太りにくい体は自律神経から-痩せないのは交感神経が原因かも?

脂肪の燃焼は自律神経にかかっている

生活習慣をリセットして、自然のリズムに合わせて生活しよう

やせにくいのは交感神経の働き低下から

 あの手この手でダイエットに取り組んでも、なかなかやせにくいという場合、その原因としては、交感神経の働きが低下していることが考えられます。

 交感神経は、副交感神経とともに自律神経と呼ばれます。交感神経は体を活動モードにする昼間の神経、副交感神経はリラックスモードに切り替える夜の神経です。昼間は交感神経が優位に働くため、体は活発に働きます。

 その活発な働きの一つが脂肪の代謝、つまり体内に蓄積された脂肪を燃焼させ、分解することです。もし、代謝がスムーズに行われていれば、脂肪が効率よく燃焼して、やせられるはずです。しかし、食事の量を控え運動してもなかなかやせられないとしたら、代謝がスムーズに行われず、脂肪が十分に燃焼していないことが考えられます。原因は、自律神経のうちの交感神経の働きが低下していることにあります。

エアコンどっぷり、昼夜逆転を改めないと

 夏は冷房、冬は暖房と、私たちの生活は大変快適になりました。少なくとも、建物や乗り物の中では、夏の暑さや冬の寒さを感じなくてよいのですから。しかし、もともと自律神経は本来の自然環境、つまり夏の暑さや冬の寒さに適応するように働く神経です。それが、夏は冷房による冷やしすぎから、冬は過度の暖房から体を守るために不自然な働き方を強いられ、自律神経は大きなダメージを受けて乱れてしまうのです。

 また、昼夜逆転の生活も、自律神経の乱れに拍車をかけています。本来、夜になって交感神経優位から副交感神経優位に切り替わるころになっても、体は活動し続けているからです。

 ほかにも、忙しくて食事を抜くことが多かったり、逆に食べすぎたり、動かない・歩かないといった現代の生活は、自律神経に不自然な働き方を強要し、交感神経と副交感神経のバランスをくずしやすい環境にあるといえます。これでは、自律神経は疲労困憊し、脂肪の代謝などにかかわりあっていられません。

体を自然な環境の中に置く

 脂肪の代謝を促してやせやすい体に変えるには、自律神経のバランスを整えて、交感神経の働きを向上させる必要があります。それには、体を不自然な外的環境に適応させるのではなく、自然な環境に適応させるようにすることです。

 今すぐにでも始められて最も手軽な方法は、日常生活を自然のリズムに合わせること。つまり、早寝早起きを心がけることです。朝起きたら朝の太陽光を浴びて体を動かし、夜はできるだけリラックスして、夜更かしをしないで寝るようにしましょう。こうして昼と夜で活動と休息のモードを切り替えるのです。朝は熱めのお湯と冷水のシャワーを交互に浴びて体を目覚めさせ、夜はぬるめの半身浴でリラックスすると、切り替えがスムーズにいきます。

 食事と運動も重要な要素です。食事は1回分の量は控えめにして、1日3食を決まった時間にとりましょう。運動は、お金をかけなくてもできます。車を使っていたところを徒歩に変えたり、エレベーターやエスカレーターはやめて階段を上るなど、意識して体を動かすようにするだけで、運動量はグンと増えます。

 また、できるだけ外気に触れ季節を感じるようにするなど、人間本来の自然な生活習慣を取り戻せば、自律神経の働きも回復し、脂肪が燃焼しやすい体になります。あなたも日常の生活習慣を見直して、自律神経の本来の働きをとり戻し、太りにくい体を手に入れましょう。

【監修】
青木 晃先生


順天堂大学大学院加齢制御医学講座准教授
フィールファインクリニック丸の内 内科統括医
1988年防衛医科大学医学部卒業。日本抗加齢医学会専門医。日本エイジマネージメント医療研究機構理事、日本抗加齢医学会評議員を務める。抗加齢(アンチエイジング)医学の第一人者としてTV・ラジオ、雑誌などでも活躍。体の中からのアンチエイジングを提唱し自らも実践。アンチエイジング・ライフスタイル・プロデューサーとしても知られる。著書に『“若返り”の食と生活』(宝島新書)、『40歳からの週末リセットダイエット』(海竜社)など多数。

