パニック障害の症状と治療法-動悸や息苦しさ不安を感じたら

一般的にあまり知られていない「パニック障害」について

 

こんな症状に思い当たることはありませんか

 突然、心臓がドキドキしてきて、息苦しくなってきた。ふらつきも感じるし、不安でたまらない。これはいったいなんだろう・・・
 動悸、息苦しさ、冷や汗、ほてり、手足の震え・痺れ、吐き気、めまい、ふらつきなどのうち幾つかが同時に襲ってくる。
 今にもどうにかなってしまうのではないか、気が狂うのではないか、気を失って倒れてしまうのではないか、死んでしまうのではないかという恐怖感を感じる。
 これが、「パニック発作」の典型例。発作の持続時間や発作が起きる頻度・場所、現れる症状には個人差があります。

あまり知られていない病気

 ずっと以前には「不安神経症」と呼ばれることもあったパニック障害は、100人に約1~3人の割合で発症すると言われます。この病名が一般にあまり知られていないために、周囲に理解されにくいという難点があります。
 発作が起きて救急車で病院に搬送された頃には、すっかり症状がおさまって「異常なし」ということもありますし、誰かに相談しても「気のせいだよ」とか「やる気の問題だね」などと相手にされないことも。
 このようなことから、親しい人にも打ち明けられず独りで悩んでいたり、病気(パニック障害)と気付かず、治療が遅れてしまうことも多いのです。

発作のほかにもこんな症状が

 パニック障害の中心症状はパニック発作ですが、「また発作が起きたらどうしよう」と不安な日々を送り(予期不安)、逃げ場のない場所や身体を拘束される環境、人が大勢いる場所や、逆に独りでいることに恐怖感や不快感を持つようになること(広場恐怖)があり、外出や電車などの乗り物、歯医者や美容室などが苦手になる方も少なくありません。
 症状が続くと、くよくよしたり、イライラしたり、やる気がなくなって、何も手につかないということにもなりかねません。このような「うつ状態」に陥ることもありますし、病気の経過とともに、激しい発作は軽減していっても、不快な自律神経失調症状として長く引きずっていくこともあります。

パニック障害の治療(薬物&行動&サポーター)

 今日では、パニック障害は「脳の機能障害」として捉えられ、脳内の神経伝達物質(セロトニン)との関係などが解明されていたり、適切な薬の服用などにより、発作や不快な諸症状を抑えることができることもわかってきました。治療には、従来から「抗うつ薬」や「抗不安薬」などが用いられていますが、より副作用が出にくく、効果の高い薬剤もどんどん開発され、これらの薬を服用することで、大幅に症状が改善された方も大勢います。
 しかし、薬との相性(種類や分量、副作用など)は人それぞれ。自分勝手な判断で用法や分量を変えたり、服用を中断したり、決められた分量を超える量を一度に飲んでしまったりしては、治らないだけでなく、危険な状態になることも予想されます。医師や薬剤師から十分に説明を受け、きちんと服用を続ければ、これらの薬は安全で、とても高い効果が期待できます。
 一方、発作が軽くなったり、起きなくなってくることで不安感が薄れ、自然に外出や乗物への恐怖を乗り越えられることもありますが、ゆっくりとしたペースで苦手度の低いものから挑戦する「行動療法(障害を克服するため、少しずつ行動し、成功体験を積む療法)」に取り組むことも効果的です。パニック障害は、適切な治療にしっかり、じっくり取り組み、日々の生活の中でも過度の疲労やストレスを溜めないよう心がけていくことで、必ず発作や症状が軽減し、かなりの割合の方が治っていきます。

 でも、独りで悩んだり、間違った知識や認識に惑わされていたりしては、治癒も困難となります。なるべく早い機会に専門医を受診しましょう。医師や薬剤師と十分に相談しながら、じっくり取り組んでいく心構えが大切です。また、必要に応じて、ご自身の状態を周囲よく説明し、自ら積極的に理解を求めることも大きな助けとなることでしょう。

 なんだかヘンだ、体調がおかしい・・・クリニックに行くのは敷居が高いと感じる方もいるでしょう。そんなときには、まずはご相談されてみてはいかがですか。

【執筆】
産業カウンセラー 高栖 円カウンセラー


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