1日に摂るべきは野菜350g-野菜不足を解消する上手な摂り方

食事量の少ない女性は、とくに野菜不足に注意

毎日どれぐらい野菜を食べているのか意識することからはじめ、食事にできるだけ野菜をとり入れる工夫を

ほとんどの人が目標値350gをとれていない

 「野菜不足」は、現代人の多くが気にしていることかもしれません。便秘や肌荒れなどの体調不良や生活習慣病を防いで健康を保つには、野菜に含まれるビタミンやミネラル、食物繊維などが必要不可欠です。でも、ふだんから朝食を抜いたり、昼食をカップめんですませたりすることが多いと、どうしても野菜不足になりがちです。

 厚生労働省が提唱する健康づくりの指標「健康日本21」では、成人の望ましい野菜摂取量を「1日350g以上」としています。しかし、ほとんどの人は目標値の量の野菜をとれていません。
 「平成17年国民健康・栄養調査」(厚生労働省)によると、いちばん野菜を食べている60代でも約330gと目標値に届かず、20~40代では約100gも不足。もともと食の細い女性だけでみるとさらに不足しています。

生よりも加熱したほうが量がとりやすい

 「野菜350g」とは、どれぐらいの量なのでしょうか。野菜5種類(約70g×5で350g)の例をあげてみましょう。

<トマト 中1/2個(プチトマトなら5個)、ほうれん草 約3株、にんじん 中1/2個、キャベツ 大きめの葉1枚、もやし 少量パック(150g)の半分>

 以上を1日3食でとればいいのですから、それほど無理な量とも思えませんが、朝食を抜いたり、ファストフードですませたりした場合は難しいでしょう。

 なお「健康日本21」では、野菜350gを、緑黄色野菜120g、淡色野菜230gというバランスでとるようすすめています。ちなみに緑黄色野菜とは、100g中にβカロテンを600μg(マイクログラム)以上含む野菜のことで、緑黄色野菜以外の野菜を淡色野菜といっています。前者にはにんじん、かぼちゃ、小松菜、ほうれん草、パセリなど、後者にはキャベツ、大根、レタス、たまねぎ、もやしなどがあります。

 βカロテンは体内の活性酸素を減少させてがん予防や老化防止に効果があり、ビタミンCやカリウム、鉄、カルシウムなども緑黄色野菜のほうが多く含むことから、緑黄色野菜ばかりが重視されているようですが、淡色野菜もおろそかにすることはできません。淡色野菜にもビタミン・ミネラルや食物繊維が豊富で、免疫力を高めたり、生活習慣病の予防に効果があります。1年中出回っていて手に入れやすいものが多く、くせがないからたくさん食べられるのも魅力です。

 個々の野菜にどんな栄養素があるのかを知らなくても、緑黄色・淡色をおりまぜて多くの種類の野菜をとれば、自然にバランスよくいろいろな栄養素をとることができます。なるべく多くの種類の野菜をとるようにするよう心がけましょう。

 ところで、生野菜のサラダをバリバリ食べると野菜をたっぷりとった気分になりますが、かさの割に量はとれていません。生で食べられる野菜の多くは90%以上が水分で、その水分でおなかがいっぱいになってしまうのです。野菜はいためたり、ゆでたりして加熱すれば水分が出てかさが減るため、生で食べる何倍もの量を食べることができます。

 加熱して失われる栄養素も、量を多く食べることで補うことができますし、熱に強い栄養素や食物繊維はたっぷりとれます。野菜をたくさんとるには、おひたし、温野菜のサラダなどがおすすめです。みそ汁やシチューなどの汁ものや鍋もよいでしょう。

外食やコンビニ弁当でも工夫次第で野菜たっぷりメニューに

 オフィスでのランチタイムのように時間が限られたなかでの外食やコンビニ弁当、一人暮らしの自炊でも、次のような工夫で野菜の量や種類を増やすことができます。

野菜の量が多いメニューを選ぶ
・丼ものやめん類などの単品メニューよりも定食がおすすめ。
・めん類なら、五目めんやタンめん、夏は冷やし中華など野菜がとれるものを。

こまめに野菜を補う
・丼ものやめん類などには、サイドメニューで野菜料理を追加。
・カップめんやおむすびなどのコンビニ食には、おひたしなどのお惣菜を補う。
・冷蔵庫にプチトマトやキュウリなど、そのまま食べられる野菜を常備する。

簡単調理で手軽に野菜をとる工夫を
・パスタやラーメンをゆでる鍋、肉を焼くフライパンに、ついでに加熱できそうな野菜を入れて、パスタや肉と一緒に野菜もいただく。
・青菜やブロッコリーをゆでるときは、次の日の分も多めにゆでる(冷凍庫では忘れてしまいがちなので、2~3日で食べきる量を冷蔵庫に保存)。野菜料理の冷凍食品も便利。一人分ならお弁当用など小分けされたものを。

 目標値達成にこだわりすぎると、プレッシャーになるので、まずは現状よりも少しでも多めに野菜をとることをめざして、小さな工夫をすることからはじめましょう。

(「健康のひろば」法研より)

【監修】
牧野 直子先生


管理栄養士・料理研究家、(有)スタジオ食(くう)代表
1990年女子栄養大学卒業。在学中より栄養指導、教育の啓蒙活動に携わる。雑誌や新聞、テレビなどでダイエットや生活習慣病予防の栄養指導、講演、料理教室講師、おいしく簡単な健康メニューの提案などのほか、商品販売促進のための栄養情報啓蒙にも携わる。著書に『ダイエットおべんとう300』(主婦と生活社)、『2歳からのおやつBOOK~3度の食事を補う』(日本放送出版協会)など多数。

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