死亡リスクの高い糖尿病・肥満・痛風-検診データを活用して予防

異常サインを発見するために、自分の基準値を把握しよう

Part2では、「死の四重奏」に含まれる糖尿病、肥満(内臓脂肪型肥満)と、痛風に関わる健診データの読み取り方を紹介します。痛風は、「なりやすい体質」に過食、過度の飲酒、運動不足、肥満、精神的ストレスなどが加わることで発症します。これは糖尿病をまねく生活習慣とほぼ一致します。定期的な健診で、自分の数値を確認するとともに、生活習慣を見直すことが大切です。

糖尿病―血液中のブドウ糖の量が一定の基準値を超えた状態

 糖尿病は、血液中のブドウ糖を低下させるホルモン、インスリンの不足によって、血液中のブドウ糖濃度=「血糖値」が高くなった状態です。血液中のブドウ糖は、食事をすると一時的に増えるものの2~3時間ほどでまた元に戻ります。血液検査では、(1)随時血糖値(食事制限をしないで採血した血液で計測)、(2)空腹時血糖値(前夜9時から絶飲食した血液で計測)や、(3)ブドウ糖を摂取2時間後の血糖値を測定するブドウ糖経口負荷試験などが行われます。

 日本糖尿病学会の糖尿病の判定と診断(図1)によると、随時血糖値が200mg/dl、早朝空腹時血糖値126mg/dl、75gブドウ糖経口負荷試験2時間後値が200 mg/dl のいずれかに該当する場合は、慢性的に高血糖が続いている「糖尿病型」と判定され、別の日に検査し、(1)~(3)のいずれかが確認できた場合は「糖尿病」と診断されます。

 高血糖を放置すると、神経障害や血管障害を招き、進行すると失明や腎不全、壊疽(えそ)などの合併症を引き起こす原因になります。血糖値が基準値を超えた場合は、常に一定レベルに下げるとともに、合併症の予防のために、眼底検査、尿たんぱく、血液中の尿素窒素、クレアチニンの検査、血清脂質検査などにも注意しましょう。

肥満-内臓脂肪型肥満はとくに危険

 肥満によって、健康障害を合併したり、合併が予測され、医学的に治療が必要な状態が「肥満症」です。肥満症は、肥満判定基準のBMI(Body Mass Index=体格指数)が25以上で、かつ(1)肥満に関連する健康障害があり、減量によっても改善や進展が防止されない、(2)身体計測で上半身の肥満が疑われ、腹部CT検査によって確定診断された内臓脂肪型肥満であること、の2項目に該当する場合に診断されます。肥満のなかでも、体脂肪が内臓につく内臓脂肪型肥満の人には、高血圧、高脂血症、糖尿病の人が多いとされています。

 体脂肪を測定する方法はいろいろありますが、日本肥満学会は、身長と体重を体重㎏÷(身長m×身長m)の式に当てはめるだけで簡単に算出できるBMI(Body Mass Index=体格指数)を推奨しています(図2)。また、BMI22が最も病気にかかりにくく、長寿であることから、身長m×身長m×22で理想体重kgを算出することもできます。

痛風―尿酸値が高くなり、末梢関節が激しく痛む

 足の親指など、抹消の関節の激しい痛みで知られる「痛風」の原因は、尿酸という物質です。尿酸は、食べものや体内の細胞の中にあるプリン体の代謝物質で、いわばエネルギーの燃えカスのようなものです。通常、尿酸値が7㎎/dl以上になると高尿酸血症と診断されますが、このうち痛風を発症するのは10%ほどです。しかし、放置すると、腎臓結石を起こすなど腎障害の原因になりますので、治療が必要になります。尿酸値が9㎎/dl以上の人、すでに痛風発作が起きている人は、尿酸値を下げる薬を服用します。また、尿酸値が高めの人は、日ごろから尿素窒素、クレアチニンなど腎機能検査の数値にも注意を傾けておきましょう。

(「へるすあっぷ21」、法研より)

【取材協力】
昭和大学医学部医学教育推進室 高木 康氏

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