口内炎は「疲れ」のサイン?-口内炎の原因4つと改善・予防法

原因は過労、ストレス、不規則な食事など心身の乱れ

口内炎は日ごろの生活ぶりへの警鐘と受けとめ、ゆっくり休養、たっぷり睡眠を

いつの間にかできている厄介者

 気がつくと口の中にできている厄介者“口内炎”。放っておいても治るものがほとんどですが、食事のたびにしみて痛いし、気になっていやなものですよね。なかにはひんぱんにできて「また口内炎か!」と憂うつになる人もいるのでは?

 口内炎は、口の中の粘膜に起こる炎症状態のこと。白い膜状のものができて触ると痛みがあったり、ただれて赤くなったり、食事をするとしみて痛んだりと、症状はさまざま。直径わずか数ミリから1センチ程度のものなのに、とても気になります。ときには激痛が走り、集中力が低下して仕事が手につかないことも。

 ほおやくちびるの内側、舌の縁などを噛(か)んでしまったり、とがった食べ物で口の中や歯肉を傷つけたり、やけどや辛い食べ物などの刺激からできることもありますが、かぜや疲れなどで免疫力が落ちているとできやすくなります。また、ビタミン不足やストレスも原因に。

口内炎にはこんなにいろいろな種類が

 口内炎は起こり方や症状によって、次のようにいくつかの種類に分けられます。

●アフタ性口内炎
 原因は不明だが最も一般的なもの。表面が白く周囲が赤い潰瘍(円形またはだ円形で中央部が浅くくぼんでいる)が1~数個できる。

●カタル性口内炎
 自分の歯で粘膜を傷つけたり、歯列矯正装置や入れ歯が当たることなどにより、赤く炎症を起こすもの。

●ウイルス性口内炎
 ヘルペスウイルスなどが原因で、くちびるや口の中の粘膜に小さな水疱ができ、破れてびらんや潰瘍になるもの。

●口腔カンジダ症
 カビ(真菌)の一種であるカンジダ菌の増殖(疲労などによる免疫力低下による)が原因。口のなかに白い苔状のものができ、放っておくと口全体に広がるが、痛みはあまりない。まれに粘膜が赤くなる場合も。

 このほか、アレルギー性の口内炎、ヘビースモーカーがかかりやすいニコチン性の口内炎などがあります。これらは見た目もアフタ性口内炎とは異なります。また、一部の人では、歯磨き剤に含まれる発泡成分であるラウリル硫酸ナトリウムが原因になることもわかっています。
 アフタ性口内炎以外の、原因がはっきりしている口内炎は、原因を取り除くために早めに内科や耳鼻咽喉科、歯科などで相談を。

ストレスや過労などが引き金に

 最も一般的にみられるアフタ性口内炎は、触ると痛い、すっぱいものや塩辛いものがしみると痛みが増すという特徴があります。口の中がしみて痛む程度から、ひどくなると、しゃべりにくい、飲み込みにくいといった症状が出ることもあり、若い人に発症しやすいようです。
 原因はよくわかっていませんが、睡眠不足や過労、ストレス、不規則な食事など、心と体の疲れが引き金になることがよくあります。

 たいていはそのままにしておいても7日から10日間ほどで治りますが、再発することも少なくありません。大きくならず数も少なければ様子をみてかまいませんが、痛みが気になるときは受診しましょう。また、なかなか治らなかったり、何度も繰り返すような場合、まれに大きな病気が隠れていることもあります。とくに再発性のアフタ性口内炎は、ベーチェット病という皮膚症状、眼症状、外陰部潰瘍などを伴う全身性の炎症性疾患(膠原病周辺疾患)のこともあるので、念のため内科を受診するとよいでしょう。

まずはお口の清潔、休養・睡眠、緑黄色野菜

 口内炎の予防と改善は、次のことをこころがけましょう。

(1)まず口の中を清潔に。毎食後に歯磨きやうがいで常に清潔にする。また口の中が乾かないようにする。
(2)疲労・ストレス・睡眠不足に気をつけて。ゆっくりと休養をとって、睡眠を十分に。
(3)バランスのよい食生活を。とくに緑黄色野菜をたっぷり、ビタミンB群やCを含む食品を積極的にとって免疫力アップを。
(4)禁煙し、アルコールを控える。

 それでもできてしまったら、「睡眠は十分か?」「栄養バランスはとれているか?」「ストレスをためていないか?」など日ごろの生活を見直すようにすれば、病気を予防することもできるかもしれません。そうなると口内炎は厄介者どころか、無理をしないよう警告を発してくれるありがたい存在! 口内炎ができたら生活と健康を見直すよいチャンス、健康管理に利用しない手はありませんね。

(「健康のひろば」、法研より)

【監修】
〆谷直人氏


獨協医科大学越谷病院臨床検査部助教授
1989年北里大学医学部卒業。同大学医学部臨床病理学専任講師を経て2000年から現職。医学博士。日本臨床検査医学会臨床検査専門医、同学会臨床検査管理医、日本内科学会認定内科医、日本医師会認定産業医、日本体育協会認定スポーツ医、インフェクションコントロールドクター(ICD)などの他、日本医師会臨床検査精度管理検討委員会委員、日本適合性認定協会臨床検査室技術審査員(ISO 15189)などを務める。著書に『臨床検査技師のための救急医療マニュアル』(医歯薬出版)、『POC・OTC検査の広がり』(克誠堂出版)ほか。

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