ストレス溜まっていませんか? こんな症状があったら要注意

ストレスがたまっているサインは、心身や行動の変化に現れる

就職、転職、人事異動、昇進・昇格、転勤などもストレスのきっかけに。ストレスはその日のうちに解消を

最近、職場やプライベートで、こんなことはありませんでしたか?

 新年度になって、早くも4カ月近くが経過しました。就職、転職、人事異動、昇進・昇格、転勤など、それまでの役割や仕事内容などが変わったり、職場の人間関係が変わったりなど、働く環境に変化があった人も少なくないでしょう。
 新しい環境にすんなりなじめた人がいる一方で、心身の疲れや不調が出てきている人もいるでしょう。心身の疲れや不調を感じている人は、ストレスがたまっているかもしれません。

 ストレスは、さまざまなできごとがきっかけとなって生じます。あなたの身のまわりにストレス要因がないか、まず、職場でのできごとや変化を思い返してみましょう。働く人の心の健康は、職場のできごとや変化だけでなく、プライベートなできごとや変化にも影響を受けます。職場以外でのできごとや変化も思い返し、職場と職場以外の両面からチェックしましょう。

【職場で】
人間関係のトラブル
 例:上司や部下との対立、セクハラ、パワハラなど
役割・地位の変化
 例:昇進・昇格、配置転換、出向など
仕事の質・量の変化
 例:長時間労働や人事異動、トラブルの発生など
重い責任の発生
 例:仕事上の事故や失敗

【職場以外(プライベート)で】
自分のできごと
 例:病気や家庭不和、人とのトラブル、事故や災害など
自分以外のできごと
 例:家族・親族・友人の死や病気、非行など
住環境や生活の変化
 例:単身赴任、転居、騒音など
金銭問題
 例:多額の借金やローン、収入減など

出典:「こころの健康 気づきのヒント集」(厚生労働省、独立行政法人労働者健康福祉機構)



 さらに、あなたのストレス度を詳しく知りたい場合は、厚生労働省のホームページ内のサイト「こころの耳」や、中央労働災害防止協会のホームページ内のサイト「Webでチェック」などで、ストレスチェックができます。ご参照ください。

職場での、あなたのストレス度をチェックしてみましょう!
●厚生労働省HP「こころの耳」>「5分でできる職場のストレスチェック」
●中央労働災害防止協会HP「Webでチェック」>「職業性ストレス簡易評価ページ」

ストレス過剰状態になると、心身や行動に変化が起こります

 そもそもストレスとは、いったい何でしょうか。何らかの外からの刺激(ストレッサー)によって、私たちの心や体が反応します。この反応した状態をストレス状態と言います。

 仕事や勉強や趣味などで目標達成のために頑張ったり、重要な場面を乗り越えたりしたときに経験する緊張状態もストレスの一種です。ただ、こういった適度な刺激は、課題を乗り越え自分を成長させてくれる良いストレスと言えるでしょう。
 しかし、突発的なトラブルや悲しいできごと(別離など)が起こったり、荷の重い役目を背負ったりすると、心身のダメージは大きくなります。意外に知られていませんが、結婚や家の新築・増改築、子どもの入学・入社などの慶事も含め、人生の節目となる重要なできごとでも心身はストレスを受けています。
 あわただしく刺激の多い現代社会では、健康や生活、住居や職場の環境、人間関係などにかかわる不安やトラブルを抱えることが多く、日常的にストレスにさらされていることも少なくありません。軽度のストレスでも継続している場合は、やはり心身にダメージを与えます。

 ストレス刺激(ストレッサー)が加わると、私たちの心身では防御反応が働き、自律神経のバランスが乱れます。そして臓器や器官の働きに影響し、身体面・心理面・行動面に変化が現れます。このストレス反応によって、私たちはある程度までのストレス状態には適応しようとします。しかし、大きなストレス刺激が加わったり、ストレスにさらされる期間が長く続いたりしてストレス過剰状態になると、適応能力を超えてしまいます。その結果、身体面・心理面・行動面の変化が重症化し、心や体の病気につながっていくことにもなりかねません。

