O157などの食中毒を予防する13の原則-生肉の調理に注意

牛の生肉や生焼けは避け、内臓や加工肉に注意を

激しい腹痛と下痢、血便。腎不全を起こし、子どもや高齢者が亡くなる例も。十分な加熱と手洗いで防げる

O111も O157も腸管出血性大腸菌の仲間

 気温・湿度が共に高い今の時期は、食中毒に気をつけなければいけません。高温多湿は食中毒の原因になる細菌の増殖を活発にさせるからです。実は食中毒は年間を通じて発生しているのですが、細菌による食中毒は5~9月が多発時期。最近では、「O111」というこれまで耳慣れていない腸管出血性大腸菌による食中毒事件が富山、福井、神奈川の各県で発生し、死者まで出しています。
 耳慣れないといえばその後、ヨーロッパではドイツを中心に「O104」という腸管出血性大腸菌が猛威を振って40人を超える死者も出ており、よその国の出来事とタカをくくってはいられません。

 腸管出血性大腸菌といえばO157が有名で、数年ごとに流行をくり返し、最近もだんごなどから集団食中毒が発生しています。O111とかO157というのは細菌の分類番号で、食中毒をもたらす腸管出血性大腸菌はこれらの他にもO26、O128、O145などがあります。主に牛の腸内に生息しており、牛のふん便を介して牛肉やその他の食べもの、井戸水などを汚染します。それを人間が口にすると感染するわけですが、会話やせき、くしゃみ、汗などでは感染することはありません。

子どもや高齢者が感染すると危険

 人間が感染すると激しい腹痛や下痢、血便などの症状を引き起こす恐れがあります。溶血性尿毒症症候群(HUS)という合併症を起こすと、子どもや高齢者ではけいれん、こん睡、意識障害など重症化する危険があります。今回のO111による食中毒事件でも亡くなった4人の内の3人は子どもと高齢者でした。

 腸管出血性大腸菌による食中毒は、生や加熱が不十分の肉やレバーなどの内臓肉を食べて発生することが多いので、牛肉のユッケのように生で食べる場合は感染の危険を頭に入れておく必要があるでしょう。特に、子どもや高齢者には食べさせないほうが賢明です。
 生でなくても加熱が足りないと感染の危険があります。肉の表面に付着した菌は75℃で1分間以上加熱すると死ぬといわれています。ただし、肉をつなぎ合わせて加工した肉やひき肉、筋切りをした肉、たれなどに漬け込んだ肉などは菌が肉の内部にまで入り込んでいる可能性がありますから、より十分な加熱が必要です。

 また、腸管出血性大腸菌は感染力が非常に強く、わずかな菌数でも発症するのが特徴です。生肉を調理したまな板や包丁からほかの食品、たとえば野菜など加熱せずに食べる食品に細菌がつくこともあるため、まな板と包丁は肉用、野菜用と使い分けたり、使用後はよく洗って消毒するなど注意が必要です。また、感染者の排泄物を介して人から人への二次感染を引き起こすこともあります。これは十分な手洗いで防ぎましょう。

大原則を守って食中毒を防ごう

 ここで腸管出血性大腸菌によるものも含め、食中毒全般について予防の大原則を確認しておきましょう。これまでにも、さまざまなメディアで紹介されているので、見聞きしたことがあるかもしれません。その大原則とは、「付けない」「増やさない」「やっつける」の3つ。「付けない」とは菌を食品や食器、調理器具、手指などに付着させないこと。「増やさない」とは付着した菌を増殖させないこと。「やっつける」とは付着しているかもしれない菌を消毒で死滅させることです。この原則に沿って、普段の生活のなかでは以下のような注意を守ってください。

<食中毒予防のポイント>
●肉や魚などの生鮮食品を買うときは、汁が他の食品に付かないように、分けてビニール袋に入れる。
●買ってきた生鮮食品はすぐに冷蔵庫に保管。冷蔵庫の温度は10℃以下、冷凍庫は-15℃以下に保つ。
●調理する前には石けんでていねいに手を洗う。指の間や指先もきちんと。
●生肉や魚は生で食べる他の食材から離しておく。
●生肉、魚、卵などをさわったら必ず手を洗う。
●生肉や魚などを切った包丁やまな板は、必ず洗って熱湯消毒する。
●肉や魚は中のほうまで十分に加熱する。目安は75℃で1分間以上。
●食べ物は清潔な食器に盛る。
●食べる前に石けんで手洗い。
●作った料理は長い時間室温の下に置かず、温かいものは温かいうちに、冷たいものは冷たいうちに食べる。
●残った食品は清潔な容器に保存する。
●保存して長い時間がたった料理は捨てる。
●料理を温め直すときは十分に加熱する。

(編集・制作 (株)法研)

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