子どもがかかりやすい夏風邪の予防と対処法-腹痛や下痢に注意

腹痛や下痢を伴って長引くこともあり、軽く見るのは禁物

汗をかいたり下痢をして脱水状態にならないよう注意が必要。自己判断で下痢止めを使うと回復が遅れることも

「夏かぜ」は胃腸症状を伴い長引くことも

 「かぜ」というと冬にかかるものというイメージがありませんか? 冬のあいさつ代わりの「かぜをひかないよう気をつけて」も、暖かくなるとほとんど使いませんね。
 実際には、かぜは1年を通してみられます。夏にかぜをひくことも珍しくなく、冬にひくかぜに対して「夏かぜ」と呼んだりします。

 かぜのほとんどはウイルスの感染が原因で起こります。かぜを起こすウイルスにはさまざまな種類がありますが、夏かぜの原因となる代表的なウイルスがエンテロウイルスやアデノウイルスで、さまざまなタイプがあります。
 夏かぜは発熱やのどの痛みに加えて、腹痛や下痢などの症状を伴うことも多く、症状が長引くこともあるので軽くみるのは禁物です。

子どもがかかりやすい夏かぜ

 特に子どもがかかりやすい夏かぜに、ヘルパンギーナ、手足口病、咽頭結膜熱(いんとうけつまくねつ)(プール熱)があります。大人も子どもの看病などを通じて感染することがあり、大人がかかると子どもより重症化することもあるので注意が必要です。

●ヘルパンギーナ
 エンテロウイルスによる感染症で、4歳以下の子どもが多くかかる。急な高熱とのどの痛みで始まり、口の中やのどの奥に赤い水疱(すいほう:水ぶくれ)ができて痛む。

●手足口病
 エンテロウイルスによる感染症で、4歳以下の子どもが多くかかる。手足やお尻、口の中に赤い小さな水疱ができる。発熱や食欲低下を伴うことも。

●咽頭結膜熱(プール熱)
 アデノウイルスによる感染症で、小学生以下の子どもが多くかかる。急な高熱で発症し、食欲不振、のどの痛み、目の充血や涙目など結膜炎の症状が出る。鼻水やせき、腹痛や下痢などの症状が出ることも。プールで感染することが多いが、プール以外でも感染する。

 これらの病気に特効薬やワクチンはありませんが、多くの場合軽い症状ですみます。しかし、まれに髄膜炎や脳炎、肺炎などを起こして重症化することがあるため、高熱や頭痛、おう吐がみられたり、ぐったりしているときなどは早めの受診が必要です。

下痢止めを使うと症状が長引くことも

 夏にかぜをひいたとき、注意しなくてはいけないのは脱水です。暑くて汗をかくところへ発熱が加わったり、のどの痛みや口内炎、腹痛で食欲が落ちたり、下痢をしたりして脱水症状を起こすこともあるので、こまめな水分補給が大切です。

 また、下痢を止めようと自己判断で市販薬などを飲むのは止めたほうがよさそうです。夏かぜの下痢はウイルスを排出しようとする症状でもあるので、無理に止めてしまうとウイルスが排出されなくなって回復が遅れることも。下痢が長引くときは受診しましょう。

 胃腸症状があるときは消化が良く脂肪分の少ない食事をとり、ゆっくり休養を。暑いと体力を消耗するので、クーラーも利用して快適な室温にし、寝るときはおなかを冷やさないように気をつけましょう。

家族がかかったときはタオルの共用を避ける

 夏かぜはせきやくしゃみのほか、目やに、便などを介しても感染し、ウイルスがついたタオルからうつることも多いといわれます。
 家族がかぜをひいたときはタオルの共用は避け、手洗いとうがいをしっかり行いましょう。特にトイレの後やかぜをひいたお子さんのおむつを替えたときには石けんによる手洗いを。

 夏は暑い屋外と冷房の効いた屋内の気温差で疲れたり、暑さで食欲不振や睡眠不足になりがち。そんな状態が続けば、免疫力が低下してかぜをひきやすくなります。
 免疫力を低下させないためには、十分な栄養と睡眠をとり、暑いさなかに無理をしたり、クーラーで体を冷やし過ぎるのは避けましょう。十分な睡眠時間が確保できないときには、お昼寝で補うのも効果的です。

(編集・制作 (株)法研)

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