口臭の原因になるドライマウスが若者に増えている-症状や予防法

唾液が減って口の中が乾く。口臭やむし歯・歯周病の原因にも

原因となる病気を治療するとともに、唾液の分泌を促す工夫も必要

こんな症状があったら専門外来へ

 口の中が乾く、ネバネバする、舌がヒリヒリする、唾液が出ない、食べ物が飲み込みにくい、舌がもつれて話しづらい、口臭が気になる、食べ物の味がよくわからない、急にむし歯が増えたといった症状はありませんか?

 このような症状は「ドライマウス」によるものかもしれません。ドライマウスとは、唾液の分泌量が減ることによって、口の中が乾いてしまう状態です。
 以前は、50~70歳代の女性がドライマウス外来の患者さんの9割を占めていましたが、最近は口臭で悩む方の中から、30~40歳代の若い患者さんが増えています。

 唾液は、主に耳下(じか)腺、顎下(がっか)腺、舌下(ぜっか)腺などの大唾液腺から分泌され、成人では1日に約1.5リットルの唾液が分泌されます。 唾液は、食物の消化にかかわるほか、抗菌作用、自浄作用、粘膜や歯の保護といった作用も担っています。そのため、唾液量が少なくなることにより、さまざまな不快症状が現れます。

 上記の症状がみられる場合は、ドライマウスの専門外来を受診しましょう。

加齢のほか薬の副作用やストレスが原因のことも

 唾液の分泌量が低下する原因には、まず加齢があげられます。加齢とともに、唾液を分泌する機能も衰えてくるのです。また、中高年の女性にドライマウスが多いことから、自律神経のバランスや女性ホルモンの減少が影響していることも考えられます。
 また、ストレスや降圧剤、抗アレルギー剤、向精神薬、抗がん剤などの副作用にも口渇があげられています。

 このほか、シェーグレン症候群という自己免疫疾患などの内科的な病気が背景になっていることもあります。この病気は膠原(こうげん)病の一つで、自分の免疫細胞の攻撃によって唾液腺や涙(るい)腺がダメージを受けます。そのため、唾液や涙の分泌量が減少して口が乾くドライマウスや眼が乾くドライアイという症状が特徴です。

 いずれにしても、ドライマウスの背景に、何か病気が隠れていないかどうか、専門外来で必要な検査を受けることが大切です。

唾液を増やすためによくかむ、あごを動かす、リラックスする

 一般的なドライマウスの治療は、口の中を潤して症状を緩和する対症療法が中心になります。ドライマウス専用の保湿剤(ジェルタイプ、リキッドタイプ、スプレータイプ)や洗口液(アルコールを含まないもの)、発泡剤を含まない歯磨き粉などのケア用品を、患者さんの口の状態に合わせて使用してもらいます。

 日常生活の工夫には、唾液腺を刺激して唾液を増やすことを心がけます。食事のときはよくかんで食べるようにしましょう。できるだけストレスをためないように、気分転換を図り、リラックスすることも、唾液の分泌を促します。

 ドライマウスになると、むし歯や歯周病になりやすく、口臭も発生します。口臭は対人関係にも影響を及ぼします。ドライマウスの原因が何なのか明らかにし、その原因を取り除くとともに、口臭などの気になる症状を改善していくことも必要です。

 薬の副作用が考えられる場合は、薬の量や種類を変更するなど主治医と相談するとよいでしょう。ただし、常用されている薬は病気の治療には不可欠なものです。精神安定剤が必要な方は、充分な睡眠をとって体調を整えることが、唾液の分泌にとっても大切です。
 ドライマウスは加齢やストレスなど複合的に起こることも多いため、副作用に対し神経質にならないようにしましょう。むしろ規則正しい日常生活を過ごすことや、ドライマウス専用の保湿剤を併用し、ドライマウスケアを行うことで、症状はかなり改善していきます。

 口臭やむし歯、歯周病を防ぐため、歯みがきはしっかり行いましょう。とくに就寝前は時間をかけてていねいに。また、定期的に歯科医にかかり、むし歯や歯周病のチェックをしてもらうことも大切です。

(編集・制作 (株)法研)

【監修】
志村 真理子先生


志村デンタルクリニック副院長
NTT東日本関東病院歯科口腔外科 ドライマウス外来担当
1988年昭和大学歯学部卒業後、昭和大学歯学部歯内療法学教室入局。95年志村デンタルクリニック副院長、98年NTT東日本関東病院歯科口腔外科、2003年志村デンタルクリニックドライマウス女性専門外来開設。「性と健康を考える女性専門家の会」「女性医療ネットワーク」にて女性のための医療活動に参加。また、NTT東日本関東病院では ドライマウス対策プロジェクトリーダーとして介護・看護における口腔ケアの推進、抗がん剤や放射線治療などのがん治療を受ける患者さんの口腔ケアを行っている。

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