腰や脚の痛みは坐骨神経痛かも? 原因となる病気4つの症状

脚や腰が痛い! 坐骨神経痛の原因と症状をお話しします。

神経痛は様々あれど、もっとも多いのが坐骨神経痛。どんな神経痛なのでしょうか?

その痛みとしびれ、原因は何?

 「腰が痛いな」と思っていたら、太ももの後ろ側からふくらはぎ、足に鋭い痛みが生じてきた――中高年以降、このような異変「坐骨神経痛」に見舞われる方が増えています。ところで、坐骨神経痛とは、一体どんなものなのでしょう。

 坐骨神経は、下肢の筋肉を動かしたり、知覚情報を脳に伝える役割を担っています。腰椎から出た神経が何本か集まって骨盤の中を通り、太ももや膝の裏側まで伸びて膝からふたて(総腓骨神経そうひこつしんけいと脛骨神経けいこつしんけい)に分かれており、体の中でも最も長い神経です。
 この坐骨神経の通り道で何らかのトラブルがあるために、坐骨神経が分布する領域で痛みやしびれなどが生じている状態が坐骨神経痛です。
 痛みやしびれだけでなく、足の筋力が低下したり、まひを起こしたり、あるいは歩いている途中で歩きにくくなったり歩けなくなったり、しゃがんだり前かがみになったりすると歩けるようになる「間欠跛行かんけつはこう」という歩行障害を伴う人もいます。

 坐骨神経痛をもたらす病気はいろいろありますが、最も多いのは脊椎の骨の組織や神経に何らかのトラブルが生じる病気、わけても中高年によく見られるのが「腰部脊柱管狭窄症ようぶせきちゅうかんきょうさくしょう」です。

進行すると排泄がコントロールできなくなることも…

 腰部脊柱管狭窄症とは、腰椎の老化によって神経の通り道である脊柱管が狭くなったため、神経が締めつけられてしまう病気です。前述の間欠跛行に加え、以下のような症状が現われます。

◆腰痛
:腰部脊柱管狭窄症と診断された人の、半数以上が腰痛を訴えます。椎間板ヘルニアや腰痛症と違うのは、この病気による腰痛は、「動いたときに症状が強くなり、安静にしたとき痛みが軽くなる」ところです。

◆下肢痛(脚部痛)
:腰痛についで多い症状です。痛みよりしびれ感の方が強かったり、片方の脚の外側だけに痛みが出ることもあります。

◆脚のしびれ感・知覚異常
:お尻から脚部にかけて、痛みだけでなく、しびれた感じが現われます。他に、冷感、灼熱感、ひきつれ感、締めつけ感などが起こります。また、足裏がジリジリする、足裏の皮膚が厚くなった気がする、などといった知覚異常も起こります。

◆患部の脱力感(筋力の低下)
:約半数の患者さんが、脚部や腰部の脱力感を訴えます。脚に力が入らない、かかとが持ち上がらない、階段などでよくつまずく、スリッパがすぐ脱げる、などの症状が現われるのです。これらの症状は、動作をしているときだけでなく、午後や夕方に強まるのが特徴です。

◆その他の症状
:重症になると、まひが進行して歩行時に尿や便をもらす失禁がみられることもあります。

女性に多いという報告も!

 年齢別の調査で見ると、腰部脊柱管狭窄症は30代より上の世代で増加します。50歳前後から急増し、女性の患者が男性の約2倍以上にのぼる、という報告もあります。
 肥満との関係は明らかになっていませんが、肥満が腰に負担をかけることは確かです。太った人では、脚部の痛みを訴える人も多く見られます。
 腰部脊柱管狭窄症の治療には、薬物療法、神経ブロック療法などが行われます。症状が重くなると治しにくくなりますので、すこしでも異常を感じたら、早めに整形外科医の診察を受けましょう。

(「坐骨神経痛がわかる本」戸山芳昭著、法研より)

【取材協力】
戸山芳昭氏


慶應義塾大学医学部整形外科教授
慶應義塾大学病院副院長
昭和50年慶應義塾大学医学部卒業後、同大学整形外科入局。専任講師を経て平成10年から現職。平成17年から慶應義塾大学病院副院長、医学博士。日本整形外科学会認定整形外科専門医、日本脊椎脊髄病学会認定脊椎脊髄外科指導医。日本整形外科学会副理事長・日本脊椎脊髄病学会・日本脊髄障害医学会理事などの他、厚生労働省厚生科学審議会委員をはじめ各種公職も務める。 著書に『腰椎の臨床』(メジカルビュー社)、『脊椎脊髄の手術』(三輪書店)ほか。

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