花粉症は早期対策で予防を-こんな症状は花粉症|6つの予防のコツ

花粉飛散開始と同時か早めのケアで症状を軽く

症状は、治療だけでは抑えにくい。セルフケアも重要なカギを握る。

症状が期間限定、数カ月続く、目のかゆみは花粉症の可能性大

 年が明け、お正月の華やいだ雰囲気とは反対に、だんだん気が滅入っていくというのは花粉症の人たちでしょう。花粉症は、体の免疫機能がスギ花粉などを異物とみなしておこるアレルギー症状です。残念ながら、一度発症すると、自然にはなかなか治りません。そのため、つらい花粉症シーズンを目前に控え、暗い気持ちになる人が少なくないのです。

 そういう人たちを目にしながら、「私は花粉症ではないから…」と落ちついている人たちも、油断は禁物です。実は、今まで花粉症にはなっていない人の中にも、潜在的に花粉症になる可能性のある人が多いとみられているのです。「スギ花粉に対する抗体を持っていても、症状が出ていないだけ。いつ発症しても不思議ではない」というわけです。

 では、どういう場合が花粉症なのでしょうか。花粉症にみられるくしゃみ、鼻水、鼻づまりという症状は、かぜにもみられる典型的な症状です。花粉症とかぜの最も大きな違いは、発症の時期や期間です。スギ花粉症は、毎年春先がシーズンで、原因となる花粉が飛んでいる数カ月限定です。これに対して、かぜは、季節に関係なく一年中いつでもかかることがありますが、長引いても2週間程度で、花粉症のように数カ月もずるずると症状が続くことは通常ありません。
 また、花粉症では「目のかゆみ」が高頻度におこりますが、かぜではまれです。さらに、発熱があるかどうかも見分けるポイントになります。一般的に花粉症では、熱が出ても37度程度の微熱ですが、かぜでは高熱になることもあります。

 ただし、両方同時にかかることもあり得ます。かぜをひくと鼻やのどの粘膜に炎症がおこり、花粉症の症状をさらに悪化させるため、かからないようにうがい・手洗いなどで予防を心掛けることも大切です。

 また、花粉症の症状なのに「かぜをひいた」と思いこんで市販のかぜ薬を服用し続ける場合が見受けられますが、かぜ薬には多種類の成分が含まれており、長期の使用は好ましくありません。点鼻薬の過度の使用も逆に症状を悪化させる場合があります。自己判断での市販薬の乱用は避けましょう。

花粉情報をチェック、症状が強い場合は耳鼻咽喉科などを受診して

 スギ・ヒノキ花粉の飛散量は、前年夏の気温が高く雨が少ないほど多くなります。昨年夏は猛暑で平年より雨も少なかったことなどから、日本気象協会では、2009年春のスギ・ヒノキ花粉の飛散量は、北日本では例年(過去10年の平均)より少なく、南関東以西では多めと予測しています。また、花粉が飛び始める時期は、全国的に例年より早めと予測されています。

 花粉の飛散情報は、テレビの天気予報のほか、インターネットなどでも見ることができます。自分の住んでいる地域では、いつごろから花粉が飛び始めるのか、飛散量はどの程度なのか、最新の花粉情報をキャッチして、不要の外出を控えるなどの対策を。


花粉飛散情報が見られる主なサイト


●goo花粉症対策特集 http://kafun.taiki.go.jp/
●環境省花粉観測システム「はなこさん」 http://kafun.taiki.go.jp/
●「慈恵医大耳鼻科の花粉症のページ」 http://www.tky.3web.ne.jp/~imaitoru/
●NPO花粉情報協会(花粉いんふぉ) http://www.pollen-net.com/
 

 スギ花粉は、2月半ばごろには多くの地域で飛散が観測されますが、治療薬の内服は花粉飛散開始とともに、あるいは飛散開始前でも症状が出始めたら直ちに開始したいものです。くしゃみ、鼻水、鼻づまりなどの症状が重症化するのを防ぐ効果があるとされています。悪化してからでは、症状のコントロールがより難しくなります。花粉症対策は先手必勝です。毎年症状が強く出る人は、耳鼻咽喉科やアレルギー科を受診して治療を受けるとよいでしょう。

吸い込む花粉を減らすマスク、手洗い、うがい

 花粉症の症状を抑える薬を使っていても、完全に抑えることはなかなか難しい場合があります。薬の効果を最大限に発揮し、つらい季節をできるだけ楽に乗り切るには、セルフケアをしっかりすることが大切です。

 セルフケアの基本は、花粉を吸い込まない、寄せつけないことです。
(1)外出時はマスク、眼鏡、帽子を着用する。マスクはさまざまなタイプが出ているが、鼻の横に隙間ができず、シャットアウト効果が高いものがよい。
(2)上着は花粉が付きにくく、落ちやすい素材(表面が毛羽立たないサラッとしたもの)にする。帰宅したら、上着や髪の花粉を払い落としてから玄関へ。
(3)外出から帰ったら手洗い、うがい、洗顔で花粉を洗い流す。
(4)部屋の換気は早朝に行い、昼間はなるべく窓を開けない。
(5)洗濯物や布団はできれば室内に干す。外に干すなら、洗濯物は軽くはたいて取り込み、布団はカバーをかけて花粉をブロックしたうえ、布団の表面に掃除機をかけて花粉を取り除く。
(6)規則正しい生活をして、疲れやストレスをためない。

 このように、花粉症対策は、治療とセルフケアの両輪で行うことが大切です。

【監修】
野原 修先生


野原耳鼻咽喉科医院院長
東京慈恵会医科大学卒業。同大学附属病院、同愛記念病院勤務を経て、現在に至る。日本耳鼻咽喉科学会専門医、日本アレルギー学会専門医。

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