妊娠中、夫のサポートが必要なとき-その3 禁煙のすすめ

夫をイクメンにするための7カ条 3

夫が家事や育児にかかわることで、妻に集中しがちな負担を軽く

家事ができない夫は、この機会にできるようになろう

 前回の『二人のための「イクメン」大作戦 2』に引き続き、「夫に知っておいてもらいたい7カ条」の5~7について、詳しく書きます。ちなみに7カ条は次のようなものでした。

1.妊娠したことを周りに言うのはちょっと待って
2.妊娠にはトラブルがつきもの。計画は余裕をもって
3.つわりのつらさをわかってあげましょう
4.気持ちの浮き沈みを、そばにいて受け止めてあげましょう
5.いつもより少し早く家に帰って、手助けをしましょう
6.タバコをやめましょう。お腹の中の赤ちゃんにも、産まれた後の赤ちゃんにも吸わせないで
7.妻の妊娠から、わたしたちの妊娠へ


 妊娠中の約10カ月は、これからの人生をじっくり話し合える時間です。パパママ1年生として、子どもとともに成長していくためにも、嬉しさも不安もパートナーと分かち合い、協力していきましょう。

5.いつもより少し早く家に帰って、手助けをしましょう
 妊娠すると、普段は何気なくやっていた家事もつらくなることがあります。おなかが大きくなると足元が見えにくくなったり、動きが鈍くなったりします。また、早産の怖れがあると診断されると、緊急入院となりそのまま3カ月以上入院が続くような場合もあるなど、夫が家事をできないと困ってしまうこともあります。
 さらに、産後は授乳でゆっくり眠れない妻のために、掃除、洗濯、料理など、生活するために必要なことは、自分一人でできるようにしておきましょう。子どもの有無にかかわらず、自立した大人として当然のことですが、できない人が多いのも事実。まずは、「1日1家事!」を目標に。また、早く帰って、妻とたくさんお喋りをするのもいいですね。

家族のために、タバコはやめよう

6.タバコをやめましょう。おなかの赤ちゃんにも、産まれた後の赤ちゃんにも吸わせないで
 妊婦の喫煙が危険であることはもちろんですが、同居する家族が喫煙している場合でも、流産や胎児奇形の確率が高くなり、さらに産まれた後でも、赤ちゃんのぜん息や中耳炎などの確率が高くなることがわかっています。
 また、1日20本のタバコを吸えば、1箱400円として、1カ月1万2千円、年間で14万4千円、10年で150万円近いお金がかかります。結構高いと思いませんか?

 もし禁煙が難しい、と思う人がいたら、こういう方法はどうでしょう。「今だけ吸わない」と決めて、とりあえず1日がんばります。タバコをやめるわけではありません。そして、その翌日も「今だけ吸わない」を続けます。毎日「吸わずにいること」を続けるだけです。ちなみにNHKで坂本龍馬を演じた福山雅治さんも、こういう気持ちで7年間吸わずにいるそうです。一緒にやってみてはどうでしょうか?

 どうしても1人で禁煙するのが難しいときには、禁煙外来のある医療機関で相談してみてください。日本禁煙学会の「全国禁煙外来・禁煙クリニック一覧」で、禁煙治療に保険が使える医療機関を探すことができます。専門家の力を借りれば、楽に禁煙することができます。

二人で育てることは、妻の心身の健康にもつながる

7.妻の妊娠から、わたしたちの妊娠へ
 妊娠、出産、育児は本当の意味で二人三脚で行います。二人だけで自由にしていた生活から、お互いが協力しなくては生活が成り立たない状況になります。父親(夫)がもっと家事や子育てにかかわることで、母親(妻)に集中しがちな負担を軽くすることができます。
 もちろん、夫の中には、掃除や洗濯をきっちりこなして料理まで作る人もいれば、無器用でオムツ替えさえうまくいかない人もいるでしょう。妻としては、数回失敗しただけで「やっぱり自分でやったほうがいいな」と見捨てないで、相手のがんばりを応援するようにしましょう。
 赤ちゃんの笑顔には、ママの笑顔が必要です。ママの笑顔には、パパの笑顔も必要なのです。お互いが思いやりをもって、自分たちなりの楽しい家庭を目指していきましょう。

 妊娠、出産、子育てでは、どうしても母親(妻)に負担がかかることが多くなります。家にいるときは夫がオムツを替えたり、離乳食を作ったり、赤ちゃんをお風呂に入れたりして、妻が赤ちゃんから開放される時間をつくるようにしましょう。また、大人と会話することの少なくなりがちな妻の話し相手になることも大事です。
 育児・介護休業法が改正され、父親が育児休業を取得しやすくなりました。母親と父親が同時に取ることもできます。二人で育てることで、妻の負担を軽くして、体調の悪化や心の病気を防ぐことができます。

 自分の思いを伝えて、相手の気持ちも思いやりながら、楽しい妊娠、そして楽しい子育てになりますように。

(編集・制作 (株)法研)

【執筆】
太田 寛先生


産婦人科専門医、北里大学医学部 衛生学公衆衛生学 助教
1989年京都大学工学部電気工学科卒業後、日本航空株式会社羽田整備工場に勤務。2000年東京医科歯科大学卒業。茅ヶ崎徳洲会総合病院産婦人科、日本赤十字社医療センター産婦人科勤務を経て、現在は北里大学医学部に勤務。平成21年度厚労科研費補助金「新型インフルエンザ対策(A/H1N1)妊娠中や授乳中の人へ」パンフレット作成委員。日本医師会認定産業医、日本産科婦人科学会専門医。

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