外反母趾を改善するには? 自分に合う靴や中敷とは?

靴と中敷きの調整で解決することも多い

外反母趾が痛くて歩かなくなると、運動不足から生活習慣病にも。自分用の中敷きと靴を作って治療ができる

足のトラブルは全身に影響する

 体の全体重を支え、走ったり跳んだりするときには体重の何倍もの力がかかる足。しかも一日のうちの多くの時間を、靴という狭い空間に押し込んでいるのですから、それだけにいろいろなトラブルにも見舞われかねません。これらのトラブルは、足のみならず全身の健康にも少なからぬ影響を与えます。甘く見て、“足元をすくわれる”ことのないように気をつけましょう。

 足のトラブルでポピュラーなものといえば、まず「外反母趾(がいはんぼし)」があげられます。足の親指(母趾)の指先が小指側に曲がってしまう(外反)病気です。親指のつけ根の関節が横に飛び出して靴にあたり、痛みます。症状が進むと、骨の出っ張りが指の神経を圧迫して痛んだり、親指のつけ根の関節の脱臼や軟骨がすり減ることによる痛みなどもおこります。

 外反母趾が直接的に別の病気をもたらすことはありませんが、足の痛みのために出かけるのがおっくうになり、運動不足から生活習慣病につながってしまうことはあります。肥満、糖尿病、脂質異常症、心臓病、骨粗しょう症などの原因になることが指摘されています。

中高年女性の2人に1人は外反母趾!?

 患者の男女比は1対10と圧倒的に女性に多く、軽症も含めれば中高年女性のおよそ2人に1人は外反母趾であるといわれます。女性に多い理由は、先が細くかかとが高いハイヒールをはくために親指が曲がってしまうからだ、と考えられがちですが、そう単純なことでもないようです。

 足底には、縦と横のアーチがあります。このアーチによって足にかかる大きな負荷を軽減しています。縦のアーチが低くなると、土踏まずがなくなり、いわゆる扁平足になります。かかとが外側に傾き、立っているだけで親指は小指側に押されるため、外反母趾が進んでしまいます。横のアーチが低くなると、足の幅が広がる開張足(かいちょうそく)です。足裏の肉厚が薄くなって第2趾・第3趾のつけ根に体重がかかり、タコやウオノメができます。幅が広がってしまった足を先細の靴に押し込み続けていると、親指は圧迫され変形が進んでしまいます。

厚い中敷きを作って足裏のアーチを支える

 そこで、外反母趾の予防・治療には扁平足と開張足の治療から始めます。それには、かかとと足裏の縦・横のアーチをしっかりと支える靴の中敷きを使います。厚さ2cmほどはある中敷きをその人の足のアーチに合わせて作り、それが装着できる一定の深さのある靴も作ります。そして歩き方も専門医から指導を受けることで、手術をせずに外反母趾を改善することも可能です。

 外反母趾を予防するには、まず、自分の足に合った靴をはくことです。前述したハイヒールは、確かに外反母趾になりやすい靴です。前に体重がかかるために足裏の横のアーチがつぶれ、開張足を招きます。かかとが高いので不安定で足への負担も大きくなります。靴の文化が長いヨーロッパの人たちには当たり前のことのようですが、ハイヒールは必要なときだけはき、ふだんはかかとの低い靴をはきましょう。

 外反母趾の予防に役立つ足指の体操をご紹介しておきます。
●タオルつかみ いすに座り、床に置いたタオルを足指でつかんで拾う
●綱引き いすに座り、床のタオルを両足の指でつかんで引っ張り合う
●足じゃんけん グー、チョキ、パーを初めゆっくり、慣れたら少し速く

爪のトラブルも手術なしに治せる

 足のトラブルには爪の変形も多いものです。爪の角が周囲の皮膚に食い込み、炎症や痛みをもたらす「陥入爪(かんにゅうそう)」や、爪が横方向に巻いている「巻き爪」などです。

 陥入爪の主な原因は爪の切り方(深爪)や足に合わない靴など。陥入爪と巻き爪は一緒におこっていることが多く、皮膚に食い込んだ爪の角を切れば一時的には痛みが軽くなりますが、爪が伸びてくるとさらに深く食い込んできます。治療法は爪の幅を狭くする手術が一般的には行われますが、矯正具を使った爪矯正という方法だと、手術をせず、元の爪の幅のまま治療することができます。

 外反母趾や爪の変形など足のトラブルを専門的に診療する、「フットケア外来」といった名称の専門外来があります。主には整形外科や皮膚科などに設置されますが、糖尿病の合併症としても足の皮膚にさまざまな病気があらわれることから、糖尿病の診療科でフットケアを行う医療機関もあります。

