ご飯は太るは勘違い-和食が健康にも便秘にもいい訳とは?

やっぱりご飯が主食。元気な体に「出す力」あり

ウンチを出して健康になるために、腸に優しい伝統的な和食の知恵を見直しましょう

「ご飯」は太らない

 いい陽気に誘われて、散歩に花見と外出の機会が増えてきましたね。体を動かすとおなかもすいてきます。「ご飯にしましょう」とか「ご飯食べよう」とか、ご飯といえば食事のことをいうように、日本人にとってご飯は大切な主食。先祖代々食べ続けてきた伝統食です。なのに若い女性には「ご飯は太る」と敬遠されているとか。でも、それはまったくの誤解なのです。

 ご飯に含まれる糖質は、優先的にエネルギーとして消費されるうえ、水をたっぷり吸わせて炊き上げるため食パンの約2倍と水分が多く、量の割に低エネルギー。また、粒で食べるご飯は消化・吸収がゆるやかで、体脂肪の合成を促すインスリンの分泌をあまり刺激せず、肥満や糖尿病の予防にも有効といわれています。
 ほかにも、ご飯に含まれるたんぱく質は必須アミノ酸を多く含み、ほかの穀物に比べて非常に栄養価が高く、パンやめんなど粉食に比べて腹持ちがよいなど、主食として大変すぐれています。おいしくて食べ過ぎてしまいがちなのが困りものですが、ご飯を毎日もりもり食べれば、あなたもきっと元気になれるはず。

 そして、食べたらこんどは出す! 元気な体は排出物もたくさん出すのです。

ウンチはどうやってできるの?

 口から入った食べ物は胃の中で胃酸によってかゆ状に消化され、十二指腸で膵(すい)液と胆汁が加わってさらに消化が進みます。その後小腸では消化と栄養分の吸収が行われ、残ったカスが大腸へと送られ、水分やミネラルが吸収されます。そして最後まで残ったのがウンチです。ウンチの正体は食べたものが消化吸収されたあとのカス、つまり老廃物。だから毎日スッキリ出すのが理想です。

 食べたものがウンチになって出てくるまでに、通常15~39時間かかります。朝食べると腸も目覚めて活動を開始します。食事をとって胃がふくらむと、脳から信号が出て、大腸が便を送り出そうと収縮する蠕動(ぜんどう)運動が起こります。そこで「トイレに行きたい」となるのです。この便意は絶対逃さないこと! 一度我慢してしまうと、便意はなかなか戻ってきません。

現代人に便秘が多いのは当然!?

 毎日スッキリ出したいウンチですが、実に多くの人が便秘に悩まされています。便秘とは、便が3日以上出ない状態をいいますが、毎日お通じがあっても、まだ残っているようでスッキリしない場合も便秘といってよいでしょう。たかが便秘とあなどってはいけません。便秘をそのままにしていると、肌荒れや肩こり、頭痛などの症状を引き起こしたり、長引けば痔(じ)や高血圧、大腸がんなど、さまざまな病気の原因にもなります。
 便秘の原因には、次のようなことが考えられます。

●肉を食べることが多く、火を通した野菜をあまり食べない
●座り仕事で運動不足
●忙しくてトイレタイムがゆっくりとれない
●ストレスがたまっている
●生活リズムが不規則
●朝食をとらない
●ダイエットしている
●甘いものの食べすぎ

 ほとんど当てはまった、という人もいるのではないでしょうか? なぜならこれらは現代人のライフスタイルそのもの。これでは便秘する人が多くて当然ですね。

 ところで、ストレスが便秘の原因になるのはなぜでしょう? 腸は、内臓の働きなどをコントロールしている自律神経に支配されています。ストレスによって自律神経のバランスがくずれると、腸の働きが鈍くなったり、腸の悪玉菌が元気になったりするため、便秘の大きな原因となるのです。

 また、女性には便秘の人が多く、特に生理前は便秘がちになるのも、わけがあります。それは、女性ホルモンである黄体ホルモンが、流産を防ごうとして腸の運動を抑えるため。生理前には黄体ホルモンの分泌が盛んになるので便秘がちに、黄体ホルモンの分泌が止まって生理が始まると、スムーズに排便できるようになるのです。

腸を喜ばせる「まごたちはやさしい」は伝統的な和食

 「まごたちはやさしい」というフレーズを聞いたことがありますか? 豆、ごま、卵、乳類(ちち)、わかめ、野菜、魚、しいたけ、いも、の9種類の食品の頭文字を並べたもので、これらを普段から食べていれば、自然に便通がよくなります。どれも伝統的な和食でおなじみのものですね。

 これらの食品には不溶性の食物繊維(便量を増やす)、水溶性の食物繊維(腸内環境を整える)、ビタミンB1(大腸の筋肉の動きを活発にする)、ビタミンC(ストレスに打ち勝つ抗ストレスホルモンを生成する)が多く含まれています。これに乳酸菌やビフィズス菌(腸内の善玉菌を活発にする)を多く含むヨーグルト、漬け物、みそなどの食品が加わればこわいものなし。これらの食品を毎日食べることが腸にも優しいことなのです。

 ご飯と「まごたちはやさしい」食品を組み合わせた伝統的な和食を見直して、あなたも「食べて元気、出してきれい」な生活を取り戻しましょう。

(「食べて元気、出してきれい」義岡千恵子著、法研より)

【監修】
義岡千恵子氏


健康アドバイザー
1949年鹿児島県生まれ。サンエリア代表取締役、「大ぞの食文化の学校」代表を務めるほか、書籍プロデュース、イベント企画、講師など精力的に活動している。学校関係では食育講座、PTA、お母さん教室などでの講演会は年間150回を超え、子どもたちの食育、環境、いじめなど幅広いジャンルの啓蒙活動を行う。「アトピー性皮膚炎」に関しては、自らの体験をもとに食生活やメンタル面も含め相談に応じている。

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