震災で受けたストレスの癒し方-起きた出来事を振り返ることの大切さ

震災以降の自分を振り返る

 

2011年3月11日。未曾有の震災が日本を襲いました。あの日、あなたはどのように過ごしていたでしょうか。今までにない揺れに恐怖心でいっぱいだったり、電話がつながらなくて不安になったり、ライフラインが止まってしまって困惑したり。思い返してみると、それぞれに様々なエピソードがあるでしょう。

あれから連日、震災に関する膨大な情報が目から耳から入っています。実はこれらが私たちの心身にじわじわとストレスを与えています。例えば、やけに慎重になったり敏感になったり、あるいは疲れやすかったり心が落ち着かないと感じたことはありませんか。これらはストレス反応の一部です。そして、この症状を訴える人は全国に広がっています。つまり、被災した人も被災していない人も、みんなが大きなストレスを受けているということです。

そこで今回は、震災以降の出来事を時系列で振り返り、その時の自分が感じていたことを思い出しながら、不安や恐怖といったストレスと戦っていた自分を労ったり、これから自分に出来ることを考える時間にしてみましょう。

震災からの出来事を振り返る

ごくごく当たり前の日常を過ごしていた3月11日の午後。突然、体験したことのない地震が襲ってきました。私たちはオロオロしながらも、落ち着いて冷静に対処しようと必死になっていました。わずかな情報を頼りに街へ出ると、そこには連絡手段や交通手段を絶たれた不安げな人々で溢れかえっていました。その光景を前に、日常生活や自分のもろさを感じずにはいられませんでした。

そして、翌日。私たちはメディアから流れ始めた情報に釘づけになりました。それはまるで映画のワンシーンを見ているかのような、常識をはるかに超えた衝撃的なものばかり。私たちは言葉を失い、何が起きているのかを理解できず、ただただ途方に暮れたような感情で満たされていきました。

ふと我に返ると、スーパーやコンビニには長蛇の列ができ、皆が自分の身を守ろうと必死の形相になっていました。ガラガラの陳列棚は私たちの不安をさらに煽り、それはまさにパニック状態(※)でした。
※買い占めは、危機的状況で何とか生き抜こうとする反射的な行動です。また、震災の惨状を現実のものとして受け止められなかったのは、受け止めることによるストレスを回避しようと反射的に脳が活動をストップさせていたからです。“反射”とは、意識されることなくおこる作用のことで避けようがありません。今回のような事象は自らを守るための動物的な反射といえます。

しかし、しばらく経つと、私たちは少しずつ冷静さを取り戻していきました。震災の事実や被害を、ようやく現実のものとして受け入れられるようになってきたのです。そして、少し前までは自分の身を守ることに必死だった私たちにも変化が現れ、みんなで協力して復興させようという思いに駆り立てられるようになります。節電したり、募金したり、支援物資を送ったり。各人が今できる精一杯の支援が始まりました。何かをしたかったし、そうせずにはいられなかったのです。そして、今も支援の活動は続いています。

振り返ることの意味

ここまで、震災以降の出来事と変化を振り返ってみました。皆さんはどんなことを思い出したり、感じたりしましたか。なかには、そのときの恐怖感や不安感がよみがえってきた方もいるかもしれません。その時は、大きく深呼吸をして、自分自身に「怖かったよね」「不安だったよね」と声をかけてあげましょう。感じたことを押しころさず、その感情のまま認めてあげてください。
大きな余震が続く落ち着かない日々が続いています。そして、残念ながらこの状態はしばらく続くといわれています。緊張の糸を張りつめたままにしておくと、気づかぬうちに無理が重なり、ストレスを溜め込んでしまうことがあります。時々は立ち止まって、自分の考えていること、感じていることを整理する時間を作りましょう。こんな時だからこそ、自分で自分を癒す時間を心がけてください。

【執筆】
ピースマインド・イープ 鈴木 麻友


■ピースマインド・イープ株式会社
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