コーヒーの健康効果-がんや糖尿病を予防するって本当?

肝臓・大腸がんの発症リスク減少、糖尿病予防、シミ減少まで

カフェインやポリフェノール(クロロゲン酸など)成分がもたらす、さまざまな健康効果

日本で最もよく飲まれている嗜好飲料はコーヒー

 10月1日はコーヒーの日。コーヒーの新年度が始まる日であり、需要が高まるころでもあることから、1983年、社団法人 全日本コーヒー協会によって提唱されました。

 現在、日本のコーヒー消費量は米国、ブラジル、ドイツについで第4位です(2012年、国際コーヒー機関調べ)。嗜好飲料の中で、コーヒーの消費量は、緑茶や紅茶、炭酸飲料などを引き離して第1位となっています(2012年、全日本コーヒー協会等調べ)。

 全日本コーヒー協会の調査(中学生から79歳対象)によると、日本人が1週間に飲むコーヒーの量は1人当たり約10.7杯。コーヒーを飲む場所は、家庭が6.9杯と最も多く、次いで職場・学校の2.6杯でした。
 食後の1杯、お茶の時間、仕事や勉強の合間に、コーヒーは日本人にとって欠かせない飲み物になっているようです。

近年、コーヒーの健康効果が注目されている

 「コーヒーを飲むと眠気が覚めてシャキッとする」、「集中力が高まる」、「リラックスする」など、コーヒーが愛されている理由はさまざまでしょう。こうしたコーヒーの覚醒効果やリラックス効果は以前からよく知られていました。では健康にとっては、コーヒーはどうなのでしょうか。

 少し前までは、なんとなくコーヒーは健康によくないというイメージを持つ人が多かったかもしれません。しかし歴史をたどると、古くはイスラム教の僧侶たちが、眠気を覚まし活力を生み出す「秘薬」として飲んでいたものがコーヒー。それが、酒を禁止されているイスラム教徒の嗜好飲料として楽しまれるようになり、やがて世界中に広まりました。
 そして近年また、コーヒーの健康効果が注目されています。次にあげるように、コーヒーが健康によい影響を及ぼすことを示すさまざまな研究結果が、相次いで報告されているのです。

●がん予防(肝臓がん、子宮体がん、大腸がん)
 国立がん研究センターのコホート研究(大規模疫学調査)により、肝がんにかかるリスクは、コーヒーをほとんど飲まないグループに比べ、毎日飲むグループでは約半分に、特に1日5杯以上飲むグループでは約4分の1に抑えられることがわかった。
 女性では、子宮体がんや大腸(結腸)がんの発生リスクも、コーヒーをよく飲む人ほど低い傾向がみられた。

●2型糖尿病予防
 オランダやフィンランドの疫学研究により、コーヒーをよく飲む人ほど、「2型糖尿病」(糖尿病のほとんどを占め、生活習慣と関係が深い)にかかる率が低いことがわかった。
 国内でも、「コーヒーが2型糖尿病の発症を予防する」ことを示すいくつかの報告がある。

 このほかにも、コーヒーがパーキンソン病や認知症を予防する、肥満を防ぐ、血栓を予防するなど、さまざまな健康効果の可能性を示す研究報告があがっています。
 また最近、コーヒーには紫外線によるシミを少なくする効果があるという研究結果が発表されました。コーヒーを1日2杯以上飲む人はそれ未満の人に比べて紫外線による肌のシミが少ないというもので、美肌にこだわる女性たちの関心を集めています。

健康効果をもたらす成分 カフェインとポリフェノール

 それでは、コーヒーの何がこのような健康効果をもたらしているのでしょうか。それは、コーヒーの成分であるカフェインやポリフェノールにあるようです。

●カフェイン
 アルカロイドという窒素化合物の仲間で、苦みがあります。お茶やココア、コーラなどの食品にも多く含まれ、眠気を覚まし気分をスッキリさせる覚醒作用や利尿作用のほか、次のような効果があります。

・集中力や思考力を高める
・交感神経を刺激して体内の代謝を活発にする(体脂肪の燃焼を促す)
・運動能力を高める
・脳の活動を活性化する
・末梢の血管を広げて血流をよくする
・胃酸の分泌を促す
・疲労回復
・解熱鎮痛作用(鎮痛薬や総合感冒薬になどに使用されている)

 ただし、カフェインの取りすぎは、動悸やめまい、頭痛、心拍数の増加、不眠などをもたらすことがあります。特に、妊婦の方はカフェイン摂取には注意しましょう。

●ポリフェノール(クロロゲン酸)
 コーヒーにはポリフェノールが豊富に含まれ、そのうちの9割以上がクロロゲン酸。コーヒー独特の色、香り、苦味の元となっています。赤ワインのアントシアニン、緑茶のカテキンなどもポリフェノールの仲間で、コーヒー1杯には赤ワインと同程度、緑茶の約2倍に相当するポリフェノールが含まれています。
 ポリフェノールは強い抗酸化作用をもち、がん予防や老化予防、動脈硬化の予防、シミやシワの予防などが期待されます。このほか、抗菌作用、脂肪の代謝を促す作用、疲労回復作用などが注目されています。

 さて多くの健康効果をもつコーヒーですが、一方で、飲みすぎは高血圧や脂質異常症をもたらす、膀胱がんの発生リスクが高まるなどの調査結果も出ています。また、体によいといわれるほかの食品同様、コーヒーに薬のような効果は期待できません。
 健康づくりはまず栄養バランスのよい食事から。あくまでコーヒーは嗜好飲料として適量を楽しみ、上手に健康維持に役立ててください。

(編集・制作 (株)法研)

【監修】
全日本コーヒー協会


1953年に発足し、1980年にコーヒーの消費振興と国民食生活の向上を目的に社団法人に。コーヒーに関する知識の啓発や、コーヒーと健康に関する助成研究の実施、国内外の研究情報の収集等を行っている。

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