【サポニン】さぽにん

「大豆や小豆を煮たときに、相当量の泡が出ますが、あの泡に含まれる化学成分が実はサポニンです。多くの植物に含まれていますが、大豆と小豆に豊富なので、とくに大豆サポニン、小豆サポニンと区別して呼ばれることが多いようです」(前川先生)
 サポニンはもともと「シャボン(泡、泡立ち)」と語源を同じくする発泡作用を意味する物質なのです。
 ところで、サポニンは口にすると苦味や渋みを感じます。そのため、豆腐を作る過程で風味を悪くするとして取り除かれていました。煮豆の煮汁もほとんど捨てられていました。それが近年、私たちの健康にきわめて有効な成分であることがわかって、とても注目されています。


肥満を防ぎ体の酸化を抑える

「サポニンのうれしい働きの第一は、肥満予防です。血液中の余分な脂質(コレステロール、中性脂肪)を低下させる作用があるからです。利用されない血中脂質は脂肪組織に蓄積されて肥満の直接原因になります。
 サポニンは水を加えると泡立ちますが、そのとき脂ともなじみます。つまり、石鹸の泡が油脂を溶かして水で洗い流すように(界面活性作用)、サポニンは血液中の余分な脂質を洗い流す作用があるので、脂肪の蓄積による肥満がセーブされるのです」(前川先生)
 すい臓から分泌される脂肪消化酵素にも働きかけて、小腸での脂肪吸収率を抑制する作用もあるそうです。
 また、サポニンの界面活性作用は、大腸で便を適度なやわらかさにしてお通じをスムーズにしてくれます。つまり、便秘性の肥満も予防してくれます。

「サポニンのもうひとつの大きな働きは、抗酸化作用です」(前川先生)
 体内の細胞膜を構成する脂質は加齢や活性酸素によって過酸化脂質(一種のサビ)に変化します。細胞膜の酸化は皮膚をはじめとする体の老化や動脈硬化の元凶です。動脈硬化はさまざまな血管系のトラブルを招きやすくなります。がんの誘因にもなります。したがって、抗酸化作用のある栄養分を摂ることは30代以降の女性にとって、とても大きなテーマです。
「ビタミンA、C、EやEPA・DHAなどとともに、抗酸化作用の強いサポニンも積極的に摂って酸化に強い体を保ちたいものです」(前川先生)


サポニンを摂るなら「小豆のいとこ煮」

 サポニンは大豆、小豆のほか、朝鮮人参、ブドウの果皮、茶葉・茶種などにも比較的多く含まれています。漢方の生薬にも植物由来のサポニンを含むものがあるようです。
 しかし、ふだんの食事で手軽に摂取するとなると、やはり大豆と小豆でしょう。といっても、大豆製品のうち、豆腐や油揚げ、味噌、おから、納豆などは製造の過程で泡が捨てられたり、泡を利用することがなかったりで有効量は微量です。煮豆、豆乳、湯葉には体内で利用しやすい形でそれなりに残っていますが、十分量摂取できるとはいいがたい面があります。
 そこで、前川先生がおすすめなのは小豆です。
「小豆は煮汁(サポニン)そのものを利用する小豆粥、いとこ煮でいただくことができるからです。とくに、カボチャとのいとこ煮はカボチャの栄養(βカロチン、ビタミンB類、C、Eなど)も摂れ、相乗効果が期待できます。

 作り方のポイントは、カボチャを煮るときに水ではなく、小豆の煮汁を使うことです。サポニンを有効利用できます」(前川先生)
 いとこ煮(2人分)の作り方は下のイラストのとおりです。
 小豆粥は(2人分)は、米2/3カップに対して小豆1/3カップ、水6カップ。いとこ煮同様に小豆を煮て、1時間ほどおいてから、お米を加えて鍋底から混ぜながら弱火で煮ます。
なお、サポニンは健康補助食品としても市販されています。

右から、小豆サポニンがたっぷり「小豆美人」155g。1ケース30本¥6,300/マックスビューティー 丸ごと大豆成分入りの「スゴイダイズ」125ml¥105/大塚製薬 なめらか味「絹の、のどごし。豆」200ml¥84/カゴメ。


前川メグ先生
MEG栄養研究所主宰。料理研究家。
体も心も元気になるメッセージ性を大切にした生活提案を独自に発信。とくに「恋愛レシピ」「美容料理」など、ダイエットやストレスに対応したアイデアレシピは20~40代の女性に支持されている。