パソコン&スマホの長時間使用にご用心-いつの間にかたまる疲労

使いすぎは知らず知らずのうちに心と体に悪影響

精神神経的な疲労がたまり、集中力・持続力がともに低下し、人とのコミュニケーションがとれなくなることも

日常生活に支障が出たら「テクノ依存症」かも  

 パソコンやケータイは、いまや生活必需品、これなしでは生きていけないという人も珍しくありません。しかし、どんなに便利なものでも、使いすぎたり頼りすぎたりしていると、思わぬ落とし穴にはまってしまいます。

   毎日、長時間にわたってパソコンに向かったり、ケータイのメールやゲームに夢中になって、目が疲れたり痛くなったりしていませんか? 頭痛、肩こり、腰痛、腕のしびれなどが続いていませんか? 深夜までインターネットやメールに熱中してしまい、翌朝起きられずに仕事や学校に遅刻してしまったということはありませんか? あるいは、イライラする、ケータイが手もとにないと不安になる、人と話をするのが面倒だと感じるといったことはないでしょうか?

   ここに挙げた症状のすべてではなくても、いくつか思い当たることがあるとしたら要注意。体調が悪くて仕事や勉強に集中できない、職場の同僚などと気まずくなって人づきあいがうまくいかなくなるなど、日常生活に支障が出たら「テクノ依存症」かもしれません。

   テクノ依存症は、仕事でもプライベートな時間でも「パソコンやケータイを手放せない」、「それがないと不安」という人たちに多くみられます。いまのままの生活を続ければ、症状は慢性化して治りづらくなり、対人関係が築けずに十分な社会生活を送ることができなくなってしまうこともあります。

長時間使用はなぜイケナイ?

 パソコンやケータイを長時間使い続けると、目にはかなりの負担がかかります。何しろ、近くのディスプレイをあまりまばたきもしないで見つめ続けるのですから。
 ここ数年、パソコンやケータイの長時間使用が原因と思われる眼精疲労、ドライアイが急増しています。目が痛い、疲れる、乾くといった症状で気づくことが多いようです。

   負担がかかるのは目だけではありません。ほぼ同じ姿勢でパソコンやケータイを使い続けるわけですから、首や肩、腰などの筋肉は緊張状態が続き、コリが起こります。頸肩腕(けいけんわん)症候群や慢性疲労におちいります。

   こうした体の問題もさることながら、最近問題になっているのが、心への影響です。行動やものの考え方がデジタル的になって、対人関係にひびが入ったり、通常の社会生活が営めなくなっている人が増えているのです。

 ひと言で言えば、パソコンやケータイは「イエスかノーか」「0か1か」の世界です。多くの場合、画面上の質問に対して「イエスかノーか」をクリックしていけば、結論に到達します。そのため、パソコンやケータイにどっぷりつかった生活をしていると、何事も「イエスかノーか」で判断するようになり、人の微妙な心の動きをくみ取れなくなってしまいます。これでは、周りの人に対する心配りはできません。人間関係はギスギスしたものになってしまいます。

連続使用を避け、疲れたら休憩を

 こうしたテクノ依存症を防いだり、改善したりするには、何よりもパソコンやケータイを長時間使い続けないことが大切です。パソコンを使った作業は1日5時間程度に抑え、1時間に1回、10分程度は休憩をとって目や神経を休めましょう。背伸びや前屈などのストレッチ体操をすると、肩や腰、腕などの血行を改善し、コリをほぐすことができます。

   パソコン、ケータイに頼りきって、連絡は何もかもメールで済ませていたという人は、パソコン、ケータイの使用頻度を減らして、相手のところに直接出かけていくようにするとよいでしょう。できるだけ人と接する機会を増やすことです。
 もともと人と話をするのが苦手だという人もいるかもしれません。そういう人は、まずあいさつをすることから始めてみてください。あいさつを積み重ねていけば、だんだん会話の機会を増やすこともできるでしょう。メールのやり取りだけではわからなかった心の温かさに気づくことができるかもしれません。

   テクノ依存症に陥っている人は、身も心もグッタリ疲れているのに、なかなか自分では気づきにくいものです。精神神経的な疲労が重症になる前に、専門家に相談するなど、周囲のサポートが必要となります。

(「ジャストヘルス」法研より)

【監修】
渡辺 靖之先生


新小岩わたなべクリニック院長
1968年北海道大学医学部卒業後、国立療養所静岡東病院(国立てんかんセンター)、港勤労者医療協会芝病院を経て、2004年12月より現職。神経内科・内科認定医。身体障害(肢体不自由)診断指定医。NPO法人職業性疾患・疫学リサーチセンター副理事長。30年以上の長きにわたって職業性頸肩腕障害の診療に携わってきた。

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