処方箋不要のコンタクトレンズの使用は危険?最悪は失明の危険も

間違った使い方が原因の目のトラブルが増えている

コンタクト使用者の10人に1人!? 最大の原因はレンズの汚れ、長時間の装用、定期検査を受けないこと

若い女性を中心に多い目のトラブル

 コンタクトレンズによる目のトラブルが目立っているようです。日本眼科医会では、コンタクトレンズを使っている人の7~10%の割合で、目の障害が起きているのではないかと推測しています。しかもそれは、コンタクトレンズそのものの問題ではなく、誤った使い方が原因になっていることが多いようなのです。
 私たちが外界から獲得する情報の最も多くは、視覚によって得ているといわれます。そんな大切な機能を補ってくれる便利なコンタクトレンズは、正しく使いたいものです。

 日本コンタクトレンズ協議会の2006年~2007年のインターネットによるアンケート調査では、20歳代、30歳代の女性を中心にコンタクトレンズによる目の障害が数多く報告されました。障害は60%以上の人が両目に発生し、「充血」「異物感」「目の痛み」などの症状がどちらの目にも多く、診断としてはレンズの汚れが主たる原因となっている「アレルギー性結膜炎」が飛び抜けていました。

 問題のある使い方として多かった回答は、定期検査を受けていない、洗浄しない、消毒しない(ソフトコンタクトレンズ)、決められた装用方法を守らない(同)――など。
 具体的には「コンタクトレンズの汚れ」、「長時間の無理な装用」、「定期検査を受けない」の3つが、コンタクトレンズによる目の障害の最大原因とされています。

眼科医の検査・処方のもとに購入を

 目の障害はハードレンズでもソフトレンズでも起こります。ただし、ハードレンズでは障害が発生すると目に痛みを感じるので早期発見しやすいのですが、ソフトレンズは角膜全体を覆うため、角膜に傷があってもそれを覆って痛みを感じにくいという特徴があり、障害の発見が遅れることがあるので注意しなければなりません。
 このために定期検査は欠かせないのですが、多少の違和感程度なら我慢してしまう人が少なくないようで、重症化してから眼科医に駆け込むケースが後を絶たず問題になっています。

 障害としては、前述のアンケート調査で突出して多かったアレルギー性結膜炎のほか、重症化すると失明の危険がある角膜上皮障害、コンタクトレンズ装用を中止しても回復することがない角膜内皮障害などが代表的です。
 障害の原因を逆に見れば、眼科医にコンタクトレンズの処方を受け、眼科で定期検査を受け、医師から指導された使い方をきちんと守っていれば、コンタクトレンズによるこれらの目のトラブルはほとんど防げるはずなのです。

 ところが、コンタクトレンズはれっきとした医療機器であることの認識が一般には薄いことがあるのでしょうか、眼科医の処方を受けずに自己判断で気軽にコンタクトレンズを購入してしまう人が大変に多いようです。インターネットの通販サイトなどでも、「処方せん不要」とか「激安」といったフレーズで安易な購入をあおっている例が少なくありません。そのような買い方をして、眼科医の指導を受けず、正しいコンタクトレンズの使い方やケアの方法を知らないことからトラブルが起きます。

 その対策の例として、おしゃれ用の度のないカラーコンタクトレンズ(通称カラコン)に対して、制度の見直しが行われます。これまで雑貨扱いで手軽に売買されていたことから目に障害を起こす例が頻発したため、厚生労働省は度なしのカラコンも「高度管理医療機器」に定め、今年(2009年)の11月4日からは「高度管理医療機器販売業」の許可を得ていなければ販売することができなくなります。

使用期限・時間を守り、保存はこすり洗いして

 次のような使い方は、コンタクトレンズの誤った使い方(カッコ内はその理由)です。間違った“常識”をもっていたら、ぜひ改めてください。そのうえで少しでも痛みや違和感があったら、すぐにコンタクトレンズを外し、眼科を受診しましょう。

<こんな使い方はアブナイ>
●眼科医の処方を受けずにネットなどで購入(自分の目に合わないレンズ購入や間違ったケアをしがち)
●使い捨てレンズを、もったいないからと使用期限を超えても使う(目にフィットしなくなったり、汚れがつく)
●目の回りの化粧を完璧にした後にレンズを装用する(レンズについた化粧品で目が傷つく)
●終日装用タイプのソフトレンズを朝起きた直後から寝る直前までつけている(基本的な装用時間10~12時間を超えると角膜が酸素不足に)
●外したら消毒液の中に浸しておくだけで、こすり洗いはしない(1日使い捨てレンズ以外は、こすり洗いが原則。こすり洗いをしないとトラブル多発)
●レンズケースは洗わない(雑菌やカビが繁殖し、レンズから目へと感染する)

(編集・制作 (株)法研)

【監修】
糸井 素純先生


道玄坂糸井眼科医院院長
1984年順天堂大学医学部卒業。京都府立医科大学大学院へ進み、1988年に医学博士号、1989年に眼科専門医を取得。京都府立与謝の海病院、大津市民病院、順天堂大学、ニューサウスウェールズ大学(豪州)、ロチェスター大学(米国)、東京警察病院眼科などを経て、道玄坂糸井眼科(東京都渋谷区)理事長、院長。現在、順天堂大学眼科学教室非常勤講師(円錐角膜に対するコンタクトレンズ処方)、日本コンタクトレンズ学会常任理事を兼任。専門分野は角膜疾患(円錐角膜、ドライアイなど)、コンタクトレンズ。

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