高温多湿になる梅雨時は水虫に注意! 水虫にならない習慣とは

症状が治まっても油断してはいけません

感染しやすく再発しやすいやっかいな水虫。治療は気長に根気よく、足の清潔と乾燥を心がけましょう

水虫菌=白癬菌はジメジメが大好き

 “おじさんの病気”というイメージがある水虫ですが、最近では女性の水虫患者が増えています。その原因は、冬のブーツにありました。
 水虫は、カビの一種である“白癬菌”(はくせんきん)による感染症で、放っておくと1年中生きつづけています。カビは高温多湿の環境を好むため、夏になると水虫に悩まされる人が多くなりますが、冬でもブーツのなかはカビにとって格好の住みか。そのため、ブーツをはくことの多い若い女性に水虫が増えているのです。
 これから蒸し暑くなると、新たに感染したり、症状が悪化しやすくなるため、特に注意が必要です。

 白癬菌の好物は、皮膚の表面の角質や爪にある“ケラチン”というたんぱく質。角質はアカとなってはがれ落ちるため、水虫に感染した人のいる家では、白癬菌がついたアカが家中にまき散らされ、それを家族が素足で踏んで感染することも。特にスリッパやバスマットから白癬菌が付着し、そのまま靴を履いて蒸された状態が続くと感染、ということになりかねません。スポーツクラブや温泉など公共の場でも、スリッパやバスマットは要注意です。

水虫にもいろいろなタイプが

 「水虫はかゆいもの」というイメージがありますが、必ずしもそうではなく、自覚症状がない人も少なくありません。水虫は大きく次の3つのタイプに分けられます。

●趾間(しかん)型
 足の指と指の間の皮膚が白くふやけてジクジクしたり、かさかさになって皮がむけたりする。最も多いタイプの水虫で、ひどくなるとむずがゆくなる。

●小水疱(しょうすいほう)型
 足の裏から側面にかけて小さな水ぶくれがたくさんできて、少しずつ広がっていく。水ぶくれの周りが赤くなると、かゆみがでることが多いが、かゆみがない場合も。

●角質増殖型
 水虫が足の裏全体に増殖したもの。足の裏全体に角質が分厚くなり、ざらざらして粉をふいたようになる。かゆみはほとんどなく、爪水虫を合併していることが多い。

 趾間型は小水疱型や角質増殖型に合併することがあります。そして、長期間水虫が続くと、白癬菌が爪の中に入って爪水虫になる危険性が高まります。爪水虫になると、爪が白く濁って分厚くなったり変形したり、ひどくなるとぼろぼろになってしまいます。見た目が悪いだけでなく、いつまでも爪のなかに白癬菌が残って水虫をくり返す原因にもなります。

症状が治まっても治療をつづけること

 趾間型と小水疱型はぬり薬で治療しますが、角質増殖型と爪水虫はぬり薬が効きにくく、飲み薬での治療となります。ここで大事なのは、症状が治まっても治療を続けること。白癬菌の住みかである皮膚の角質層が入れ替わるのに1カ月はかかるため、症状が治まっても1カ月は続けましょう。また、症状がない部分にも菌がいる可能性がありますから、ぬり薬なら、足の裏全体、指の間全部と広い範囲にぬることが必要です。

 白癬菌が活発なのは6月~8月。秋になって気温が下がると症状は一旦治まります。これで治ったと勘違いしてケアをやめてしまう人が多いのですが、症状が治まっても菌は生き残っていることが多く、来年の夏にまた再発してしまうことに。これが、水虫は治りにくいといわれる理由です。しつこい水虫の治療には、気長に取り組む「根気」が必要なのです。

   意外と多いのは、水虫と思い込んでいるだけで、実はまったく別の湿疹や皮膚炎というケース。この場合、いくら水虫の薬を使用しても治りません。治らないどころか悪化させてしまうこともありますから、必ず一度は皮膚科を受診し、検査をしてもらいましょう。

すぐに実践!水虫撃退法

 白癬菌の感染力はそれほど強いものではありません。皮膚についたとしても、角質層に入り込むにはかなり時間がかかりますから、その前に足を洗って白癬菌を洗い流してしまいましょう。水虫を予防・撃退するには、足の「清潔」と「乾燥」を保つこと。日頃から次のことを心がけ、しつこい水虫とおさらばしましょう。

●毎日足をていねいに洗う
 石けんで足の裏や指の間までしっかり洗う。ただし、白癬菌は傷口から入りこみやすいため、ごしごし洗って皮膚を傷つけないように。洗ったあとは水気をよくふきとって乾燥させ、お風呂上りにすぐ靴下をはいたりしない。

●バスマットやスリッパは清潔に
 まめに洗濯して十分に乾かす。できれば共有しない。プールや温泉に行ったあとは、すぐに足を洗い乾燥させる。

●靴をはく時間は短く
 靴の中は蒸れやすいため、家の中ではなるべく素足ですごし、オフィスでは靴を脱いでサンダルをはく。また、同じ靴を続けてはかず、1日はいた靴は十分乾燥させる。

●靴下は通気性のよいものを
 綿や毛など通気性のよいものを選び、よく乾燥させてからはく。

【監修】
渡辺晋一先生


帝京大学医学部皮膚科主任教授
1978年東京大学医学部医学科卒業後、同大学皮膚科入局。1979年同助手、1983年同医局長。1984年三楽病院皮膚科部長。1985年~88年米国ハーバード大学マサチューセッツ総合病院皮膚科リサーチ・フェロー。1988年帝京大学医学部皮膚科助教授、1994年同教授を経て1998年より現職、現在に至る。帝京大学医真菌研究センター教授を併任。専門は皮膚科一般、特にシミ・アザのレーザー治療。皮膚の真菌・細菌感染症。

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