災害時への備えに必要なもの-帰宅困難や避難所生活への備えとは

地震活動期に入った日本列島。あなたを救う備えと知識

まず室内でケガをしないよう家具の転倒予防を。帰宅困難時や避難所生活などにも備えよう

首都直下型地震が4年以内に70%の確率で!?

 昨年の3.11以降で人々を大きく驚かせたのは、東京大学地震研究所による首都直下型地震の警告ではないでしょうか。何しろ「4年以内にマグニチュード7クラスの発生確率が70%」というのですから……。

 これがもし「4年後に」というのでしたら、まだ少しだけ準備する時間があるな、と思えるのですが、「4年以内に」となったら今日、明日に起きてもおかしくないわけです。しかもその確率が70%もあるというのでは、「発生するのはほぼ確実」と言われているようなもの。それも、表現のあいまいさを許さない科学者の発言です。首都圏に住む人はもちろんですが、首都圏以外に住む人も、これを緊急警告と受け止めて大地震の発生に備えるべきでしょう。

 というのも、多くの専門家が、日本列島は地震の活動期に入ったと指摘しているのです。太平洋側では、関東から九州にかけての広い範囲に被害が及ぶ恐れがある「東海・東南海・南海連動型地震」という巨大地震の危険性が高まっていることも指摘されています。この想定される震源域は東日本大震災並みに広範囲で、しかもより陸地に近いため、発生すれば揺れは大きく、津波の到来は3.11のときよりも早いといわれています。
 そもそも地震の巣のような日本列島に暮らしているのですから、どこに住んでいようと巨大地震の発生は我が身のこととして考えるべきでしょう。明日からといわず今日から、大地震への備えに着手していただきたいと思います。

家具の固定や徒歩帰宅のグッズを準備

 大地震への備えとはいえ、時間と場所によって多少の違いがあるでしょう。ここでは、家庭にいる場合と職場にいる場合に絞って、重要なポイントをいくつかご紹介します。

●家具類の転倒・落下に備える
 東京消防庁によると、大きな被害を伴った地震で人々がケガをするのは3~5割が室内での家具の転倒や落下物によるそうです。都市直下型地震という意味では、阪神・淡路大震災の証言、「テレビが飛んできた」「ピアノが壁を突き破ってきた」などは肝(きも)に銘じるべきでしょう。

 家具を固定 最も転倒防止効果が高いのは、家具と壁や柱とをL字金具と木ネジやボルトでつなぐ方法。次いで効果があるのは、家具の底に粘着性のあるゲル状のマットを敷き、さらに家具と天井の間には突っ張り棒を設置する方法。
 オフィスの時計や掲示板なども、フックに掛けるだけでなく固定が望ましい。また、収納物は重い物ほど下へ入れて家具の重心を下げる。

 家具の配置を工夫 ベッドや布団を敷くすぐ脇には家具やテレビなどの家電製品を置かない。出入り口や非常口を転倒で塞ぐような配置をしない。背の高い家具を単独では配置しない。背の低いパーテーションは倒れにくいコの字型やH字型にレイアウトする。

●帰宅困難時に備える
 3.11のとき、首都圏では多くの帰宅困難者が出ました。これ以降、交通機関に頼らないで帰宅するときの心構えや準備に関心が高まっています。

 家族間の安否確認 災害用伝言ダイヤル「171」や携帯電話での災害用伝言サービスなどを利用。

 行動前に状況確認 揺れが収まったからと慌てて帰宅するのは危険。テレビやラジオなどから正しい情報を得たうえで、帰宅か待機か判断を。携帯ラジオをいつも持っていると便利。

 普段の7倍以上の時間を歩けるか 徒歩での帰宅可能な範囲は20kmが目安とされる。関東地方の電車通勤者で、3.11のとき徒歩で帰宅した人が要した時間は平均8時間30分で、電車通勤の7倍以上の時間がかかっていたという調査結果がある。また、暗い中を歩くのは危険なので、予想される到着時間によっては、翌朝まで会社や避難所で待機するほうがよい。

 徒歩帰宅グッズを常備 歩きやすい靴(スニーカーなど)、飲料水、携帯食料(チョコレート、キャラメルなど)、自宅までの地図、懐中電灯、携帯電話の充電器、折り畳み傘か雨がっぱなどを小さなリュックに入れてオフィスのロッカーに。

●避難所生活に備える
 大地震を何とか生き延びたものの避難所暮らしを余儀なくされる場合に備え、ぜひとも忘れないでいただきたいことがいくつかあります。

 常用薬を確保 持病があって常用している薬がある場合は、その一定量を非常用に準備しておく。持病と症状、常用薬の名前と用量などを記入した「災害時救急カード」を常に携帯し、避難所では医療救護班に提示するなどして自分の状態を知らせておくとよい。

 予備のメガネやコンタクトレンズなども 補聴器や入れ歯、老眼鏡なども持ち出さないと生活に支障が出る。

 肺塞栓症に注意 いくつかの災害時に問題になった病気で、別名はエコノミークラス症候群。避難所の狭いスペースや車の中などで長時間同じ姿勢でいて、しかも水分摂取が足りないと起こりやすい。脚の血流が滞って血の塊ができ、それが肺や心臓、脳などの血管に飛んで詰まらせ、心筋梗塞や脳卒中を起こす。避難所では水分補給に気をつけ、ときどき歩いたり体操やストレッチングをする。

(編集・制作 (株)法研)

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