確実な避妊法とは? 間違った避妊や妊娠の知識|避妊の失敗率

妊娠を望まないなら、低用量ピルまたはIUSで確実な避妊を

コンドームは失敗も多く不確実なことを知っておこう。基礎体温法や腟外射精は避妊法とはいえない

不確実な避妊法に頼っている人も多い

 女性にとって妊娠出産は大きな出来事です。望まない妊娠によって、自分の夢やライフプランの実現が難しくなることもあるでしょう。
 やっと就職が決まったのに、新しいプロジェクトを立ち上げたのに、あるいは子育て卒業と思ったのに、望まない妊娠をして中絶に至った・・・、そんな例も少なくありません。(「確実な避妊法を知っていますか?」参照)

 実際日本では年間100万人の赤ちゃんが生まれている一方で、20万件の中絶が行われています。中絶の割合は10代で60%、40~50歳代で30%です。コンドームが破れた結果の中絶が多く、不確実な避妊法に頼っているのが現状です。

各避妊法の特徴を知り、自分が主体となった避妊法を

 自分で自分の未来を決めていくためにも、各避妊法の特徴を知って、自分が主体となった避妊法を選びましょう。主な避妊法の特徴を挙げます。

低用量ピル
・女性ホルモンの薬を飲んで排卵を止める方法
・女性が自分の意思で避妊でき、正しく飲めばほぼ確実に避妊できる
・生理痛を劇的に軽くし、生理不順もなくなるので働く女性におすすめ
・特に40歳代以上では血栓症の確率が上がる
・医師の処方が必要で、費用は初診時8,000円、毎月3,000円程度

IUS(商品名:ミレーナ)
・IUS(黄体ホルモンを塗った器具)を子宮内に置いて受精卵の着床を妨げる方法
・産婦人科で挿入してもらう必要があるが、約5年間有効で、ほぼ確実に避妊できる
・月経痛や出血量の軽減効果もある
・IUSは1回挿入すれば毎日薬を飲む必要もなく、忙しい人に向いている
・出産していない人では挿入が難しいことも
・費用は1回3万円程度(ひと月当たり500円)
*以前は9万円だったが2014年から3分の1に!

コンドーム
・薄いゴムをペニスにかぶせ、腟内に精液が入るのを防ぐ方法
・簡単だが男性の協力が必要
・破れたり抜けたりすることがあり、1年間に3~5%程度の人が妊娠する可能性がある
・性感染症予防に有効

緊急避妊ピル
・セックス後72時間以内に飲むことで、1回のセックスでの妊娠率10%を3%まで下げる
・コンドームがやぶれてしまった、レイプ被害にあったなどの緊急時に
・日本では医師による診察が必要で、費用は1回2万円程度

レベル別おすすめ避妊法

 よって、レベル別おすすめ避妊法は次のようになります。

●絶対に妊娠したくない人は、「低用量ピル」または「IUS(商品名:ミレーナ)」(+コンドーム)
 どちらも99.9%妊娠しません。ただし、性感染症予防としてコンドームも使うことが大事です。

●もし妊娠してしまったら産んでもよいと思っている人は、「コンドーム」
 コンドーム単独では結構失敗があるので、もし妊娠してしまったら産むつもりの人でないとおすすめできません。避妊はしているけど赤ちゃんができたらできたでうれしいなあ、と思っているくらいの人に。

「基礎体温法」や「腟外射精(外出し)」は避妊法ではない

 「基礎体温法」や「腟外射精(外出し)」を避妊法と考えている人も多いようですが、これらは避妊法と呼べるものではありません。

 そもそも基礎体温法は、避妊ではなく妊娠法として発見されたもの。排卵がずれたりすることはよくあり、妊娠率が高い方法です。

 また、外出しは意味がありません。射精前にも精子は出ています。今まで妊娠しなかったのは、運が良かっただけです。
 このような「避妊」しかしてくれない男とは別れたほうがよいでしょう。あなたの体や心を気遣っているとは思えませんし、性感染症をうつされる可能性も高く危険です。

各種避妊法の失敗率は?

 各種避妊法の失敗率、避妊のレベル、費用をまとめました。確実な避妊法を使って、豊かな未来を考えましょう。

(編集・制作 (株)法研)

【執筆】
太田 寛先生


慈桜会 瀬戸病院産婦人科(埼玉県所沢市)
北里大学医学部公衆衛生学 助教
1989年京都大学工学部電気工学科卒業後、日本航空株式会社羽田整備工場に勤務。2000年東京医科歯科大学卒業。茅ヶ崎徳洲会総合病院産婦人科、日本赤十字社医療センター産婦人科勤務を経て、2009年北里大学医学部公衆衛生学助教に。2012年瀬戸病院産婦人科勤務、現在に至る。医学博士、日本医師会認定産業医、日本産科婦人科学会専門医。

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