女性にも多い抜け毛や薄毛-食事、生活習慣、日常的なケアで改善

加齢やホルモンバランスの崩れ、ストレス、生活習慣が原因に

髪が気になりだしたら、食事、睡眠、嗜好品、運動などの生活習慣を見直し、日常的なヘアケアをしっかり

抜け毛や薄毛は、女性のほうが悩みが深い

 抜け毛や薄毛に悩んでいるのは、男性だけとは限りません。「女性でも抜け毛や薄毛の悩みをかかえて頭髪外来を訪れる人は増加傾向にあります。元々女性にはそういった問題がないと考えられがちなだけに、女性のほうがむしろ悩みは深いと言えるかもしれません」。こう語るのは、女性の頭髪専門クリニックである「AACクリニック銀座」院長の浜中聡子先生。
 「特に夏から秋にかけては、クリニックを訪れる方が多くなります」。夏は休止期毛(抜ける前の毛髪)の割合が1年で最大になること、夏の強い紫外線が髪を傷めることなどが原因です。そういえば近頃抜け毛が多くなった、と感じている人も多いのではないでしょうか?

 女性の抜け毛や薄毛の原因には、加齢やホルモンバランスの崩れ、過度のストレス、生活習慣の乱れ、頭皮のトラブル、過度のダイエットなどがあります。そのため、特に更年期前後は髪質の低下を自覚する方が多くなるようです。
 浜中先生は、「クリニックを訪れる3割は医学的には健常毛の方です。それでも髪が気になるのですから、髪が女性にとっていかに大切かがわかります。ですから髪の問題を改善すると、精神的にも前向きになることができるのです」といいます。

女性に最も多いのは、頭頂部から全体に地肌が透けて見えるタイプ

 女性の抜け毛や薄毛には、以下のようなタイプがあります。

●びまん性脱毛症
 女性に最も多いタイプ。頭頂部周辺から全体的に髪の毛が薄くなり、すだれ状に地肌が透けて見える。加齢による頭皮の血流低下、ホルモンバランスの乱れ、栄養不足など、いろいろな要素が複合的に重なり合って起こり、更年期以降や出産後に多い。若い女性では、ストレス過多や過剰なダイエットでホルモンバランスが乱れることが原因の抜け毛が多い。

●分娩後脱毛症
 妊娠後期の頭髪は女性ホルモンによって成長期にあるが、出産後一気に休止期に入るため、出産後は抜け毛が増える。

 このほか、同じヘアスタイル、とくに同じ分け目で髪を強く引っ張り続けることが原因の抜け毛も多くみられます。皮脂の過剰分泌による頭皮の炎症、フケが毛穴をふさぐなど、頭皮のトラブルが脱け毛を起こす場合もあります。

 また、抜け毛は何かの病気のサインであることも少なくないため、注意が必要です。たとえば甲状腺機能の異常や著しい貧血、薬の副作用、あるいは婦人科系の病気でホルモンバランスが著しく崩れることなども、抜け毛の原因になります。髪が一気に抜け落ちたり、抜け毛の進行が早い場合は、早めに皮膚科や頭髪外来を受診しましょう。

「まごわやさしい」で和定食のような食事を

 病的なものでなくても、余計な抜け毛や薄毛を起こさないために、日々どんなことに気をつけたらよいでしょうか。浜中先生は、「食事、生活習慣、日常的なケアが3本の柱となります。まず食事は、よく耳にする『まごわやさしい』。豆、ゴマ、ワカメ(海藻類)、野菜、魚、しいたけ(きのこ類)、芋類などを積極的に取り入れた和定食のような食事が、髪だけでなく体全体の調子を整えてくれるのです」といいます。

 特に次の栄養素や食品が欠乏すると、抜け毛や薄毛を進行させることになりやすいので気をつけましょう。
・鉄(肉、赤身の魚、豚レバーなどに多い)
・ビタミンB12(しじみ、牛レバーなどに多い)
・窒素(煮干し、鰹節などに多い)
・たんぱく質・脂肪(過度のダイエットで不足しがち)

午後10時~午前2時の時間帯に十分眠ることが10年後への先行投資に

 髪の毛が気になりだしたら、次のような生活習慣は見直し、毎日のヘアケアを正しく行いましょう。

<抜け毛や薄毛を招く生活習慣>
・食事内容が偏っている、時間が不規則
・タバコをよく吸う
⇒ニコチンが血管を収縮させ、頭皮の血行不良の原因に
・たんぱく質(特に豆や魚など)はあまり食べない
⇒髪の成分であるアミノ酸が不足
・しょっちゅう髪を染めたりパーマをかけている
・あまり運動はしない
・ストレスが多く、イライラしたり、気分が落ち込んだり、やる気が出ないことが多い
⇒ストレスは睡眠不足やホルモンバランスの乱れを招きがち

 なかでも髪にとって影響が大きいのは睡眠です。ホルモンの分泌や代謝が活発化する午後10時~午前2時は髪の成長する時間帯。この時間帯に十分眠ることが、5年後、10年後への先行投資になるのです。少なくとも12時前にはベッドに入り、6~8時間は眠れる環境を整えましょう。

<日常的なヘアケア>
 夜シャンプーで頭皮を清潔にすることが、1日の「頭皮リセット」になります。シャンプーは、髪を洗うのでなく、頭皮を洗いましょう。

・濡れた髪は刺激に弱いため、マッサージをするなら髪を濡らす前に
・シャンプーは直接髪につけない。髪をしっかり濡らし、よく泡立ててから
・シャンプーやリンス、コンディショナーはすすぎ残しがないよう十分に洗い流す。すすぎ残しはフケやかぶれの原因に
・洗髪後は、ドライヤーを髪から15cmくらい離してまんべんなく風を当て、しっかり乾かす。自然乾燥は細菌が繁殖する原因にも
・へスタイルは時々変えて頭皮の負担を分散する
・頭皮と髪に優しい、自分の髪質、体質などに合ったシャンプーを使う

(編集・制作 (株)法研)

【監修】
浜中聡子先生


AACクリニック銀座院長
医学博士。日本抗加齢医学会専門医。「健康と美の調和」をコンセプトにした診療で、加齢による身体機能の低下、不調改善の治療や生活習慣病を未然に防ぐ予防医学による健康増進、髪や肌の悩み改善の治療、指導に従事。懇切丁寧な診療で女性から高い支持を得ている。

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