この記事を見ているひとはこんな記事も見ています

自律神経の働きとは-手軽にできる自律神経の整え方3つ

暑さも一段落し、秋の虫の音も聞こえる時期になりました。皆さん、今年はどんな夏を過ごされましたか? 季節の変わり目であるこの時期、体調を崩す方も少なくありません。今回は、心身をリセットし、ニュートラルな状態に戻す方法を、自律神経をヒントに考... 続きを読む

夏のダメージを解消するお肌と頭皮のケア-ポイントは朝のスキンケア

この夏、日本列島を襲った猛暑は危険レベルでしたね。日中をアウトドアで過ごした人はもちろん、ずっとエアコン下で過ごした人も、肌が夏バテしているのでは?
外気が乾燥し始める前の秋口に、夏ダメージをリセットしておかないと、老化スイッチが入った... 続きを読む

ステキな恋愛が免疫力を高める?-緊張とリラックスで活性化

ステキな恋をしていると免疫力が高まる!?
これは本当のことです。恋愛と免疫力という一見何の接点もないようなこの2つが、実は根本の部分で深くかかわっているのです。
白血球は、免疫系で重要な役割を果たしていますが、その免疫細胞の働きに大きな影... 続きを読む

冷房を我慢しないで!寝苦しい熱帯夜を乗り切る、快眠美人の熟睡法

高温多湿で寝苦しい夏。ただでさえ紫外線などによるダメージで、肌トラブルが増えやすい時季なのに、うまく眠れないことで睡眠時間にキレイが育めず、翌朝もお疲れ肌で、夏がおわる頃にはぐっと老けてしまった!なんてことだけは避けたいですよね。熱帯夜... 続きを読む

朝・交感神経への切りかえをスムーズにする「へそ呼吸」


交感神経への切りかえをスムーズにする「へそ呼吸」 背筋を伸ばしてイスに浅く腰かける。おへそに両方の手のひらを重ねて当てて、上体を後ろにそらしながら3秒間かけて息を吸い込む。次に、上体... 続きを読む

たるんだ脚とお尻のお悩み解決!「冷水シャワー」で一気に引き締める!

みなさんこんにちは。トータルボディビューティーアドバイザーのKAORIです。いよいよ夏が来ますね。ショートパンツをカッコよく履きたい!脚を引き締めたい!というみなさんに、今回は一気に身体の引き締めが期待できる、冷水シャワーをご紹介してい... 続きを読む

暑さを我慢するよりはエアコンでちゃんと冷やした方がいいんですよね?

カラダIQを高める!~今回の解説~ Q. 暑さを我慢するよりはエアコンでちゃんと冷やした方がいいんですよね? A. NO……冷やしすぎは、カラダ的にもエコ的にもNGです。
暑さが厳しく... 続きを読む

呼吸は吐くときを意識して!自律神経の乱れを呼吸でコントロール

呼吸の力を利用すれば、いつでもどこでもリラックスできる 1日2万回も行っている呼吸は、交感神経と副交感神経を切り替えるスイッチ。活用すればストレスにも強くなれる。 呼吸は自分でコントロールできる“自律神経のスイッチ” 私たちが行っ... 続きを読む

胃腸をストレスから守る-スローテンポの音楽が自律神経を整える

「胃が痛くなる」とか「断腸の思い」といった言葉もあるように、昔から、ストレスは胃腸の調子を左右すると考えられてきました。それを裏づけるように、テスト前に胃がキリキリ痛んだり、仕事の納期が近づくとおなかの調子が悪くなったり食欲が低下するとい... 続きを読む

「量」より「時間」!「いつ食べるか」を考えて健康的にダイエット!

ダイエットで最近注目されているのは、「時間栄養学」という考え方。ダイエットというと「何を、どれくらい食べるか」という点に注目されがちですが、「いつ、何をたべるか」を重視する体内時計の働きに基づいた方法です。 ただ痩せればいいという不健... 続きを読む