 身体面・心理面・行動面の変化には、早めに現れる変化と遅めに現れる変化があります。ここではストレス過剰状態の初期に現れやすい変化の具体例を挙げましょう。病気や生活の不摂生などはっきりした原因が思い当たらない場合は、ストレスがたまっているサインかもしれません。
 身体面・心理面・行動面のどこに変化が現れやすいかは個人差があり、その人に現れやすい面に現れるという傾向があります。また、複合して現れることもあります。

【身体面の変化】
・疲労感がある
・倦怠感(だるい感じ)がある
・めまいがする
・体のふしぶしが痛む
・頭が重い、頭痛がする
・首筋や肩がこる
・腰が痛い
・目が疲れる
・動悸・息切れがする
・胃腸の調子が悪い
・食欲がない
・便秘・下痢をする など

【心理面の変化】
・元気がわかない
・怒りを感じる
・内心腹立たしい
・イライラしている
・気が張りつめている
・不安だ
・ゆううつだ
・何をするのも面倒だ
・物事に集中できない
・気分が晴れない
・仕事が手につかない
・悲しいと感じる
・よく眠れない など

【行動面の変化】
・酒の量が増えた
・タバコの本数が増えた
・やけ食いが増えた
・衝動買いが増えた
・運動しなくなった
・作業効率が低下してきた
・仕事や生活でミスが増えた
・朝、起きられなくなってきた
・遅刻や欠勤が増えた
・忘れ物が増えた、用事をうっかり忘れることが増えた など

心身や行動の変化に気づいたら、早期対処を

 これらの変化に気づいたら、ストレスから逃げようとせずにストレスと向き合い、早いうちに原因を探って対処することが大切です。ストレス状態に早く気づいて対処することは、本人だけでなく、家族や周囲の人(職場の人や友人など)にとっても、社会全体にとっても、心の健康づくりに重要なことです。

 ストレス過剰状態を改善するには、まずは、ストレスの原因(ストレッサー)を取り除いたり軽減することが大切です。職場にストレッサーがあるのならば、たとえば仕事のレベル・量・手順などを見直したり、職場の仲間との協力体制を見直すなど、改善可能な点は改善していきましょう。
 人間関係がストレッサーの場合は、簡単には解消できないかもしれません。ただ、自分が変わることでストレスを解消できることもあります。自分にふさわしいストレス解消法を見つけ、実践しましょう。ストレスはためないことが大切です。1日10~15分でもよいので、「自分のためのストレス解消の時間」をつくり、その日のストレスはその日のうちに解消するよう心がけるとよいでしょう。
 そして、悩みがあったら一人で抱え込まないで、信頼できる家族や友人、職場の同僚や上司などに相談しましょう。場合によっては、カウンセラーや産業医などの専門家に相談することもおすすめします。

【ストレス解消のポイント】
1.規則正しい生活を心がけ、睡眠を十分にとる
2.親しい人たちと交流する時間をもつ
3.「笑い」を日常生活に取り入れる
4.緊張する時間を細切れに。こまめに小休止、気分転換を
5.リラックスできるように環境を整える
6.仕事と関係のない趣味をもつ
7.自然に親しむ機会をつくる
8.適度に運動をする
9.ストレス解消をタバコやお酒に頼らない

出典:「こころの健康 気づきのヒント集」(厚生労働省、独立行政法人労働者健康福祉機構)



(編集・制作 (株)法研)

【監修】
和田 耕治先生


北里大学医学部公衆衛生学 准教授
2000年産業医科大学医学部卒業。臨床研修医、企業での専属産業医を経て、06年 McGill(マギル)大学産業保健修士、ポストドクトラルフェロー。 07年北里大学医学部衛生学公衆衛生学助教、09年講師、12年より現職。専門は公衆衛生、産業保健、健康危機管理、疫学。医学博士、労働衛生コンサルタント(保健衛生)、産業保健修士、日本産業衛生学会指導医、日本体育協会認定スポーツ医。著書に『保健・医療従事者のための自然災害において被災者や自分を守るためのポイント集』、『医療機関における暴力対策ハンドブック』(ともに中外医学社)など多数。

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