髪は健康のバロメーター 抜け毛やフケなどのトラブルの原因は?

抜け毛、かゆみ、フケ・・・憂鬱なヘアトラブルの原因とは?

健康な髪をつくるには? 髪の毛や頭皮のしくみを知って、髪をツヤツヤに守りましょう。

健康な体が健康な髪をつくります

 夏は紫外線の関係で、髪にもダメージの多い季節です。ヘアトラブルに悩まされていませんか。
 髪は見た目だけの問題ではありません。髪は健康をあらわすバロメーターでもあるのです。病気中や疲労時、体の栄養は生命維持に直接関わる脳や心臓に優先的にまわされ、髪や爪は後回しになってしまいます。つまり、髪や爪が健康であれば、体も健康であるということなのです。

さまざまなヘアトラブルとその原因

 抜け毛、薄毛、フケ、かゆみ、ヘアトラブルはさまざまな原因から起こります。

◆抜け毛・薄毛
 抜け毛の原因は、主に毛穴がつまったり、頭皮の血流が悪くなったり、あるいは頭皮が弱ること。こうなると、毛根に栄養がゆきわたらず、抜け毛が増えてしまうのです。さらに、カラーリングのダメージや不規則な生活、無理なダイエット、ストレスによるホルモンバランスの乱れなどからも、抜け毛や薄毛がおこります。

◆髪のやせ
 女性にとっては気になる“髪のやせ”。これは、加齢によるものもありますが、若い人の場合は、ストレスが主な原因です。ストレスは交感神経が優位な状態をつくります。すると血管が収縮して、血行不良に。頭部の毛細血管は非常に細いので、毛母細胞が酸素や栄養不足になるのです。また、喫煙も血管を収縮させ、同じ影響を与えます。

◆フケ・かゆみ
 気になる症状の中には、フケ、かゆみもあるでしょう。新陳代謝が活発な人はフケが多くなりがち。
 フケには乾性と脂性の2つのタイプがありますが、乾性のフケの原因は皮脂の不足や取りすぎ。シャンプーのしすぎには気をつけましょう。

 脂性のフケは、皮脂分泌量の多い人に見られます。フケが毛穴をつまらせ、かゆみやベタつきがおこります。かといって、皮脂を取りすぎると、頭皮が弱り、抜け毛などが増えることも。食生活では脂肪の摂りすぎを避けましょう。また、シャンプーで頭皮の清潔を保つことは大切ですが、やりすぎにはご用心を。

健康な髪はすこやかな頭皮から!

 では、どうすれば髪を健康に保てるのでしょうか。
健康な髪を守るには、頭皮をいい状態に保つことが重要です。頭皮の下にはいくつかの層があり、一番下の基底細胞は毎日新しい層をつくります。すると各層が表面におしやられ、角質化した細胞がフケなどに変わってはがれ落ちます。
 健康な頭皮は青から白っぽい色でつやがあります。頭皮がかたくなり、血行が妨げられると、抜け毛などさまざまなトラブルにつながります。シャンプーする際は、頭皮マッサージを心がけるなど、頭皮の血行を良好に保ちましょう。
 また、皮膚の一部である髪は、ヒト成長ホルモンの分泌量の多い夜につくられます。夜11時~午前2時の間は、かならず眠ることも、イキイキした髪を保つヒケツです。
 さらに最近、カラーリングによるヘアトラブルが増えています。カラーリング剤やヘアマニキュアは、頭皮を傷めないように、地肌には触れさせず、髪の毛だけを染めるようにしたいものです。

円形脱毛症がおこったら

 頭髪が、局所的に円形状に抜けてしまう症状を円形脱毛症といいます。 性別や年齢に関係なくおこりますが、一般的に子供や若い人に多くみられます。
 円形脱毛症は、1カ所にできる単発型、2カ所以上におこる多発型、複数が融合する多発融合型など、いくつかのタイプに分かれます。いずれにしても、人目につきやすい頭髪が抜けてしまうのは、たいへん苦痛な状態です。

 自己免疫反応により、免疫による防御機能が誤って毛根を攻撃するのではないかという説や、ストレスで自律神経のバランスがくずれ、毛根に栄養が届かなくなるのではないかという説などがありますが、精神的なストレスが深く係わっているとされています。
 ストレス以外の原因としては、たばこの吸いすぎやフケ、皮脂による毛穴のつまり、妊娠、出産、月経障害、更年期などが考えられます。

 円形脱毛症は、そのまま放っておいても数カ月で治るケースがほとんどです。しかし、治らないときは、皮膚科を受診しましょう。また、何度でもできてしまう場合は、原因となるストレスを解決するために、精神科や心療内科などを受診したいものです。

 健康でツヤのある髪は、大きなチャーミングポイント。そして、全身の健康状態が良好なあかしでもあります。髪の毛だけでなく、頭皮ケアも行って、真夏の髪をすこやかにキープしたいですね。

(「よくわかる 女性のからだ事典」天野恵子監修、法研より)

【取材協力】
天野恵子


千葉県衛生研究所所長/千葉県立東金病院副院長
1942年生まれ。東京大学医学部卒業(医学博士・循環器内科専攻)。東京大学講師、東京水産大学教授を経て、現在千葉県衛生研究所所長兼千葉県立東金病院副院長。全国に展開されている女性外来の立役者。

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