セルフトークでポジティブに-前向きな感情でパフォーマンス向上

独り言を変えて、モチベーションを上げよう

 

10月に入り、今年も残すところあと3カ月となりました。皆さん、今年の目標の進捗はいかがでしょうか。既に達成されたもの、想像以上に難航しているもの、様々だと思います。

目標設定から時間が経過し、モチベーションが低下してしまったという方もおられると思います。そんな方にお勧めしたいのが、「セルフトーク」の活用です。

セルフトークとは

セルフトークとは、「心の中の自分自身に対する独り言」のことをいいます。例えば、緊張する場面を迎えた時の「失敗したらどうしよう」や「大丈夫、きっとできる」といったものです。このように、状況が同じであっても、当事者の状況の見方によって、ポジティブにもネガティブにもなり得ます。

セルフトークは無意識的なものなので、自分の考え癖や傾向が如実に現れます。普段無意識に行っているセルフトークを意識化することで、自分の物事の捉え方を客観視することができ、自己理解を深めることができます。

また、セルフトークは行動に影響を与えます。「失敗したらどうしよう」と不安に思っていると実際に失敗してしまいやすく、「大丈夫、きっとできる」とリラックスしているといい結果が出やすいことは、皆さん経験としてご存知のことと思いますが、Dagrouによる実験的研究においても、ポジティブなセルフトークによるパフォーマンスの向上は検証されています。つまり、セルフトークをポジティブな方向にコントロールすることができれば、パフォーマンスやモチベーションを改善することができるのです。

セルフトークの観察

まず、自分が普段どんなセルフトークをしているか、観察・記録してみましょう。特にネガティブな感情やポジティブな感情を感じた時に、どんなセルフトークをしているかに注目します。

1日分のセルフトークを振り返ると、何らかご自分の傾向が浮き彫りになってきます。例えば、「やっぱり私はだめだ」「今度もきっと失敗する」といった自己否定の傾向や、「なぜ私ばかり」「どうして~してくれないの?」といった他罰の傾向などです。自分自身に対する新たな気づきを探してみましょう。

セルフトークの書き換え

次に、ポジティブな感情を感じた時のセルフトークを参考に、ネガティブなセルフトークを書き換えます。

例1) 【ネガティブなセルフトーク】「またきっと失敗する」
             ↓
     【ポジティブなセルフトーク】「ベストを尽くせば大丈夫」


例2) 【ネガティブなセルフトーク】「やっぱり自分はダメなんだ」
             ↓
     【ポジティブなセルフトーク】「自分にも強みはある」

ポジティブなセルフトークを味わうとどんな感じがしますか?胸のもやもやが取れるなど、体に感じる変化があるか確かめてみましょう。

こういったセルフトークの書き換えを日常生活に応用します。ネガティブなセルフトークに気づいたら、意図的にポジティブなものに書き換えます。そうすることで、モチベーションやパフォーマンスがどのように変化していくか、しばらく観察してみましょう。


今年も残り3カ月、目標達成のためのモチベーションやパフォーマンス向上に、セルフトークというツールを是非試してみてください。


<参考文献・引用元>
高橋慶治 『しなやかで強い心になるメンタルトレーニング~ストレス&プレッシャーに打ち勝つ!~』 かんき出版 2008年

Harvey,D.T.,Van Raalte,J.L.and Brewder,B.W.(2002).Relationship Between Self-Talk and Golf Performance.International Sports Journal(University of New Heaven Foundation) ,2004,Winter,84-91.

Dagrou, E., Gauvin, L., & Halliwell, W. (1992). Effects of positive, negative, and neutral self-talk on motor performance. Canadian Journal of Sports Sciences, 17, 145-147.

【執筆】
ピースマインド・イープ 若尾秀美


■ピースマインド・イープ株式会社
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