在宅介護の準備に必要なこと-確認しておきたい6つのポイント

まずは生活や介護全体のイメージを描くことから始めましょう

介護される側、する側双方にとって安心できる快適な生活のために、総合的・長期的なコーディネートを

準備することの全般が見えると、介護全体のイメージが捉えられる

 初めて在宅介護をすることになったら、何からどのように進めていったらよいのでしょう。何となくわかったつもりでいたのに、実際に介護を始めてみたらどうしてよいのかわからず、戸惑ったり混乱して途方にくれてしまうことが少なくありません。在宅介護を始めるときには、最初にサービスの利用方法や住環境の整備など、準備することの全般が見えると、介護全体のイメージを捉えることができます。

 実際の介護では、家族のチームワークと情報収集力、サービス活用力が成功の決め手となります。家族でよく話し合いながら、ニーズに合った総合的なプランを立てましょう。在宅介護というと「できない」「大変なことだ」と尻込みしがちですが、全体の仕組みや各々の役割が見えてくると、どんなことがあるのか、どのように工夫できるのかがイメージでき、よしやってみようという気持ちも生まれます。

 それでは、在宅介護を始める前に準備したいことを、順を追ってみていきましょう。

専門家に相談しながら一つひとつ整えていきましょう

その1 まず現在の状況を整理しましょう
 あわてて介護用品を購入したり、仕事を辞める決意をする前に、現在の状況を正確に把握しましょう。そのためには、かかりつけ医や理学療法士などに、現在の病状や生活機能(何ができて何ができないのか)、治療の方針、リハビリの最終目標などを確認することが必要です。これらを無視しては、長期的な介護プランは立てられません。本人の意思、家族の介護生活への不安や要望を確認し合うことも大切です。

その2 “介護プロジェクトチーム”をつくりましょう
 本人を中心に、介護のキーパーソン、サポートメンバーを確認しながらプロジェクトチームを結成しましょう。大切なのは1人に負担がかかりすぎないこと、チームメンバーは自分のできることとできないことを明確にし、役割分担を確認しましょう。専門家の役割と家族の役割がみえてくると、自分の担当も明確になり、安心できます。チーム構成とともに連絡網や連絡手段を確認し、メンバー全員が理解できるよう図にまとめるとよいでしょう。

その3 適切な住まいを検討しましょう
 介護が必要になった場合、リフォームして自宅で過ごす、施設に入所する、介護付き有料老人ホームへ住み替えるなど、心身の状態や本人のニーズに合わせて高齢期の住まいの選択が求められます。(参照「高齢期に自分らしく暮らせる生活の場を選ぶ」

 自宅で介護を行うためには、介護しやすい、介護を受けやすい、明るく優しい環境を整えたいものです。意外と知られていないようですが、介護保険を利用して住宅改修費、福祉用具のレンタルや購入費の補助を受けることができます。介護保険でできる住宅改修は手すりの取り付けや段差解消など6種類。福祉用具は車いすや介護用ベッド、移動用リフトなどのレンタル、ポータブルトイレや入浴用補助用具などの購入費の補助があります。
 住環境を整えるためには、リフォーム、介護用品などのハードに、介護サービスなどの人的サービスを加えた3つの視点から総合的な環境づくりが必要です。まずはケアマネジャーや福祉用具専門相談員などに相談しましょう。

その4 介護保険制度の流れ、どんなサービスが利用できるのかを知りましょう
 訪問・通所・短期入所サービスなど、必要なサービスを上手に選んで活用しましょう。介護サービスを受けるためには、まずお住まいの市区町村に申請をして要介護認定を受けることが必要です。各自治体には介護保険制度のわかりやすいパンフレットがあります。地域包括支援センターや市区町村の窓口で気軽に尋ね、介護保険制度の概要について理解しましょう。(参照「もしも家族に介護が必要になったら」WAM-NET介護保険早わかりガイド

その5 信頼できるケアマネジャーを選び、ケアプラン作成のための情報を整理してみましょう
 介護サービス利用のためにはケアプランを作成する必要があります。自分で作成することもできますが、複雑で専門的な作業ですから、ケアマネジャーに依頼することをおすすめします。ケアマネジャーは心身の状態や生活状況に対応した介護サービス、介護用品、リフォームなどを盛り込んだケアプランを作成します。信頼できるケアマネジャーを選び、困っていること、疑問点、希望することなどをしっかり伝えましょう。ただし、介護の全体像や将来を描くのはケアマネジャーではなく、自分たちであることをお忘れなく。

その6 介護保険にはない公的サービス・民間サービスなども上手に活用しましょう
 実は高齢期の暮らしを守るためには、介護保険サービスだけでは限界があります。介護保険以外に、市区町村では配食サービスや緊急通報サービス、移送サービス、パワーリハビリ、オムツの支給など、地域独自のサービスが行われています。ほかに、民間・ボランティアサービスなども上手に組み合わせましょう。判断能力が低下している場合には、日常生活自立支援事業や成年後見制度を活用しトラブルを防ぐこともできます。

 以上を簡単にまとめると次のようになります。

 長期にわたる介護生活では、本人のできることは任せ本人にも役割をもってもらうことが、介護負担を軽くするだけでなく、本人の元気にもつながります。また、ときにはショートステイなどを利用して家族が休養をとるなど、介護する人の元気を保つ工夫をしましょう。

(編集・制作 (株)法研)

【執筆】
川上 由里子先生


介護コンサルタント
ケアマネジャー、看護師、福祉住環境コーディネーター2級、産業カウンセラー。1984年より13年、大学病院、高齢者住宅(聖路加レジデンス)などで看護師として勤め、現在は三井不動産(株)ケアデザインプラザにて、シニアライフ提案のコンサルティングや講演を行う。著書に『介護生活これで安心』(小学館)。08年5月より、ニッポン放送「ラジオケア・ノート」(毎月第4週の月~金)にレギュラー出演中。08年春より自身も父親の遠距離介護を体験中。

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