アンチエイジングに役立つ3つの基本-若返りのための生活改善法

体の老化度を調べ、若返りのための生活改善法をアドバイス

バランスのよい老化は進行がゆるやか。生活習慣を見直し、弱点を克服する対策を

アンチエイジングは究極の予防医学

 白髪が目立ってきた、小さな文字が見えにくい、頻繁に物忘れをするなど、誰でも40歳ごろから、少しずつ老化現象を自覚し始めます。以前は「自然のなりゆき」とあきらめていたものですが、最近のアンチエイジング(抗加齢)医学の進歩によって、たとえ中高年以降になっても、気力・体力が最も充実する30代の心身の状態を保つことは可能という、夢のような研究が進んでいます。

 100歳をすぎても大きな病気もなく元気に暮らしている「百寿者」の人たちは、体全体がバランスよく老化して、弱点が非常に少ないことがわかっています。
 体のどこかに弱点があると、それがだんだん大きくなって致命的な病気につながり(弱点が血管なら心臓病や脳卒中など)、命を落としたり要介護状態になってQOL(生活の質)が著しく損なわれたりします。それに対して、これといった弱点のない「百寿者」の人たちのようなバランスのとれた老化は、進行がゆるやかです。

 そこでアンチエイジング医学は、体の中で老化が進んでいる、または進みそうな弱点を見つけ出し、これに対して生活指導や治療を行い、弱点を克服していくことでQOLを向上させ、健康長寿を達成することを目標としています。アンチエイジングが究極の予防医学といわれるゆえんです。

アンチエイジングドックで老化の兆候を見つけよう

 アンチエイジングの第1歩は、自分の老化度を知ること。アンチエイジングドック(老化度判定ドック、抗加齢ドックとも呼ばれる)では、現在の老化度はもちろん、老化の兆候についても詳しく検査し、老化の予防方法をアドバイスしてくれます。健康診断や人間ドックが、病気の早期発見や早期治療を目的としているのに対し、アンチエイジングドックは、老化の原因を早期に発見して予防することを目的としています。

 アンチエイジングドックでは、体の老化度を調べるためにさまざまな検査を行います。主な検査項目は次の5つです。

●血管年齢 血管の硬さ、血流の状態などを調べ、心臓病や脳卒中を招く動脈硬化の程度を知る
●脳(神経)年齢 コンピューターを使ってゲーム感覚で行う検査や、問診によって、人間らしい脳の健康状態を知る
●ホルモン年齢 免疫や代謝など老化にかかわるさまざまなホルモンの血中濃度を調べる
●骨年齢 骨密度を測り、寝たきりにつながる骨粗しょう症の危険度を知る
●筋年齢 筋肉量、体脂肪量、骨量、基礎代謝量などを調べ、活動的な生活に必要な筋肉の状態を知る

 このほか、ストレスや生活習慣の状況なども、問診などによって細かくチェックします。これらの要素を総合して、加齢の度合いがほぼ等しく、全体にバランスがとれているほど老化の速度がゆるやかで、外見も内面も若々しい健康体ということになります。
 また、老化の進んでいる弱点が見つかれば、その部分の若返りを図るために、食事や運動、睡眠、ストレス対策などの生活改善法のアドバイスや、サプリメントの指導などが受けられます。

強い意思で老化を遅らせる生活習慣を続けよう

 老化のプロセスには、(1)遺伝的な要因、(2)ホルモン分泌の低下、(3)細胞の酸化(体のサビ)、(4)肥満、の4つが大きくかかわっています。(1)はともかく、(2)~(4)については対応方法がわかっています。以下を参考に生活習慣を見直し、自分なりのアンチエイジング対策を。

1.ホルモンバランスを整える食事と睡眠
 私たちの体はさまざまなホルモンの働きによって健康を維持していますが、加齢とともにホルモンの分泌量は減少し、疲れやすい、集中力がなくなる、太る、骨が弱くなるなどの症状があらわれてきます。
 免疫細胞を活性化する成長ホルモンは、夜眠っている間に盛んに分泌されるので、十分な睡眠時間の確保が重要です。女性は40歳をすぎたら、女性ホルモンに似た働きをする大豆イソフラボンなどを意識してとるようにするとよいでしょう。運動不足や睡眠不足、バランスの悪い食事はホルモン分泌を狂わせるので要注意です。

2.抗酸化作用の高い食事をとる
 細胞を酸化させ、老いや病気の引きがねになる活性酸素を減らし、サビない体をつくるには、抗酸化物質を多く含む食材を大いにとりたいものです。抗酸化物質の代表格はビタミンA・C・E、βカロテン、リコピン、ポリフェノール類など。これらは野菜、果物、豆、海藻、精白されていない穀類、緑茶などに多く含まれます。コエンザイムQ10やアルファリポ酸など、抗酸化作用の高いサプリメントを食事の補助として利用するのもよいでしょう。
 紫外線、ストレス、タバコは体をサビさせる大きな原因となるので、UVケア、ストレス対策を心がけ、禁煙を。

3.いつでもどこでも運動を心がける
 肥満対策には、動物性脂肪や糖分を控えた栄養バランスのよい食事をよく噛んで食べ、腹八分を守ることが第一。それに加え、日ごろから軽い運動を続けることが、筋力の衰えを防ぎ、スリムで若々しい体形を保ちます。わざわざジムなどに行かなくても、ストレッチやスクワットなど、いつでもどこでもできる、全身の筋肉や関節をよく使う運動を続けましょう。

 これら、老化を防ぐための食事や運動を毎日続けるには、強い意思の力が必要です。高齢になっても毎日いきいきと、さっそうと歩く姿をイメージし、具体的な対策を実行していきましょう。今すぐにでも始めた人と、何もしない人では、10年後に明らかな差が出てくるはずです。

【監修】
米井 嘉一先生


同志社大学生命医科学部 アンチエイジングリサーチセンター 教授
1982年慶応義塾大学医学部卒業。UCLA留学後、日本鋼管病院内科人間ドック脳ドック室部長を経て、2005年日本初の抗加齢医学講座である同志社大学アンチエイジングリサーチセンター教授に。日本抗加齢医学会理事・事務局長、日本抗加齢協会理事などを務める。日本で数少ない「抗加齢医学」医療を実践する医師として、客観的データとノウハウを蓄積。抗加齢医学に基づくサプリメント、健康食品、理学療法機器などの臨床試験も行う。著書に、『加齢に克つ! サビない体のつくりかた』(草思社)、『早く老ける人、老けない人』(PHP研究所)など多数。

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