糖分を上手にとって中性脂肪を下げる-甘党も辛党も糖分過多かも

気づかずに糖質のとりすぎになっているかも

食べ物の選び方、食べ方に注意すると、糖質のとりすぎは防げる

糖質のとりすぎは中性脂肪を増やし、メタボを引きおこす

 メタボリックシンドロームに関心が集まるなかで、糖質のとりすぎに対する注意が叫ばれています。糖質とは、三大栄養素の一つである炭水化物のうち、食物繊維を除いたもの。食事でとった糖質は、肝臓でグリコーゲンになり、エネルギーとして使われますが、使い切れなかったものは中性脂肪に変えられ、脂肪肝やメタボリックシンドロームを引きおこす原因になります。そのため、とりすぎが問題視されるのです。

 糖質というと、「糖」の文字がつくためか、「甘い物」が連想されるようですが、甘い物ばかりが糖質ではありません。糖質には次の3種類があります。
・単糖類(ブドウ糖、果糖など):最小単位の糖質。果物などに含まれる
・少糖類(ショ糖、麦芽糖など):単糖類が2個から数個くっついたもの。2個くっついたものが二糖類で、砂糖などに含まれる
・多糖類(でんぷん、グリコーゲンなど):単糖類が多数くっついたもの。ごはんやパン、めん類、いも類などに含まれる

 食事でとった糖質は、最も分子の小さい単糖類に分解されてから吸収されます。そのため、分子の多い多糖類は吸収に時間がかかる一方で、単糖類は吸収が早く、血糖値を急上昇させて中性脂肪の合成を促します。
 糖質をとるときは、吸収に時間がかかり、中性脂肪の合成にも時間のかかる多糖類からとったほうがよいといえます。つまり、甘い物からではなく、ごはんやパンなどの主食からとるようにしたほうがよいのです。

こんな食べ物、飲み物にこんなに糖分が!

 糖質の中でも吸収の早いのは単糖類、次いで二糖類ですから、果物、そして砂糖の多く含まれた甘い物に対する注意が大切です。

 果物は、ビタミンや食物繊維が豊富なことから「体によい」と考える人が少なくないようです。確かにそのとおりですが、食べすぎると中性脂肪を増やす原因になります。ビタミンや食物繊維がとれるので1日に200g程度はとりたいものですが、糖尿病の人は1日100g程度までがすすめられます。

 甘い物というと、ケーキやカステラ、大福やおだんごなど、甘いお菓子が思い浮かびます。確かに、こういう甘い物を食べすぎないのは重要なことですが、忘れてならないのは清涼飲料水やコーヒー、アルコールなどの飲み物です。甘いお菓子を控えても、こうした飲み物に対する注意を忘れると、糖質をとりすぎてしまうのです。

 清涼飲料水のような甘い飲み物は1本に10g以上の砂糖が入っています。喫茶店などに置いてある細いタイプのスティックシュガーが1本3gですから、それが3本分以上も入っていることになるわけです。コーヒーを飲むときも、砂糖やミルクを入れると、糖質の摂取量が増えてしまいます。

 アルコールにも糖質が含まれています。なかでも、口当たりのよい甘いカクテルには砂糖が入っています。また、蒸留酒(ウイスキー、焼酎など)よりは醸造酒(日本酒、ワインなど)のほうが糖質を多く含んでいます。

 清涼飲料やコーヒー、アルコールなど、飲み物は盲点となりがちです。「甘い物はあまりとっていないのに」という人でも、飲み物から糖質をとりすぎている場合が少なくないだけに、注意が必要です。なるべくお茶や水など無糖の飲み物をとるようにしましょう。

無理にがまんするのはストレスのもと。時間と量を決めて楽しく

 とりすぎが問題だというと、甘いおやつも「がまん、がまん」と無理をしがち。でも、無理があれば長続きしませんし、ストレスのもとになって、かえって食べすぎることにもなりかねません。

 大切なのは、食べないことではなく、とりすぎないことです。今までは、食べたいときに気がすむまで食べていたとしたら、これからは時間と分量を決めて、それ以上はだらだらと食べないようにしましょう。

 「絶対食べない」などと禁止するとつらいだけです。1週間単位で分量を調節したり、1回分の量を少なくするなど、無理のない方法で取り組みましょう。「これだけしか食べられない」と考えるのではなく、「3時になったら、これだけ食べられる」というようにとらえること。たとえ分量は少なくても、がんばっている自分への「ごほうび」と考えれば楽しくなります。

 ただし、夜寝る前はがまんが肝心! 寝る前にとったエネルギーは、そのまま中性脂肪として蓄積されてしまいます。

【監修】
森野 眞由美先生


管理栄養士、株式会社バイワネル代表取締役
女子栄養大学栄養学部栄養学科卒業後、同大学栄養クリニックで20年間生活習慣病などの食事指導にあたるほか、講師を勤める。1992年栄養・健康に関する「株式会社バイワネル」を設立。企業の栄養指導コンサルタントや、雑誌・イベント・ビデオの企画、TV・ラジオ、執筆活動、講演会などを行っている。女子栄養大学非常勤講師。日本栄養・食糧学会などに所属。著書に『腎臓病の人のおいしい献立』(新星出版社)、『病気にならない毎日の食事』(永岡書店)など多数。

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