うつ病になる前に-不安や悩みを打ち明ける相手に誰を選ぶ?

多くの人に不安や悩み、ストレス。心の不調を抱える人も

不安や悩み、ストレスはうつ病のもと。心、体、行動のちょっとした変化を見逃さず、早めの対処に結びつけて

職場で日常で、多くの人が不安や悩み、ストレスを感じている

 ストレス社会と言われる現代、ストレスが原因となって起こる心の不調は誰にでも起こり得ます。公的な調査結果から、職場でも日常生活でも、多くの人が不安や悩み、ストレスを感じながら暮らし、心の不調を抱える人が少なくないことが明らかになっています。

 『平成23年国民健康・栄養調査』(厚生労働省)の結果によると、全国の成人約7000人に行った「日常生活のなかで悩みや不安を感じているか」との質問に対し、「特にない」と答えた人は男性23%、女性15%にとどまりました。
 悩みや不安の理由としては、「自分や家族の健康」「収入や将来の生活設計」「仕事」などを挙げる人が上位を占めました。男女・年齢層別にみると、悩みや不安の理由として最も多かったのは、30~50歳代の男性では「仕事」、20歳代の男女と30~40歳代の女性では「収入や将来の生活設計」、50歳代の女性と60歳以上の男女では「自分の健康」でした。

 また、同じく厚生労働省が行った『平成23年労働安全衛生特別調査(労働災害防止対策等重点調査)』によると、全国の事業所で働く人約1万8000人(派遣労働者を含む)のうち、過去1年間に自分の仕事や職業生活に関することで強い不安や悩み、ストレスを「感じる事柄がある」と答えた人は約32%に上ります。男女差は特にありませんでしたが、年齢層別では、30歳代が38%とやや多めでした。

 この強い不安などを「感じる事柄がある」と答えた人に、誰かに相談したいかどうかを尋ねたところ、「相談したい」という人が78%を占めました。一般的に、女性は「おしゃべり」を含め、人とよく話すことがストレス解消につながっているのに対して、男性は誰にも相談せず、話しもせず、1人で抱え込みがちといわれます。この調査でも、「相談したい」という女性は83%だったのに対し、男性は74%と少なめでした。
 さらに、相談したい相手を尋ねたところ、事業所外の相談機関(16%)や事業所内の相談窓口(10%)、事業所外の医療機関(9%)などを大きく引き離し、64%の人が「その他(家族・同僚など)」と答えました。やはり、まず頼りにするのは「身近な人」という結果でした。

心、体、行動の変化を見逃さず、予防や早めの対処に結びつける

 『平成23年労働安全衛生特別調査』では、事業所に対してもメンタルヘルスに関する調査を行っており、その結果約1万3000の事業所のうち14%が「メンタルヘルス不調を抱えた労働者がいる」と答えています。すなわち7社に1社にはメンタルヘルス不調者がいるということです。
 同調査での「メンタルヘルス不調を抱えた労働者」とは、メンタルヘルス不調により、心や体、行動について、以下に挙げるいずれかの変化が認められる人、またはそうした兆候がうかがわれる人のことです。

●心の変化:気分の落ち込み、イライラ、無気力、考えがまとまらないなど
●体の変化:慢性的な疲労感、頭痛、睡眠の過不足など
●行動の変化:酒・たばこの増加、ミスの増加、集中できない、積極性がなくなる、怒りっぽくなるなど

 上記の心や体、行動の変化は、心の不調、さらにはうつ病のセルフチェックにも活用できます。これらのうちいずれかの変化が1週間以上も続く場合は、周囲の人や専門家(精神科医、カウンセラーなど)に相談したり、趣味やスポーツでリフレッシュを図ってみましょう。
 これらの変化のなかでも、体や行動の変化は自分でもわかりやすいため、これを見逃さないことが重要です。なかでも「不眠」のチェックは大切です。事業所で働く人の場合、眠れないために朝起きづらくなり、積極性の減退も加わって、「遅刻」が増えやすくなるといわれています。

 悩みや不安、ストレスの原因になりやすい事柄や、その結果起こりやすい心の不調のさまざまな症状を知っておき、自分や家族、職場の同僚など身近な人の変化を見逃さず、予防や早めの対処(相談、ストレス解消など)に結びつけましょう。

(編集・制作 (株)法研)

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