夏のだるさや頭痛は冷房病かも-6つのコツで自律神経を整えよう

そのだるさや頭痛は冷房病かもしれません

冷房病の予防と対策は、冷気から体を守るとともに、食事や睡眠などの生活習慣に気をつけることが大切です。

冷房病は自律神経失調症の一種

 気象庁の長期予報によると、今年も暑い夏になりそうです。一昨年から、職場の冷房設定温度を28℃程度とし、その室温でも快適に働けるビジネススタイル「COOL BIZ」(クールビズ)の導入が推進されていますが、冷えすぎの職場で働く人もまだまだ多いのではないでしょうか。
 女性は、スーツ姿の男性に比べて薄着であること、とくに脚を露出するスカートは、床面近くにたまる冷気の影響を受けやすいことなどから、冷房で体調をくずす「冷房病」になりやすいと言われています。夏を楽しく元気にすごすために、冷房病について知っておきましょう。

 冷房病の原因は、エアコンによる体の冷えすぎと、冷房の効いた室内と暑い戸外との温度差に体がついていけなくなること。主にこの2つによって起こる自律神経失調症の一種であると考えられています。

 私たちの体は、寒くなると皮膚の血管を収縮させて、体内の熱を逃がさないようにし、暑くなると血管を拡張させて熱を体外に逃がしたりして、体温を一定に保っています。この体温調節をしているのが自律神経ですが、自律神経が対応できるのは、温度差5℃以内くらいまで。それ以上の激しい温度変化にさらされていると、体温調節がうまくいかなくなり、自律神経も乱れやすくなって、さまざまな体の不調があらわれます。
 主な症状は、体の冷え、頭痛、肩こり、だるさ、胃腸障害、腰痛、手足のむくみ、不眠など。また、免疫力が落ちることでかぜをひきやすくなったり、ホルモンバランスの乱れから月経不順を起こしたりすることがあります。

こんな生活が冷房病を招く

 冷房病は、体力がない人や高齢者に多くみられる症状でした。しかし、最近では元気いっぱいなはずの若い人にも増加しています。これには不健康な生活習慣がかかわっていると考えられています。

 暑い夏は、ただでさえ体調をくずしやすい季節です。都市部ではヒートアイランド現象で寝苦しい熱帯夜が増加し、寝不足になる人が増えています。暑さのせいで食欲が落ちることもあるでしょう。その一方で、夏は楽しいイベントがいっぱい。夏バテ気味だというのに、つい夜ふかしをしたり、ビールを飲みすぎたり暴飲暴食したり。そして、休日には寝だめ・・・。

 こうした不規則な生活や食事は、自律神経に大きな負担をかけ、冷房病をはじめとする自律神経失調症をひき起こすリスクが高くなります。自律神経を整えるには、起床・就寝の時間、食事をとる時間を一定にするなど、できるだけ規則正しい生活を送るようにすることが大切です。

 もう一つ自律神経の働きを狂わせる大きな原因に、ストレスがあります。上手に気分転換するなどしてストレスをためないようにしましょう。タバコを吸うと、ニコチンが血管を収縮させるため、体が冷えやすくなります。だから禁煙も、冷房病予防の重要な対策のひとつなのです。

冷房病に負けない工夫を

 エアコンの設定温度を25~28℃程度にして、外の気温との差を5℃以内に保ち、自律神経が正常に働ける環境にしておくこと。これが基本的な予防策ですが、職場によっては、もっと低い室温になっているところもあるでしょう。冷えた職場で長い時間をすごさなければならない人や、冷房のきいた電車やバスで通勤をする人は、体を冷やさないようしっかり対策を。

●冷房から身を守るスカーフなどを用意
 通勤電車の中や出先での冷房対策用に、大きめのスカーフやカーディガンなどを持ち歩く。職場ではひざかけ、厚手の靴下などを用意し、冷風を直接体にあてないように。また、体を締めつける服や靴は血行を妨げるので避けたい。

●体を動かして血行を促す
 長い時間同じ姿勢で仕事をしていると、血行が悪くなり、冷房病にかかりやすくなる。ときおり休憩をとったり、軽くストレッチをして、体の血行を促したい。汗をかくのは体温調節機能を正常に保つのに効果があるため、ウオーキングなど、軽く汗をかく運動を毎日続けるとよい。

●入浴して体を温める
  夏はついシャワーだけですませてしまいがちだが、できれば湯舟につかりたい。ぬるめのお湯でゆっくり半身浴をすると、冷えて収縮した血管が広がり、体が温まる。足湯も効果がある。

●温かく栄養バランスのよい食事をとる
 冷たい食べ物や飲み物で胃を冷やすと、消化力が衰えて体力が落ち、自律神経が乱れやすくなる。温かくて栄養バランスのよい食事で、体を内側からあたためたい。夏が旬のなすやきゅうり、トマトなどは体を冷やすのでなるべく加熱して。

●適度な冷房で快眠を
 あらかじめ寝室の温度をエアコンで下げておき、寝る前にスイッチを切ったり、タイマーを利用して2時間程度で冷房を切るようにして、冷えすぎを予防。

●腹式呼吸で自律神経を整える
 腹式呼吸は自律神経を整えるのに効果的。息を吸ったとき下腹部と胸部を一緒にふくらませる「胸腹式呼吸」なら簡単にできる。軽く背筋を伸ばし、息を吸うときは一気に吸い(口からでも鼻からでもOK)、吐くときは口から、細く長く時間をかけるのがコツ。これを心身がリラックスするまで繰り返す。

 体調が優れず「冷房病かな?」と思ったら、まずは医師の診察を受け、本当に冷房が原因なのか診断してもらったうえで、症状に適した治療を受けるようにしましょう。

【監修】
根岸 鋼先生


西荻聖和クリニック院長

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