【ケツメイシ(決明子)】けつめいし

 ケツメイシが今、脚光を浴びてい ます。その理由は言うまでもなく、ヒットチャートの上位を常にしめている人気音楽グループ『ケツメイシ』の活躍。彼らの知名度が高くなるとともに、薬草のケツメイシも知られるようになりました。グループの名称は、お通じを良くする「薬草のケツメイシに因んで、全てを出し尽くす」といった意味からつけられたとか。薬草たちも、地味な自分たちのことを知ってもらえて嬉しがっているのではないでしょうか。

 実際、ケツメイシには、〈毒出し〉効果があるといわれ、最近耳にする〈デトックス〉に、とても有効なのです。漢方治療に40年以上も携わっている桑木崇秀先生も「ケツメイシには、便秘を解消し体内をきれいにする働きがある」と言います。

穏やかに効いてスムーズお通じ

 さて、ケツメイシの効能についてはひとまずおいておいて、どんな薬草なのかを、まずお話ししましょう。

 ケツメイシはエビスグサの種子を乾燥させたものです。漢方薬というよりも民間薬として飲用されてきました。薬局ではハブ茶として売られているので、「なら、飲んだことあるわ」という人もいるでしょう。実は、ハブ茶の種子は「望江南」と言い、エビスグサの種子(決明子)とは少し違うのですが、どちらもマメ科の植物で、薬効も大差がないので、現在市販されているハブ茶は殆どがエビスグサの種子、すなわちケツメイシです。

これが元祖ケツメイシ!?
エビスグサは北アメリカが原産といわれ、日本には江戸時代に渡来。
異国から来たことから夷草(エビスグサ)と名づけられました。


 ケツメイシ=決明子とは「明を開く種子」という意味で、視力を回復すると中国の明の時代から伝えられていますが、その薬効は目だけではなく広範囲に及びます。「便秘、高血圧、不眠症の解消、整腸、そして利尿作用もあるので腎臓病なども改善します。しかし中でも便秘解消によく用いられます。煎じてお茶のように飲んでいるとお通じがよくなります。便秘は軽く考えられがちですが、3日便通がなかったら、それはからだにとってマイナスなんですよ。腸に滞った毒素が血液に吸収されて、からだを巡ってしまいます。肌荒れや吹き出物、体調不良に繋がります。漢方薬には、大黄といった便秘によく効く生薬がありますが、体質によっては結構からだにきついんですね。その点、ケツメイシはからだに穏やかに作用するのが特徴です。

 ただし、ケツメイシはあくまでも便秘傾向の人向きで、胃腸が弱く下痢傾向の人には、向きません」(桑木先生)。

お茶代わりで美肌効果もあり

 では早速、おいしい飲み方を教えていただきましょう。

 ケツメイシは米粒くらいの黒褐色の種子で、水1リットルに対してケツメイシ10~20グラム見当で煎じます。まず軽くローストしてから(こうすると香ばしくなります)、鍋に水とケツメイシを入れて、沸騰してきたら、泡が吹き出る程度のとろ火で20~30分くらい煎じます。成分をしっかり煮出そうと、これ以上長時間煎じてしまうとせっかくの成分が壊れてしまうので、煮出し過ぎには気をつけましょう。

 さあこれで出来上がりです。お茶代わりに飲んでください。苦ければ、薄めてもけっこう。また冷やして飲んでも効果は変わりません。香ばしくて、飲みやすいお茶です。

「このお茶は肌もきれいにするといわれています」(桑木先生)。なお痛飲した時は、少し濃い目を飲んでみましょう。また二日酔いをした時も、症状が軽くなるとされてます。

(1)けつめいし500g 900円ウチダ和漢薬 (2)はぶ茶10g×30包714円山本漢方製薬 (3)はぶ茶500g 315円小谷穀粉 (4)はぶ茶10g 35包714円 (5)植物17種の天然成分をブレンドした上海康茶3g×30包5250円新日本製薬



 最後に提案。自分でケツメイシを栽培してみませんか。寒い地方では無理ですが、東北以南なら育てられます。4~5月に種子を蒔くと、1週間で発芽し、 高さは1メートルくらいになります。初夏になると黄色い可憐な五弁の花を咲かせ、秋になるとさや状の果実の中に黒褐色のひし形の種子を多数つけます。 自家栽培のケツメイシで、からだの中からきれいになりましょう。


桑木崇秀先生
千代田漢方クリニック顧問、日本東洋医学会名誉会員、東洋医学国際研究財団会長、東京医薬専門学校名誉校長。
漢方治療と生活指導を40年以上行っている。