【監修】
町田 英一先生


高田馬場病院整形外科
1953年東京生まれ。79年日本大学医学部卒業、83年日本大学大学院整形外科学専攻修了、医学博士。87年スウェーデン・ウメオ大学留学、88年ロンドン大学留学。93年日本大学医学部整形外科講師。日本整形外科学会専門医、日本足の外科学会幹事、日本靴医学会理事。主な研究テーマは、外反母趾の手術治療、陥入爪・巻き爪に対する矯正治療、足底挿板など。現在は新所沢清和病院・麻布整形外科クリニック兼務、日本大学板橋病院「足の外科専門外来」も担当している。
http://dr-machida.com

コラムに関連する病名が検索できます。

この記事を見ているひとはこんな記事も見ています

歩くとツライ! 外反母趾の対処法-靴の選び方や治療法など

そんな方は、外反母趾を疑ってみるといいでしょう。外反母趾は、足の親ゆびが小指の方に曲がる(外反する)病気です。親ゆびのつけ根の関節が飛び出して靴に当たり、痛みが生じます。はじめのうちは、靴を脱げば痛みが治まりますが、そのうち歩くだけでも曲... 続きを読む

靴を脱いだらクサッ!あなたの足の臭いは大丈夫?【防臭対策編】

みなさんこんにちは!ネイリストのNUMAです。サンダルなど解放的なものにくらべ密閉されるブーツやパンプスを脱ぐとき、自分の足の臭いが気になった、という経験はありませんか?
周囲の人に「くさい」と思われないように、前回の足の臭いとフットケ... 続きを読む

外反拇趾、内反小指の原因とは? マッサージや筋トレで予防

外反拇趾や内反小指は中学生から高齢者まで幅広い年齢層に発生しています。一般的に女性に多い症状ですが、男性にも見られます。外反拇趾と内反小指は同じメカニズムで発生します。大きく分けて外的要因と内的要因があり、外的要因は靴などの環境からの影響... 続きを読む

捨てる?捨てない?服・靴・アクセサリーの捨て方のコツ

忘年会やクリスマスなどのイベントに追われて、年末の大掃除を忘れてはいませんか?なかでも、女性が大変なのは、服・靴・アクセサリー類の整理。ファストファッションが好きな方なら、着ていないけれど持っている洋服がたくさんあるのでは?もちろんアク... 続きを読む

生活習慣病、痛風・高尿酸血症‐健康的な生活とは?

ある日突然、足の親指のつけ根の関節がギリギリと激しく痛み出し、赤く腫(は)れて歩けなくなるほどの痛みです。この症状が「風に吹かれても痛い」と形容される痛風です。かつては、美食を楽しめる富裕層に多いことから“ぜいたく病”などと言われたことも... 続きを読む

おしゃれの大敵!「靴擦れ」を防いで美しく歩く~靴選び編~

Aloha~
ウォーキングプロデューサーOK和男です♪「就職して新しい靴を購入したのはいいが、素材がかたくて足に当たる」「冠婚葬祭に履いていくフォーマル用の靴は、痛みを我慢するものだ」「おしゃれとは、痛い&我慢なんだ」そんなふうに諦めて... 続きを読む

ここまで進化! 靴ひものストレス解消グッズ

靴ひもを結ぶのに時間がかかる、歩いているうちに何度もほどける……。そんなことがあると、歩きやすいはずのスニーカーも一気にストレスに。そこでウォーキングの秋におすすめなのが、靴ひものわずらわしさをゼロにするアイデアグッズ。実は今、ひそかに売れ... 続きを読む

ペタンコ靴で脚がむくむ?それ、足裏バランスの乱れが原因かも

脚のむくみに悩んでいる女性は多いのではないでしょうか。もしかしたらそれは、足裏バランスが乱れているせいかもしれません。「足裏バランスって?」と聞きなれない言葉に戸惑いますが、ペタンコ靴ばかり履いていると足裏バランスが乱れてしまうかもしれ... 続きを読む

正面顔のポイントは最大幅と隙間

~ビューティー・ルネッサンスを迎えるために~ザビエル鈴木のやせて魅せるワザ 自分の角度を見つけよう
いよいよリゾートシーズン真っ盛りです。春先からのダイエットはいかがですか?
目標は達成できましたか?... 続きを読む

ハイヒールを味方につけて筋肉を鍛えるコツ

みなさんこんにちは。トータルボディビューティーアドバイザーのKAORIです。ハイヒールって女性らしくてかわいいですよね。そして、ハイヒールを履いて鏡の前に立つと、足が長く美脚に見えて嬉しくなっちゃうと思います。しかし、一日中ハイヒールを... 続きを読む