夏バテしない暑さに強い体づくり-3つのコツで猛暑を乗りきる

運動習慣や入浴で発汗量や血液量を増やして熱中症予防

本格的な夏が来る前に、ややきつい程度の運動を1~4週間。暑熱順化した体をつくり、熱中症を予防しよう

暑さに慣れていない体は体温上昇を抑えきれず、熱中症になりやすい

 夏が来ると毎年のように多くの人が熱中症にかかり、亡くなる人もいます。熱中症の発症が猛暑の続く8月に多いのはもちろんですが、6、7月の梅雨の晴れ間や梅雨明け直後など、気温が急激に上昇する日にも多くなります。この時期はまだ体が暑さに慣れていないため、体温調節がうまくできず、熱中症になりやすいと考えられています。

 今年はさらに早く熱中症の発症が見られました。5月最後の週末となった31日と翌6月1日は各地で晴れて猛暑となり、2日間で1000人以上の人が熱中症で救急搬送されたことは記憶に新しいでしょう。

 暑さを感じると、体は末梢血管を広げて皮膚の血流量を増やし、熱を体外に放出して体を冷やそうとします。また、発汗量を増やして汗を蒸発させることで熱を逃がし、体温を下げようとします。
 しかし暑さに慣れていない体では、体温を下げるための血液の量が少なかったり、発汗量が少ないために体温の上昇を抑えきれず、熱中症になりやすいのです。特に最近ではエアコンの普及や運動不足などで汗をかくことが少なくなって、汗腺機能が低下し発汗量の少ない人が増えているようです。

 そこで本格的な夏がやって来る前にやっておきたいのが、体を暑さに慣らし、暑さに強い体を作っておくこと。暑さに慣れることを暑熱順化といいますが、暑熱順化には次のことが有効です。

●うっすらと汗をかく程度のウオーキングで発汗量と血液量を増やす
●運動後に牛乳を飲んで血液量をアップ
●ぬるめの半身浴で汗腺機能を鍛える

【参考コラム】
・「熱中症は予防が肝心」
・「オフィスや家庭でも熱中症対策を万全に」

運動習慣と運動直後の牛乳、半身浴で暑さに強い体をつくる

 暑いところで運動をくり返すと、発汗量と皮膚の血流量をより早く増やすことができるようになり、体温調節機能が高まります。また、汗に出る塩分の量は減り、発汗によって体が塩分不足になることを防ぎます。

 日本生気象学会の「日常生活における熱中症予防指針」では、本格的に暑くなる前の5~6月に「やや暑い環境」で「ややきつい」と感じる運動を1日30分間、1~4週間行うことで暑さに強い体になり、さらに、運動直後に糖質とたんぱく質の豊富な食品を補給するとより効果的としています。

うっすらと汗をかく程度のウオーキングで発汗量と血液量を増やす
 暑熱順化を促す運動には、ウオーキングや自転車こぎなどの有酸素運動がおすすめ。早めに歩くウオーキングなど、うっすらと汗をかく程度の運動を1日30分間、週に4日以上を目標に行いましょう。
 中高年や体力に自信のない人は、3分間の速歩と3分間のゆっくり歩きを交互に行うインターバル速歩を1日5回以上、週4回以上、4週間行うことがすすめられます。

 こうした運動を行うことで汗腺が発達し、汗が出やすくなります。また、酸素を運ぶ赤血球が増えて血液量が増加し、急に気温が上昇したときでも熱中症になりにくくなります。

 ただし、梅雨時でもあまり暑い日や暑い時間帯の運動は熱中症の危険があることは前述のとおりです。比較的涼しい時間を選び、運動前後はしっかり水分補給を行ってください。

運動後に牛乳を飲んで血液量をアップ
 糖質とたんぱく質の補給は、牛乳1~2杯を運動後30分から1時間くらいに飲むとよいでしょう。牛乳に含まれるアミノ酸が赤血球の合成を促し、血液量を増やしてくれます。
 アミノ酸が豊富な肉類や大豆製品にも同じ効果があります。

ぬるめの半身浴で汗腺機能を鍛える
 衰えた汗腺を鍛えるには、入浴やサウナなどでしっかり汗をかくことも有効。ややぬるめのお湯に腰のあたりまで20分ほどつかる半身浴もおすすめです。
 温かい飲み物や食べ物をとったり、エアコンは設定温度28度を心がけ、日ごろから積極的に汗をかくようにするとよいでしょう。

【参考】
・環境省「熱中症環境保健マニュアル」(2014年3月改訂版)
http://www.env.go.jp/chemi/heat_stroke/manual.html
・日本生気象学会「日常生活における熱中症予防指針Ver.3」
http://www.med.shimane-u.ac.jp/assoc-jpnbiomet/pdf/shishinVer3.pdf

(編集・制作 (株)法研)

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