには「痛み」を感じることもあります(9)。

本人によるケアに加え、重症化する前から専門家のケアを受けること

 歯周炎で破壊された組織は元には戻らないため、破壊される前に食い止める必要があります。そのためには、本人によるケアだけでなく、歯科医をはじめ専門家による歯石除去などのケアを受ける必要があります。また、重症化する前から専門家のケアを受けていれば、歯周病の予防にも役立ちます。つまり、普段、歯医者さんにほとんど行かない人は、専門家によるケアを受ける機会が少なく、その分、歯周病になる危険性が高い――というわけです(10)。

 普段から自分自身でプラークをコントロールし、それに加えて専門家によるケアも受け、歯周病を確実に防ぎましょう。

●歯周病予防のブラッシングなどのポイント
(1)1日1回(特に就寝前)は時間をかけてていねいに磨く
(2)柔らかめのブラシで軽く小刻みに磨く
(3)歯と歯ぐきの間、歯と歯の間にブラシの毛先が当たっていることを意識しながら磨く
(4)デンタルフロスや歯間ブラシも活用する

(編集・制作 (株)法研)

【監修】
佐瀬 聡良先生 


佐瀬歯科医院院長
1989年千葉市に佐瀬歯科医院開設。2002年日本大学松戸歯学部非常勤医員。日本歯周病学会 歯周病専門医、日本臨床歯周病学会 認定医・指導医、金属アレルギー研究会会員。著書に、『見てわかる! 実践歯周治療(月刊デンタルハイジーン別冊・共著)』(医歯薬出版)、『歯周病患者におけるインプラント治療の実践(編集)』(医学情報社)。

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