呼吸のコントロールが心身リラックスにつながる-呼吸法5ステップ

呼吸を眺める、自分を眺める

 

~こころ・からだ・呼吸~

私たちは、生まれてから今まで1秒も休むことなく呼吸を続けています。呼吸は、胃や腸といった臓器と同様、意識することなく繰り返される体の営みですので、改めて意識をされたことのある方は少ないかもしれません。しかし、臓器とは異なり、意図的にコントロールすることができる、数少ない体の働きのひとつでもあります。

こころや体の状態は、呼吸に反映されています。熱にうなされている時、呼吸が荒くなることはどなたも経験されたことがあると思います。緊張する場面を迎えた時、肩が上がり、手先がぴりぴりしたことはありませんか?これも、呼吸が浅くなっていることが影響しています。

このように、こころと体と呼吸は密接に関わりあっています。逆に考えると、呼吸を意図的にコントロールし、深めることで、こころや体をリラックスした状態へ導くことができます。

~完全呼吸法を試してみましょう~

実際に呼吸法を試してみましょう。今回は、お腹と胸の両方を使う「完全呼吸法」をご紹介します。

【1】静かで集中できる場所を探しましょう。

【2】椅子に座るか、仰向けに寝るか、どちらか楽な姿勢を選びます。椅子に座る場合は、背筋を伸ばし、肩の力を抜きます。

【3】目を閉じて、しばらく自然な呼吸を繰り返します。
まずはコントロールすることなく、自然な呼吸に意識を向けます。いい・悪いを判断することなく、今のありのままの呼吸を感じます。早いのか遅いのか、浅いのか深いのか、感じ取ります。

【4】 ここから呼吸にコントロールを加えます。
・まず、下腹部に3分の1程度の息を吸いいれます。
・次に、胸に3分の1位の息を吸い入れます。肋骨を横に膨らますイメージをもつと分かりやすいと思います。
・続いて、残りの息を鎖骨まで吸い上げます。
・吐く時は、鼻から一続きに吐ききります。この時、口から吐き出すと浄化作用が高まりますが、貧血を起こしやすいのでご注意ください。
・この間、意識は呼吸へ向け続け、いい・悪いを判断せずに観察し続けます。意識がそれたことに気づいたら、その都度呼吸へ戻します。

【5】上記を、気持ちのいい範囲で繰り返します。

~日常生活における効果~

いかがでしたでしょうか。体が温かくなったり、緊張が緩んだり、頭の中が静かになった方、逆にうまく集中できなかったり、特に変化を感じられない方など、様々な反応があるかと思います。最初は、ご自分の呼吸に意識を向けること自体が難しいかもしれません。思い通りにできなくても、すぐにはあきらめないでください。意識を向けられていないことに気づくこと自体に意味があります。

このように、呼吸に意識を集中し、いい・悪いを判断せずに眺める習慣は、日常生活にも活かされます。自分の考え方や感じ方も、落ち着いた状態で眺めることができるようになります。ストレスフルな状況にあっても、反射的に感情で反応するのではなく、冷静に適切な対処の仕方を吟味し、選択する余裕が生まれてきます。

呼吸という身近なツールを、是非この機会に味方につけてください。

参考文献:J・カバットジン著 春木豊 訳 「マインドフルネスストレス低減法」 北大路書房

【執筆】
ピースマインド・イープ 若尾秀美


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