睡眠時無呼吸症候群 Part1 こんないびきの人は気をつけて!

大きないびきが突然止まって・・・あなたの隣の人は大丈夫?

SASは睡眠中、一時的に呼吸が止まる病気。こんないびきは要注意です

SASが疑われるいびき

 「いびきがすごいね」といわれたことはありませんか?
 寝入りばなにかくいびき、あるいはお酒を飲んだときや疲れたときにかく、いわゆる習慣性のいびきは、医学的にあまり心配ないいびきだといわれます。
 しかし、あおむけに寝ると大きくなるいびき、強弱のあるいびき、朝までずっと続くいびき、いびきといびきの間で呼吸が止まっている場合は、睡眠時無呼吸症候群(SAS)という病気の可能性があります。

 睡眠時無呼吸症候群とは、睡眠中に何らかの原因で気道が閉塞して無呼吸の状態になることがたびたび起こる病気。医学的には「10秒以上続く無呼吸が、一晩(7時間以上の睡眠中)に30回以上、もしくは睡眠1時間に平均5回以上起こること」と定義されています。

 睡眠中に無呼吸状態になると眠りが浅くなったり、途中で目覚めてしまいます。そのため、十分な休息がとれなくて昼間に強い眠気を感じたり、居眠りをしてしまうほか、疲労感や集中困難、口やのどの渇き、憂うつな気分、夜間頻尿などの症状が出てきます。また高血圧、不整脈、狭心症、心筋梗塞などの心疾患、脳血管障害を合併することも少なくありません。

こんな人に起こりやすい!

 睡眠時無呼吸症候群の患者さんには、体型的な特徴があります。その体型的特徴とは、「大きなおなか」「小さなあご」「短い首」の3つ。
 一般的にも「太った人にはいびきをかく人が多い」というイメージがありますが、実際睡眠時無呼吸症候群の患者さんのなかで最も多いのは、やはり30~60歳の肥満の男性です。
 太った人は、口内の軟口蓋やのどに脂肪が付いているので、気道が狭くなりがちです。「短い首」の人も、気道のまわりに脂肪がつきやすくなります。
 「小さなあご」の人は、仰向けに寝ると舌根(舌の付け根)が普通の人よりのどの奥の方に落ち込みやすいため、気道が狭くなります。

 また、「舌の位置が高く後ろにある」場合も要注意。鏡に向かい口を開けて自分でのどの奥をのぞいて、奥が見えないようなら、可能性が高いといえます。
   日本人はもともと、「短く平らな顔」「小さなあご」「のどが咽頭の近くにある」などの特徴から、欧米人と比較して睡眠時無呼吸症候群になりやすいのです。

危険な合併症!

 SASの症状で恐ろしいのは、本人の知らないうちに合併症が進むことです。たとえば、中等度の患者さんの場合でも、高血圧で3倍、心疾患で2倍、脳血管障害で2倍と、健康な人に比べて発症率が上がります。

 しかし、SASには、CPAP(シーパップ:鼻マスク)など代表的な治療法があり、それを行うと、睡眠中の無呼吸を防げます。治療をすれば熟睡できるようになり、日中ひどい眠気に襲われて居眠り運転をするなど、SASの患者に多いといわれる事故も減らせます。

 自分にSASの症状があるかもしれないと思ったら、あるいは、まわりに疑わしい人を見つけたら、まず受診してみることをおすすめします。次週は睡眠時無呼吸症候群の治療についてお話します。

(「睡眠時無呼吸症候群がわかる本」成井浩司著、法研より)

【著者】
成井浩司


虎の門病院睡眠センターセンター長
東海大学医学部卒。専門は呼吸器病学、睡眠医学。日本睡眠学会睡眠専門医、日本内科学会認定医、日本呼吸器学会専門医。シドニー大学でauto CAPAの共同研究に携わる。著書に『睡眠時無呼吸症候群がわかる本』(法研)など。

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