【COPD】しーおーぴーでぃ

まずは次のチェックをしてみてください。

(1)かぜでもないのにせきが出る
(2)かぜでもないのにたんが出る
(3)同年代に比べて息切れし易い
(4)40歳以上である
(5)現在タバコを吸っている、以前吸っていた

思い当たることが1つでもあったら、あなたも要注意です。

COPDとは、慢性閉塞性肺疾患(Chronic Obstructive Pulmonary Disease)の略称です。

 その定義は『タバコや粉塵、有毒ガスなどによって生じた肺の慢性的な炎症のため、気道がむくんで狭くなったり、肺胞の壁が破壊されたりすることにより、肺に十分に空気が出入りできなくなる“気流制限”を起こす病気』で、簡単に言えば「喫煙習慣のある人や、ほこりの多いところで働いていた人がかかる肺の生活習慣病」です。わざわざ“生活習慣病”を強調しているのは、毎日の生活の中で少しずつ進行していくからです。それでも欧米に比べて日本にはCOPD患者は少ないとされていましたが、2001年の大規模疫病調査研究によると530万人以上と推定され、現在では700万人以上の患者がいるといわれています。CODP治療の第一人者である日本医科大学の木田厚瑞先生によると「もっとも危険なのは、自分がCOPDであることに気つかないまま、病気を進行させていることです」。

 さてあなたは、そしてあなたの身近な人は大丈夫でしょうか。

最大の危険因子はタバコ

 COPDの初期症状は、朝起きたときにたんがからむ程度です。それで「かぜをひいたかな?」「のどの調子がちょっと悪いな?」——と軽く考えて見逃してしまいます。そのうちに息切れが加わってきますが、運動不足や年齢のせいにしたり、ぜんそくなどほかの病気と思い込んだりして放置し、知らず知らずのうちに病気が進行していくのです。そのまま徐々に悪化し、からだに必要な酸素を取り込めなくなり、二酸化炭素を排出できなくなっていきます。呼吸ができなくなってくるのです。そしてかぜをひいたり、疲労がきっかけとなって、症状が急激に悪化。“COPDの急性増悪”という事態が起こります。入院するほど重い症状では、死に至るケースも少なくないのです。たとえ、死に至らなくても、入退院を繰り返しながら、体力がどんどん低下し、寝たきりとなってしまうことが多いのです。「呼吸困難で苦しく、しかも動けない。COPDが死よりもつらく怖い病気といわれるのはこのためです」(木田先生)

 このCOPDの原因になるのがタバコ。全喫煙者の約5人に1人がCOPDを発症するといわれ、別名「タバコ病」ともいわれています。タバコに含まれる有害物質を吸い込むと、呼吸器に慢性の炎症性反応が起こります。それが長期間かけて広がり、肺の組織が破壊され、呼吸機能が低下していくのです。「今タバコを吸っている人たちに、そのツケがまわってくる前に気づいて欲しいですね」(木田先生)。

タバコの悪影響は女性の方が深刻

 COPDは呼吸機能が低下するだけではなく、さまざまな合併症を引き起こします。「女性の方がタバコの害を受けやすく、COPDも発症しやすいのです。また骨粗しょう症を合併することが多く、ささいなことで骨折して、これもまた寝たきりの原因になります」(木田先生)。

男性の喫煙者が減少している反面、女性の喫煙者の増加が心配だと木田教授は警告しています。
 さらに自分がタバコを吸っていなくても、受動喫煙ということもあります。タバコの副流煙は主流煙(口から吸い込む煙)よりも有害物質が多く含まれています。「非喫煙者でも、受動喫煙をしていれば健康障害が起こりやすくなります。家族のためにもタバコは吸わない、これが唯一の解決法です」(木田先生)。


木田先生
日本医科大学第4内科教授、日本医科大学呼吸ケアクリニック所長。
著書に『COPDの早期発見と治し方』(共著・主婦と生活社)など多数。