風邪やインフルエンザに負けない体づくり-予防方法と生活習慣

寒さと乾燥でウイルスが活発になるため保温と保湿を心がけて

かぜをひきやすい人、ひきにくい人がいるのは免疫力の違い。免疫力を高める生活習慣とは?

かぜ、インフルエンザの違いは感染力と症状

 かぜ、そしてインフルエンザの流行シーズンがやってきました。何かと忙しいこの季節、できればどっちもかからずすませたいですね。

 かぜとインフルエンザが違うことはみなさんご存じと思いますが、ここでちょっと確認。どちらも「かぜ症候群」の仲間ですが、次のようにかなり違いがあります。

<か ぜ>
●原因:ウイルス、細菌など
●症状:くしゃみ、鼻汁、せき、のどの痛みなどが中心で、発熱、頭痛はあってもそれほどひどくならない
●感染経路:感染者の鼻水や唾液のついた物を触れた手などを介してうつる。くしゃみやせきを浴びることでうつる「飛沫(ひまつ)感染」も
●感染力:強くない

<インフルエンザ>
●原因:インフルエンザウイルス
●症状:のどの痛みやせきなどふつうのかぜと同じような症状とともに、38度以上の高熱、頭痛、関節痛、だるさなどの全身症状が急激に強く出る。抵抗力の弱い高齢者や小さな子どもでは気管支炎や肺炎、脳炎などを併発して重症化することも
●感染経路:「飛沫感染」が中心。感染者のせきやくしゃみで飛んだウイルスが空気中にただよい、それを吸い込むことでうつる
●感染力:強い

寒さと乾燥を防ぎ、鼻・のどの粘膜を守る

 このようにかぜとインフルエンザは原因、症状、感染経路などに違いがあるため、予防や対策も異なります。かぜの予防はていねいなうがいや石けんによる手洗いが効果的ですが、インフルエンザウイルスは感染力が強いため、予防接種以外の方法で感染を防ぐことは難しいとされています。予防接種をしたから絶対インフルエンザにかからないわけではありませんが、かかっても軽くすみますし、自分が感染源にならないためにも、受けておくのがよいでしょう。ワクチンが効きはじめるまでに2~3週間ほどかかるため、早めにすませたいものです。インフルエンザの流行中は、できれば込み合った電車や人込みを避けるのが賢明です。

 健康な人の場合、かぜをひいても温かくして安静と栄養を心がければ、医療機関を受診しなくても1週間ほどで治るでしょう。しかし症状がつらいときは、薬を飲んで症状を抑えたほうが体力を消耗しなくてすみます。インフルエンザにかかってしまった場合は早めに医師の診断を受け、抗インフルエンザ薬を処方してもらい、保温と安静、水分補給を心がけ、ほかの人にうつさないように配慮しましょう。

 かぜとインフルエンザが主に冬に流行するのはなぜでしょう? 冬の寒さと乾燥はウイルスを活発にさせるだけでなく、鼻やのどの粘膜の抵抗力を弱め、ウイルスに侵入されやすく、感染しやすくなるのです。部屋を暖かくして、加湿器などで湿度を保つことが大切です。うがいは、のどの粘膜をうるおし清潔にすることによって、抵抗力を保つ効果があります。また、室内のウイルスの濃度を高めないため、こまめに換気しましょう。

 マスクは、かぜ、インフルエンザともウイルスを通してしまうため、予防効果は期待できませんが、感染者がウイルスを含んだ鼻水やつばを飛ばさずにすみます。また、乾燥や冷気からのどや鼻の粘膜を守るのにも役立ちます。人にうつさないためにマスクをするのは大切なエチケットと言えます。

免疫力を高めてウイルスに負けない体を

 頻繁にかぜをひく人と、めったにひかない人がいます。また、同じ場所に同時にいたのに、インフルエンザにかかる人とかからない人、症状が重くなる人と軽くすむ人がいますが、両者を分けるのが免疫力の違い。ウイルスなどが侵入したとき、体の中ではこれを退治しようとする免疫機能が働きます。インフルエンザにかからない人というのは、免疫力が強い人なのです。

 免疫力を高めるためには、規則正しい生活をして、休養・睡眠を十分とること、バランスのよい食事、適度な運動などが大切です。また、喫煙やストレスは免疫力を低下させるため、禁煙し、ストレスをためないこと。寒い季節を元気で乗り切るために、普段から次のようなことに気をつけましょう。

体を冷やさない
 体温が下がると免疫細胞の活動が低下する。とくに首や手足は冷えやすいので、外出するときはマフラーや手袋を。厚着をすると、暖房のきいた電車の中などで汗をかいてかぜの原因に。必要以上の厚着はせず、汗をかいたらすぐに着替える。

十分な睡眠を
 過労や睡眠不足は体力を低下させ、免疫力を弱める。疲れをためないよう十分に睡眠・休養をとって、規則正しい生活を。

栄養バランスのよい食生活を
 バランスのよい食事で体力をつけ、体の免疫力を高めるビタミンC・E・B群や、粘膜を丈夫にするビタミンAなどをしっかりとりたい。緑黄色野菜や果物、青背の魚やレバーなどを積極的に。体を温めるしょうがや、疲れに効くたまねぎ、にんにくなども利用しよう。

【監修】
谷本普一先生


谷本内科クリニック院長
虎の門病院呼吸器科部長、東京慈恵会医科大学内科教授を経て、1993年谷本内科クリニックを開設、現在に至る。日本呼吸器学会、日本感染症学会、日本化学療法学会、日本結核病学会などに所属。呼吸器専門機関として、全国各地から呼吸器病に悩む人々が集まってきている。生活信条は「病める人に最良の医療を行いたい」。

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