1日20分日記を書けば免疫力UP‐感情を整理して心を解放

つらい出来事でも日記に書けば免疫力が大幅に改善

日記を書くことで心が解放されると、免疫細胞の働きが活性化し、免疫力もアップします。

日記と免疫力の関係に注目したアメリカの研究

 最近は、他人に読まれることを前提としたホームページやブログなどの日記も多くなりましたが、日記は本来個人的な記録です。人に相談したくてもできないこと、本当は怒りや悲しみを人にぶつけたいけど、実際にはできないことなど、感情的なことを思いっきり文字にすることができる日記は、免疫力にも一役買っているのです。

 その日記と免疫力との関係に注目した、興味深い研究があります。アメリカのある大学で、いままで誰にも話したことのない秘密で、一番傷ついた出来事を1日20分間、4日連続で日記に書いた人と書かなかった人の免疫力(免疫細胞であるT細胞の数と活性)を比較したのです。

 すると、日記を書いたグループのほうがT細胞の活性が高まったという結果が報告されています。とくに、心の痛みについて詳細に書いた人ほど免疫力が大きくアップしたということです。

ウイルスなど外敵と戦うT細胞の役割

 ここで、免疫系の中枢を担う細胞であるT細胞について、簡単に説明しておきましょう。人の免疫システムを担う白血球は、おもに顆粒球、リンパ球、単球の3種類で構成されています。そのなかで少数派であるリンパ球には、免疫司令官であるヘルパーT細胞や攻撃部隊のキラーT細胞、B細胞、ナチュラルキラー(NK)細胞などがあり、体内に侵入してきたウイルスなどを退治する専門集団を結成しています。

 T細胞は、ほかの免疫細胞が集めてきた情報をもとに、ウイルスなどの外敵を見つけ、攻撃すべき相手かどうかを判断します。そして、“攻撃の必要あり”と判断すると、今度は、周囲の免疫細胞に攻撃をしかけるための指令を出し、自らも戦うための準備をし、統率をとりながら外敵と戦います。

秘密を書くことで低下した免疫力が強化、改善

 ところで、アメリカでの日記に関する研究では、つらい経験を誰にも告白せずに、胸のなかにもち続けていることが免疫力を低下させること。その一方で、日記に秘密を書くこと、つまり自分に秘密を打ち明けることによって、低下した免疫力が強化、改善されることが結論づけられています。

 感情の赴くままに書き散らしても、文字にすることによって、怒りや不安などのマイナスの感情が整理され、客観的な視点がもてるようになるのです。さらに、泣いたり、笑ったりすると心が解放されるのと同じように、日記を書くことで精神的な安らぎが得られ、落ち着きを取り戻せるのも確かなようです。

 一般に文章を書く場合は、人に見られることを意識して書きます。しかし、日記は、あくまで個人の記録なので、順序だてて書く必要もなく、内容に矛盾があってもかまいません。人に相談したくてもできないこと、本当は人にぶつけたい怒りや悲しみ、やりたくても実際にはできないことなど、なんでも、思ったことを日記に書くことによって心を解放し、同時に、免疫力もアップさせましょう。

(「免疫力がアップする50の法則」松下 祥監修、法研より)


松下 祥


埼玉医科大学免疫学教授、医学博士
九州大学医学部卒業。日本では珍しいライター病の症例との出合いを契機に遺伝学・免疫学の研究者に。熊本大学大学院助教授を経て2001年より現職。アレルギー、自己免疫などが対象の新世代ワクチンの開発に詳しい。

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