心理カウンセリングってどんなことするの? 治療の進め方など

自分と向き合う大切な時間

 

「カウンセリング」という言葉を様々な場面で耳にするようになりましたが、皆さんはカウンセリングをどんなイメージを持って、どのように理解していますか?多くの人が「心の問題を相談すると解決方法を教えてくれるんじゃないか。」「相談に行くなんて恥ずかしいし変な目で見られそう。」と思っているのではないでしょうか。実は、誤った理解や偏見によって、どんなに困っていても相談に至らないというケースが少なくありません。利用したいけど利用できずに機会を逃してしまう現象のことをサービスギャップといいます。今回はカウンセリングの概要とプロセスを整理しながら、日本のカウンセリング事情をご紹介したいと思います。

カウンセリングとは

そもそもカウンセリングとは何なのか。臨床心理士で東京福祉大学教授の平木は「カウンセリングは自己理解、他者理解、対人関係理解を深め、自分と人間一般の問題をより深く考え、問題を解決しようとすることに取り組む場である。自分の限界を知り、自分らしさを受容しながら、なおも自分と人間一般の可能性を探って自律的な生き方をする道を開いていく。」(平木典子『カウンセリングとは何か』朝日新聞社、1997年、まえがきより引用)と述べています。つまり、問題を抱えている自分やとりまく人間関係について理解を深めながら、自らが問題解決に取り組むことこそがカウンセリングなのです。

悩みや問題を解決するためにカウンセリングを利用するのに、なぜ自己理解が必要なのでしょうか?皆さんご承知の通り、悩みはその人が感じる固有のものです。誰もが同じ場面で同じように悩むとは限りません。そのため、なぜ自分はその悩みを抱えているのか、という自己理解が、問題解決の重要な手がかりとなるのです。

カウンセラーの役割

悩みがその人固有のものであるため、夫婦不和の問題=●●療法のように万人に効果を発揮する治療法というのは存在しません。よって、カウンセラーが即時に解決のアドバイスを出すこともできません。カウンセラーは、クライアント(相談者)の悩み、症状、緊急度、これまでの試行錯誤の過程や生活状況などを伺いながらそのプロセスを理解し、いわばオーダーメイドで問題解決に向けた目標設定を一緒に立てていくのです。カウンセリングを進めていく過程は、クライアント本人にとって新たな発見があり面白いこともあれば、辛く苦しいこともしばしばあります。その取り組みを側らで支えるのが、カウンセラーの役割です。

これまでとこれからのカウンセリング

日本を「恥の文化」といったりしますが、私たち日本人は自分の弱みや悩みを相談するという素地がなく、カウンセリングが根付きにくい環境と言われています。クライアントが来談するまでの過程を伺うと、自分で試行錯誤したり家族や友人に相談したりして、いよいよどうしようもなくなった場合に来談することが多く、悩んでから来談に至るまで1年ほどかかるケースも少なくありません。しかし、価値観はここ10年で徐々に変化し、カウンセリングの果たす役割にも大きな期待が寄せられるようになりました。問題が大きくなる前に、予防のためカウンセリングを活用する人も増えてきています。さらに、スクールカウンセラーなど身近な相談相手がいる環境で育ってきた今の子どもたちが大人になる頃には、大きな変革期が訪れるでしょう。

冒頭のような、利用したいけど利用できないというサービスギャップが少しでも埋まり、必要なときに必要な人がカウンセリングを受けられるような社会の実現も、そう遠くないかもしれません。

●引用文献:
平木典子『カウンセリングとは何か』朝日新聞社、1997年

【執筆】
ピースマインド・イープ 鈴木 麻友


■ピースマインド・イープ株式会社
高度な専門性を活かしたメンタルヘルス関連サービスを提供。日本最大級のオンラインによる心理カウンセリングサービスを提供するほか、オフラインでも直営カウンセリングルームを全国展開し、数多くの方々のメンタルケアを支援しています。人間関係、仕事・キャリア、家族・夫婦、育児・教育など、誰しもが抱える悩みやストレスについて、専任のカウンセラー(臨床心理士・精神保健福祉士等)がお応えします。

・カウンセリングとは
//health.goo.ne.jp/mental/read/index.html
・健康用語
//health.goo.ne.jp/mental/yougo/index.html

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