ストレスと向き合い対処する、『ストレスコーピング』とは?

ストレスとうまく付き合えていますか?

 

働く人々にとって、よりよい仕事をすることは永遠のテーマ。しかし、よりよい仕事をしていく過程には、様々な問題も多いことでしょう。量も質も高度なスキルを求められてくる仕事、上司や部下との人間関係をはじめ、職場をとりまく様々な環境の変化、職場はまさにストレスとの戦いの場・・・。ではそのストレスにどうやって対処していくのか、最近よく耳にする『ストレスコーピング』を取り上げて説明していきたいと思います。

ストレスコーピングとは

ストレスという言葉はすっかり定着した言葉ですが、一般的には、精神的な緊張や負担を指しています。ストレス状態が長く続くと、身体的にも精神的にも大きな負担となりますが、全くストレスのない状態はかえって大きなストレスになります。ましてやストレスが増えることはあっても、減ることはないのではないでしょうか。そこで、これらのストレスとうまく付き合うことが重要になってきます。うまく付き合うために、ストレスをどのように受け止め、どのように行動するかを考えなければなりません。これを「ストレスコーピング」といいます。つまり「ストレスコーピング」はストレスへの対処行動というわけです。

日々向上していく「ストレスコーピング」

「ストレスコーピング」のあり方は、ひとつに決まっているわけではありません。様々な経験を積み、年を重ねる毎に向上していきますが、個人差があるといわれています。なぜならストレスコーピングは、人それぞれいろいろな方法を用いているからです。

では、そのいろいろな方法とはどういう方法があるのでしょうか。ストレスの対処法には下記のようなものが挙げられます。

1.刺激に対するコーピング
2.評価に対するコーピング
3.反応に対するコーピング
4.社会的支援というコーピング

それでは、1~4の内容を詳しく見ていきましょう。

1.刺激に対するコーピング
ストレス発生の根源である刺激(ストレッサー)を明確にし、除去・軽減を図るための方法
A:自力で克服する
B:相手に働きかける
C:回避する・逃げる

2.評価に対するコーピング
非合理思考を合理的な思考に置き換え、ストレスを生まないようにする方法
A:「過度の一般化」を合理思考に変える
B:「読心」を合理思考に変える
C:「べき思考」を合理思考に変える

3.反応に対するコーピング
顕在化したストレス反応に対処していくための方法
A:リラクセーション
B:ストレッチ
C:自律訓練法

4.社会的支援というコーピング
他人の力を借りてストレスに対処していくための支援
A:刺激を除去・軽減するための社会的支援
B:評価を変えるための社会的支援
C:ストレス反応と社会的支援

つまり、コーピングスタイルは複数あり、その場面によって違った対処法を活用していくことが重要というわけです。では、実際それらの手法をどう使っていくのかについて、事例をもとに説明していきましょう。

■CASE■
最近仕事が多忙なAさん。原因は上司のB課長が大変な仕事ばかりを自分にやらせるためだと思っています。今日もまた、B課長から新しい仕事を命じられ、一旦は「分かりました」と答えたものの、時間が経つにつれ、次第に怒りを抑えがたくなってきています。

■効果的な進め方のモデル■
1.反応に対するコーピング・・怒りを鎮める
まずは、どんな状況にあろうと感情的になるのではなく、冷静になることが重要です。

2.状況分析し、対処の方向性を考える
コーピングスタイルである、
・刺激に対するコーピング
・評価に対するコーピング
・反応に対するコーピング
・社会的支援というコーピング
のうち、どのコーピングの有効性が高いかを考えていきます。

3.実際のコーピング
a.まず「刺激に対するコーピング」である刺激の除去・軽減を考える
例:仕事を軽減してもらうようB課長に願い出る、余裕をもった期日設定を申し出る等

b.「評価に対するコーピング」を考える

例:「自分だけが忙しい」という思考から「周囲も忙しいのだ」と考える
※実際のコーピングに行き詰まったときは「社会的支援というコーピング」を受ける
例:先輩や同僚に相談する、更に上の上司に相談する

この進め方のモデルですべてがうまくいくというわけではないと思いますが、実際の職場で仕事をする上での『ヒント』になるのではないでしょうか。常にストレスにさらされた環境である職場の中でいかに対処していくか・・その一つの対処行動としてのストレスコーピングを是非活用してみて下さい。

