小豆は女性の味方-疲労回復・むくみ解消・美容効果も

古くから季節の行事やお祝いで食べられてきた小豆の健康効果

手軽な素材・加工品を使えば赤飯や小豆がゆ、お焼き、スイーツも簡単に。日頃からもっと小豆を活用したい

四季折々の行事や祝いの席に欠かせない小豆

 春到来。お彼岸に卒業・入学シーズンがやってきました。こうした季節の行事やお祝いごとに欠かせないのが小豆(あずき)です。お彼岸のぼたもちの甘いあんは小豆で作られ、祝いの席のお赤飯はもち米と小豆を蒸して作ります。お正月にも、鏡開きのお汁粉、小正月の小豆がゆと、小豆を食べる習慣があります。
 小豆の赤い色は、昔から災難を避ける色として珍重されてきました。そして、お祝いごとやお祭り、季節の行事などのたびに食卓を飾り、私たちの食生活を豊かにしてくれました。

 最近は小豆というと和菓子や赤飯を買って食べるのが一般的で、家庭で調理することはあまりないかもしれません。しかしかつては、1日と15日には小豆ご飯を炊いて食べていたそうです。「あずき色」と色の名前になるほど親しまれてきた小さな赤い豆には、たくさんの健康効果が詰まっていて、しかも安価で保存も効きます。日常の食生活にも、もっと小豆を活かしたいものですね。そこで、小豆の栄養と手軽な調理法について紹介しましょう。

疲労回復、むくみ解消、生活習慣病予防、美容などさまざまな健康効果が

 小豆の主な成分はエネルギー源となる炭水化物で、次いで良質の植物性たんぱく質が多く、脂肪はほとんど含まれていません。ほかに、ビタミンB1、B2、B6などのビタミンB群、カリウムやカルシウム、マグネシウム、鉄などのミネラル、食物繊維が豊富です。

 ビタミンB群は、炭水化物や脂肪をエネルギーに変えたり、たんぱく質を分解・合成するために必要な水溶性のビタミンで、疲労回復やダイエット、皮膚や髪の健康などに役立ちます。また、カリウムは細胞内の水分量を調節し、筋肉の働きをコントロールしたり、血圧を安定させる働きがあります。カリウムはナトリウムとバランスをとりあい、ナトリウムが過剰になると排泄を促すので、塩分摂取が多い日本人にとって、上手にとりたい栄養素です。たんぱく質とカルシウム、マグネシウムは骨粗しょう症の予防に、鉄は貧血予防に役立ちます。
 小豆の皮の部分に多い食物繊維は、腸内環境を整えて排便をスムーズにし、血糖値の急上昇を防いだり、コレステロールの吸収を抑制したり、有害物質の排泄を促すなどの働きがあります。

 小豆にはこれらの栄養成分のほかにも、サポニン、ポリフェノールなど、活性酸素を抑えて細胞を酸化から守る抗酸化作用をもつ成分が含まれています。細胞が酸化すると、肌の老化やシミの原因になったり、動脈硬化やがんなどの生活習慣病を引き起こすことにもつながります。
 サポニンには、脂肪が体内に溜まるのを防いだり、血中コレステロールを下げる作用があり、動脈硬化を遅らせる効果があります。また、昔から小豆にはむくみをとる働きがあることが知られていますが、これはサポニンやカリウムの利尿作用によるものといえます。

 ポリフェノールとは、色素やアク、渋みなどの成分の総称のことで、生体のバランス維持や疾病予防に効果があることが分かってきています。小豆のポリフェノールには、赤い色素成分であるアントシアニン、カテキン、ルチンなどがあり、抗酸化作用をはじめ、視力を守り目の疲労を和らげる、生活習慣病を予防する働きなどがあげられ、小豆の健康効果を高めています。

砂糖はなるべく使わず、小豆そのものをシンプルに使うことがおすすめ

 小豆は和菓子など砂糖と一緒にとることが多いのですが、砂糖はなるべく使わず、小豆そのものをシンプルに使うことをおすすめします。また、小豆の有効成分には、ビタミンB群をはじめ水に溶け出しやすいものが多いので、小豆をゆでるときは、ゆで汁は捨てないで上手に使うことでより効果が得られます。

 乾燥した小豆を使うときは、小豆を水洗いし、鍋にたっぷりの水を入れてゆでます。アクが強いので一度ゆでこぼし、再度湯を加えて柔らかくゆで、なるべく煮汁もいっしょに料理に使います。このように、あずきはほかの豆と違って水に漬けずにいきなり火にかけることができるので、思い立ったらすぐ調理できます。
 でもゆでるのは面倒という方には、無糖のゆで小豆缶やレトルトタイプのものが市販されていますから、これらを利用するといいでしょう。

 かぼちゃやさつまいもと煮るいとこ煮などがよく知られていますが、ミネストローネの具にしたり、グラタンやハンバーグの具に混ぜたり、卵と組み合わせて、卵焼きやスクランブルエッグなどは彩りもきれいです。ほかにもサラダや和え物など、甘みのないゆで小豆は、工夫次第でとても重宝します。レトルトタイプの小豆は汁も使えるので、炊飯器で一緒に炊けば、お赤飯はもちろん小豆ご飯やヘルシーな小豆がゆが簡単にできます。野菜やほかの豆と組み合わせたスープにしてもいいでしょう。

 甘いゆで小豆缶を利用するときは、甘さを調味料として利用するのがコツです。たとえば、小麦粉と絹豆腐、きな粉、ベーキングパウダーをよく混ぜてフライパンで焼けば、小豆のパン風お焼きができ、子どものおやつにも朝食にもなります。
 ホットケーキミックス粉に混ぜて使えばより簡単で、蒸しパンやパンケーキ風など、いろいろアレンジができ、小豆の色と形が可愛らしいので喜ばれます。ヨーグルトのトッピングにしてもおいしいですし、ヨーグルトと牛乳、小豆を混ぜて製氷機に入れ冷凍すればアイスキャンディーになり、スィーツも簡単にできます。

 時間があるときにまとめてゆでたものを冷凍しておいたり、便利な小豆の素材・加工品を活用して、もっと手軽に小豆料理を楽しんでみませんか?

(編集・制作 (株)法研)

【執筆】
小池 澄子先生


管理栄養士・女子栄養大学生涯学習講師
明治乳業に10年間勤務し、妊産婦や乳幼児の食事相談を担当。独立後、「自然と食と人」を結ぶネットワーク『有限会社カナ』を設立。元日本航空健康管理室非常勤栄養士。和光大学非常勤講師。企業やクリニックでの食生活を中心とした健康管理指導、保育園や地域での子育て支援、栄養相談、料理教室や、講演、新聞、雑誌など、幅広く活躍中。栄養、料理、農業を通じて、「心と体と社会の健康」を高める情報やレシピを提供し、食を柱にした子どもと大人のための食育活動を展開。

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