妊娠中、夫のサポートが必要なとき-その1 知って欲しい7カ条

夫をイクメンにするための7カ条

妊娠がわかった時に知っておきたいこと、知ってもらいたいこと。

夫を頼れるイクメンに育てよう!

 ここ数年、「イクメン」と呼ばれる男性が増えています。「育児を楽しみ、自分も成長するいい男」=「育児メンズ」から来た造語だとか。育児を女性にまかせっぱなしにしないで、男性も積極的に育児参加することは、家庭を築いていくうえで重要なことだと思います。
 2010年6月30日に、父親の育児参加を盛り込んだ「改正育児・介護休業法」が施行され、父親が育児休業を取りやすくなったのも、イクメンを応援することが前提にあると思われます。
 厚生労働省のイクメンプロジェクト公式ホームページでは、イクメン登録ができます。毎月、「イクメンの星」を選んでいます。

 このシリーズでは、主に女性に向けて、夫を頼れるイクメンにするためのアドバイスをしていきます。二人で一緒に読んでくださいね。

 妊娠したのは女性であっても、男性にもできることはたくさんあります。母となる女性とともに、夫にも「妊娠」を共有してもらい、「妊娠と出産、育児」という大きなイベントを二人でマネジメントしていきましょう。
 ここでは、妊娠がわかった時に夫に知ってもらいたいことについて、7カ条にしてまとめてみました。「妻の妊娠」から「わたしたちの妊娠」へと意識を変えて、喜び、不安、知識を共有していきましょう。その先にはきっと、赤ちゃんとの楽しい生活が待っていますよ。

夫に知っておいてもらいたい7カ条

 忙しい夫にイクメンになってもらうために、妊娠がわかった時から知っておいてもらいたいことをあげてみました。一緒に生活しているとはいえ、夫の行動を変えることはなかなか難しいことです。妊娠を初めて知った時がチャンスです。このページを印刷して、夫と一緒に考えてみましょう。

1.妊娠したことを周りに言うのはちょっと待って
 実家の両親や会社の人に妊娠を伝えるのは、妊娠12週を過ぎてからにしましょう。妊娠初期の流産率は20%程度もあり、意外と高いのです。実家の両親や職場の人には、「安定期」になってから言いましょう。
 妊娠がわかった時点ですぐに周囲に言ってしまった後に流産し、やっと落ち着いたころに「予定日はいつ?」と聞かれて、つらい思いをした人も多いのです。

2.妊娠にはトラブルがつきもの。計画は余裕をもって
 赤ちゃんや妊婦本人の状況によっては、頻回の通院に付き添うことが必要になったり、長期の入院が必要になったりすることもあります。仕事や出張の計画は急な変更にも対応できるようにしましょう。切迫早産のために、1カ月以上入院する人も珍しくありません。

3.つわりのつらさをわかってあげましょう
 つわりは病気ではないと言われますが、二日酔いがずっと続いているような状況と例えられています。精神的にも不安定なこの時期には、夫の優しいサポートが必要です。
 個人差もありますが、つわりは16週頃までに良くなります。

4.気持ちの浮き沈みを、そばにいて受け止めてあげましょう
 妊娠による急激な体の変化は、心にも大きな変化をもたらします。気持ちが不安定な奥さんに対しては、聞き役に徹することが大事です。意見を求められているのではありません。理性的なコメントは逆効果です。共感して、一緒に考えようとする態度が大事です。一日一回の優しい言葉、「ありがとう」「大丈夫だよ」「お疲れさま」「助かったよ」を習慣にしましょう。

5.いつもより少し早く家に帰って、手助けをしましょう
 いつもより、少し早く帰って、少し近くで手助けをしましょう。ちょっとした手助けがとてもうれしいものです。買いものを手伝ったり、洗濯物や食器を片づけたりすることから始めましょう。そばにいることが大事です。言われたことはすぐやりましょう。

6.タバコをやめましょう。おなかの赤ちゃんにも、産まれた後の赤ちゃんにも吸わせないで
 妊婦本人はもちろん、夫も一緒にタバコをやめましょう。家の外でタバコを吸っても、吐く息の中には、タバコの有害物質は残っています。おなかの赤ちゃんに吸わせないようにしましょう。また、父親として元気で長生きすることこそが、本当の愛情です。節約できたお金で、おもちゃを買いましょうね。

7.妻の妊娠から、わたしたちの妊娠へ
 妊娠は二人のものです。子どもは未来への希望です。妊娠中にどのように過ごしたかによって、その後の育児は大きく変わります。妊娠中から、自分のことをわかってもらい、相手のことも理解することをこころがけるようにしましょう。妻が笑っていれば、おなかの赤ちゃんも楽しく過ごせます。楽しい育児生活を目指していきましょう。

 7カ条それぞれの内容については、次回から解説していきます。

妊娠の時期ごとに注意したいことを二人で確認しておきましょう

 妊娠で始まるこれからの9カ月を中心に、注意してもらいたいことをまとめました。二人で確認し、その時期に適した生活を送りましょう。

 妊娠週数とは?  最後の月経開始日を0週0日として計算します。つまり、来るはずの月経は4週0日、月経が2週間遅れたら6週0日となります。出産予定日は40週0日です。

<参考ホームページ>
(1)LUPOの地球ぶらぶら紀行(妊娠の心得11か条):妊娠の心構えが書いてあります。本も出版されています。
(2)ある産婦人科医のひとりごと:さまざまな産科の話題を読むことができます。

(編集・制作 (株)法研)

【執筆】
太田 寛先生


産婦人科専門医、北里大学医学部 助教
1989年京都大学工学部電気工学科卒業後、日本航空株式会社羽田整備工場に勤務。2000年東京医科歯科大学卒業。茅ヶ崎徳洲会総合病院産婦人科、日本赤十字社医療センター産婦人科勤務を経て、現在は北里大学医学部に勤務。平成21年度厚労科研費補助金「新型インフルエンザ対策(A/H1N1)妊娠中や授乳中の人へ」パンフレット作成委員。日本医師会認定産業医、日本産科婦人科学会専門医。

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