女性に多い膀胱炎-再発しやすいのは何故? 注意したい9つの習慣

原因は女性の体の構造と生活習慣に!

排尿時の痛みや頻尿、尿のにごりが三大症状。抗生物質で治らない場合は間質性膀胱炎の疑いも

女性に多い膀胱炎

 膀胱(ぼうこう)炎は女性にたいへん多い病気で、特に10代後半から20~30代の女性によくみられます。再発をくり返す人も多く、「自分は膀胱炎になりやすい体質では」と悩んでいる方もいるかもしれません。
 膀胱炎にはいくつかのタイプがありますが、ここでは主に、一般的によく知られている、膀胱自体に異常はなく細菌感染が原因で起こる急性単純性膀胱炎(以下、膀胱炎)について解説します。

 膀胱炎は、大腸菌などの細菌が尿の出口から尿道を通って膀胱内に侵入し、その菌が繁殖して膀胱粘膜が炎症を起こしている状態をいいます。膀胱炎が男性に比べ圧倒的に女性に多いわけは、女性の体の構造にあります。女性は尿道口が肛門や膣(ちつ)に近いため細菌が尿道に侵入しやすく、尿道そのものも短いため、細菌が膀胱に達しやすく膀胱炎になりやすいのです。膀胱炎の原因となる細菌はほとんどが大腸菌ですが、近年急増している性感染症のクラミジアも、膀胱炎の原因になることがあります。

 膀胱炎の主な症状は次の3つです。
(1)排尿時の痛み。尿が出終わるころツーンとした痛みがある
(2)頻尿(ひんにょう)。すぐにトイレに行きたくなるが、尿は少ししか出ない
(3)尿がにごる。白くにごったり、血液が混ざることがある

 痛みまではいかないけれど、残尿感や不快感を感じる場合もあります。

思い当たる症状があったらすぐお医者さんへ

 違和感を感じたら、まず水分をできるだけ多くとって尿量を増やし、膀胱や尿道にとどまっている細菌を外へと流し出してしまうことが大切です。ごく軽いものなら、それだけで治ってしまうこともあります。

 思い当たる症状があったら、早めに受診するのが一番。膀胱炎は、抗生物質を1週間ほど飲み続ければ細菌が消え、治ってしまいます。出された薬は、指示された期間飲み続けることが肝心。症状がなくなっても細菌が残っていることが多く、そこで薬をやめてしまうと、再び症状がくり返されることになるからです。

 再発を繰り返す人は、治りきっていないうちに薬をやめてしまっているのかもしれません。または、膀胱炎になりやすい生活習慣が原因になっているのかも。なかには膀胱炎になりやすい体質の人もいるのですが、原因が生活習慣の中にあることも多いのです。

再発防止は日常生活を見直して

 膀胱には細菌に対する抵抗力がありますが、病気をしたときや、疲れやストレス、冷えなどで免疫力が低下すると、細菌に感染しやすくなります。また、水分が十分摂取できず尿量が減ると、尿で細菌を流し出す機会が少なくなるので注意しましょう。

 膀胱炎を予防し、再発を防ぐには、日ごろから尿道付近の清潔を心がけるとともに、生活習慣を見直すことが大切です。次のようなことに注意しましょう。

●ストレスや疲れをためない
●休養、睡眠をしっかりとる
●栄養バランスのよい食事を心がける
●体を冷やさないようにする
●水分摂取を十分に
●外陰部を清潔にする。排便後は「前から後ろへ」向かって拭く
●生理用ナプキンはこまめに換える
●性交渉は細菌感染のきっかけになりやすいため、その前後にカップルの双方がシャワーなどで清潔にする。また、性交渉後は早めに排尿するよう心がける
●便秘をすると便の中の大腸菌が増えるため、便秘しないよう食事と運動に気をつける

治療しても治らないときは間質性膀胱炎の疑いも

 膀胱炎には、細菌感染が原因ではない間質(かんしつ)性膀胱炎がありますが、原因はまだはっきりわかっていません。一般的な膀胱炎は、膀胱の表面の粘膜だけに炎症を起こしますが、間質性膀胱炎は、粘膜の奥の間質と呼ばれる層にまで炎症が達し、改善と悪化をくり返しながら徐々に進行していく病気です。

 症状は細菌性のものと区別しにくいため、一般的な膀胱炎と診断されたり、尿検査をしても細菌が検出されないので「異常はない」と言われたり、心因性とされることも多いようです。

 まだあまり知られていない病気ですので、次のような場合は、間質性膀胱炎に詳しい泌尿器科の専門医を受診して相談しましょう。

●2~3週間抗生物質を飲んでも症状が改善しない
●尿がたまると下腹部痛があり、出すと楽になる
●頻尿が寝ている間も続く
●病院で尿検査や膀胱内の診察を受けても異常なしとされ、つらい症状が続く

【監修】
福本由美子先生


健康保険組合連合会 大阪中央病院泌尿器科
1986年奈良県立医科大学卒業。同大附属病院、東大阪市立総合病院、湘南鎌倉総合病院、松原徳洲会病院の産婦人科勤務を経て、2004年から現職。産婦人科医としての知識と経験を生かして、女性のための泌尿器科診療に携わる。日本産科婦人科学会認定専門医、日本性科学会認定セックス・セラピスト、日本内視鏡外科学会技術認定医。共著に「女性泌尿器科外来へ行こう」(法研)、「30歳からのわがまま出産」(二見書房)。

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