<参考資料>
ストレスに負けない技術
コーピングで仕事も人生もうまくいく!田中ウルヴェ京/奈良雅弘

【執筆】
ピースマインド・イープ


■ピースマインド・イープ株式会社
高度な専門性を活かしたメンタルヘルス関連サービスを提供。日本最大級のオンラインによる心理カウンセリングサービスを提供するほか、オフラインでも直営カウンセリングルームを全国展開し、数多くの方々のメンタルケアを支援しています。人間関係、仕事・キャリア、家族・夫婦、育児・教育など、誰しもが抱える悩みやストレスについて、専任のカウンセラー(臨床心理士・精神保健福祉士等)がお応えします。

・カウンセリングとは
//health.goo.ne.jp/mental/read/index.html
・健康用語
//health.goo.ne.jp/mental/yougo/index.html

その他のメンタルヘルスコラム

この記事を見ているひとはこんな記事も見ています

上手な自己主張の方法とは-DESC法を身につけよう

対人関係で相手に何らかの問題があり、その問題を改善してほしいとき、皆さんは、ご自身の主張をどのように伝えますか?まず、相手の非を指摘し改善させるという方法が考えられます。この方法ですと、問題は解決するかもしれませんが、相手との間がギクシャ... 続きを読む

他人に振り回されない人になろう-セルフリーダーシップの取り方

毎回、面倒な仕事を振ってくる上司に対して、イライラ・・・ 友人の愚痴に付き合わされて、イライラ・・・ 親から小言を言われて、イライラ・・・など 自分のペースで過ごしたいのに日常生活の中では、なかなか思うようにいかないことが多いですよね。お... 続きを読む

不妊治療の3つの壁-ストレスをためない治療の進め方のポイント

不妊治療は、精神的にも体力的にも負担がかかります。夫婦で協力しあうことが必要不可欠なのですが、考え方の温度差からイライラが募る場合も。離婚ということになる前に、解決する方法を見つけましょう。 不妊治療でケンカになりやすい3項目 女性は... 続きを読む

「認知的不協和」とは? 人は自分の選択が正しいと思いたい

認知的不協和理論とは、ビジネス界ではマーケティングの分野においても注目、活用されている人間心理の法則で、アメリカの心理学者であるレオン・フェスティンガーが提唱した、社会心理学用語です。
主な定義としては、以下の通りです。・認知に不協和が存在... 続きを読む

肥満の原因は社会的つながり!?【イケメン脳神経外科医が語る健美ライフのすすめ】

新米に秋刀魚、栗やサツマイモやカボチャ、ブドウ、柿、梨……挙げればキリがないほど、美味しい食材が勢ぞろいする秋。暑さで食が細る夏とうってかわって、ついつい食べすぎて体重が増えやすい季節でもあります。肥満を遠ざけ、健康的な身体を維持するた... 続きを読む

ストレスを生みやすい考え方のパターンがある? 認知のゆがみとは

ものごとに対する見方や受け止め方、考え方は人それぞれ違います。例えば、仕事で小さなミスをしてしまい、同僚や上司に注意を受けたとき、「このくらいのミスで良かった」と思う人と「こんなミスをしてしまうなんてすべて台無しだ」と思う人がいたとします... 続きを読む

自宅で出来る自力整体ダイエット

自力整体
自力整体ダイエットは整体院で先生から施術を受けるのではなく、ご自身で手で整体を行って痩せることを目指すダイエット方法です。
筋肉がこってくると血液やリンパの流れが悪くなり、老廃物が体内に溜まりやすくなり、それが結果的に太りや... 続きを読む

頑張り屋さんはストレスが溜まる-上手なストレス発散法とは?

ストレス反応は誰にでも起きる自然な反応であり、周囲の環境に適応しようとする生体の大切な機能であることは、このところよく知られるようになってきました。生きている限りいろいろな難問や課題はつきものであり、嫌なことは必ずあるということは誰もが実... 続きを読む

心理学用語『転移』-うまくいかない人間関係の原因は転移にある?

臨床心理学の用語に、『転移』という用語があります。この用語は、臨床心理学用語の中でも最も有名な用語のうちの1つと言っても良いほど、よく知られている用語です。
臨床心理学用語としての『転移』の意味は、「心理療法の過程で、クライエント(相談を... 続きを読む

ビジョンボードの作り方-新しい年に向けて夢や目標を視覚化する

早いもので、2008年も残すところあと僅かとなりました。街中はクリスマスツリーやイルミネーションで賑わいを増しています。年末へ向け、公私共にお忙しい時期を過ごされる方が多いのではないでしょうか。社会的には、凶悪事件の横行や自然災害、世界的な... 続きを読む