冬は足がむくみやすい? むくみを上手に予防する6つのポイント

足首の運動や弾性ストッキングで血流改善、脚の筋トレも有効

静脈に吸収されない水分が細胞の間に残り、重力の作用で足首やすねにたまりやすい。静脈の流れをよくしよう

女性は冬にもつらい思い

 脚の向うずねを指で押したら、押した跡がへこんだままなかなか元に戻らなかった、という経験はありませんか。あるいはブーツで出勤して社内ではサンダルなどにはき替え、退社時にブーツをはこうとしたらきつくてはきにくかったり、ファスナーを閉じられなかったり、ということは? これらはどちらも、脚の「むくみ」が原因です。 体のメカニズムからすると、むくみは気温が高くなる夏に多くなるものですが、女性は冬にも同じくらいむくみを感じていることが、「足のむくみ予防研究会」が実施したインターネット調査からわかりました。冬のむくみについて、そのメカニズムや対処法をご紹介しましょう。

 むくみとは、皮膚の下に水分が余分にたまって腫れぼったくなった状態です。たまった水分とは、血液の中の血しょうという成分。心臓のポンプ作用で動脈に送り出された血液は全身を巡り、毛細血管にまで到達すると、血管壁のすき間から血しょうがしみ出て細胞と細胞の間をうめている細胞間液となり、細胞に酸素や栄養を補給します。その後細胞間液は、細胞が酸素や栄養を使用した後に産生される二酸化炭素や老廃物を回収し、リンパ管を経由して静脈に吸収され、再び血しょうとして心臓に戻りますが、このとき静脈に吸収され切れなかった分が血管の外、細胞と細胞の間に残ってむくみの原因になります。

寒さで筋肉の動きや代謝が低下する

 むくみは心臓、肝臓、腎臓などに病気があると起こりますが、健康な人にも現れます。その一つの原因として、毛細血管の透過性が高まる、すなわち血しょうがしみ出しやすくなることがあります。気温が高い夏は毛細血管での透過性が高くなるためにしみ出す血しょうが多く、それだけ皮下組織に残りやすいため、皮膚の下に水分がたくさんたまっている感じを受けます。

 これに対して冬のむくみの原因は、静脈での血流が悪いことです。静脈での血流がスムースなら、毛細血管の動脈側からは血しょうがしみ出し、静脈側では吸収するという循環がよどみなく続くはずです。しかし、寒さによって筋肉の動きが夏ほどスムースでなくなり代謝も低下すると、静脈の血流は悪くなり、しみ出す血しょうは夏ほど多くはないのですが、静脈に吸収される量も少なくなってしまうのです。こうした循環の悪さから、冬のむくみは夏に比べて“硬さ”が感じられます。さらに、比較的改善しやすい夏のむくみに対して、冬のむくみは改善しにくいため、多くの人が冬にもそのつらさを感じることになるのかもしれません。

 むくみが脚に起きやすいのは重力のせいです。下半身にたまった水分は、足首やすねなど筋肉の少ない所にむくみとなって現れることが多いのです。脚に十分な筋肉があれば、脚を動かすことで筋肉がポンプのよう働き、下半身で滞りがちな血液を心臓へと送り出すことができるのでむくみが起きません。

静脈の血流をよくすることが予防の基本

 解消しにくい冬のむくみ対策は、むくむ前に予防すること。それには、昼間から静脈の血流をよくしておくことが大切です。次のような方法を試してみましょう。

●長い時間、立ったまま・座ったままの状態を避ける:仕事がらその場を離れられないような場合は、1時間おきくらいにその場で足踏みや足首の運動、かかとの上げ下げ運動などをしてみましょう。
●脚の筋肉を鍛える:むくみが女性に多いのは脚の筋肉量が少ないから。ウオーキングやその場でできるスクワット運動などがおすすめ。
●休息時は両足をやや高めにする:足先で滞りがちな血液循環を改善します。
●脚や体を締めつけない:きつい下着やソックスなどは静脈の流れを悪くします。
●弾性ストッキングを利用する:足首から上に向かって少しずつ圧力がゆるむように作られているので、足先から心臓に向かう静脈の流れを助けます。
●入浴中に脚のストレッチングやマッサージ:体が温まって血流が改善し、ストレッチングなどを加えれば、しみ出た血しょうを静脈に戻す効果があります。ただし、長湯や熱い湯は逆効果のこともあるので気をつけましょう。

 静脈の血流の悪さ以外に、塩分のとりすぎ、アルコールの飲みすぎ、過剰なストレスなどもむくみをもたらします。これらはどれも生活習慣病の原因にもなりますから、過剰にならないように気を配ることも大切です。

(編集・制作 (株)法研)

【監修】
廣田 彰男先生


広田内科クリニック院長・足のむくみ予防研究会世話人
1972年北海道大学医学部卒業。同大学医学部第3内科講師、東京専売病院健康管理部長兼循環器部長、同病院健康管理部長兼検査科部長を経て、2002年、リンパ浮腫治療専門の広田内科クリニック開院(「むくみのページ」)。日本内科学会認定医、日本循環器学会専門医。日本リンパ学会常任理事、日本脈管学会評議員、日本静脈学会評議員ほか役職多数。著書に『リンパ浮腫がわかる本―予防と治療の実践ガイド』(共著、法研)、『乳がん・子宮がん・卵巣がん術後のリンパ浮腫を自分でケアする』(共著、主婦の友社)など多数。

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