【抗酸化物質】こうさんかぶっしつ

  抗酸化物質とは何か?の前に、順番としてまず「酸化」物質について理解する必要があります。
「酸化物質とは、簡単に言うと活性酸素の作用で体内に生じる有害な過酸化物・過酸化脂質などのことです。細胞膜と細胞脂質を酸化、つまり体をサビつかせるものです。血管や臓器、皮膚などがダメージを受け、その蓄積で老化します」(久保明先生)
 老化は、細胞の酸化に他ならないわけですが、その元凶である活性酸素は呼吸によって取り込んだ酸素の一部(2~3%)が強い酸化力に変わったもの。その意味では、私たちは呼吸している限り、細胞の酸化、つまり老化は免れません。

老化を食い止めてくれる抗酸化物質

しかし私たちの体が酸化(活性酸素の攻撃)に全く無力と言う訳ではありません。体内には抗酸化力が備わっています。例えば「抗酸化酵素」と呼ばれる、活性酸素の酸化力に抵抗する物質「SOD(スーパーオキサイドジスムターゼ)」や、皆さんもご存知の「コエンザイムQ10」という補酵素などがあります。
「ところが残念なことに、そうした酵素・補酵素の量は、年齢とともに低下します。その一方で活性酸素はストレス・過労・睡眠不足・激しい運動・過食などによる酸素の消費に伴って発生、蓄積されます。ですから、30代以降はどうしても、体内の酸化と抗酸化力の収支バランスが崩れてきます。これを放置していると、老化は急速に進むことになります」(久保先生)

  そこで今、抗酸化物質の補給が脚光を浴びているのです。抗酸化物質(成分)を大別すると、「抗酸化ビタミン」と呼ばれるビタミンC、E、β-カロテン。緑や白の野菜、かんきつ類に多い水溶性の植物色素であるフラボノイド類。赤、黄色、緑の動植物に含まれる脂溶性の色素であるカロテノイド類などに分かれます(右上表参照)。
「このほかでは、ニンニク、タマネギなどのイオウ化合物や、きのこ類のβ-グルカンも注目されます。また、抗酸化物質の働きを助け、その効果を高めるものとして、ビタミンB2や、亜鉛、セレンなどのミネラルも必要です。こうした抗酸化物質が効率よく力を発揮するには「抗酸化ネットワーク」ような形、つまり抗酸化物質同士が力を補い合えるよう、どれも過不足なく補給・摂取するのが理想です」(久保先生)

抗酸化物質を効率的に摂るコツは

抗酸化ビタミン、フラボノイド、カロテノイドのほとんどは、私たちがふだん食べている野菜や果物に含まれています。好き嫌いなく、いろいろな野菜を食べていれば不足はないはず。
「しかし、外食による野菜不足やカロリー過多の欧米型の食事などで栄養バランスを欠いているのが実情です。過食や脂質が蓄積されやすい食事習慣は体が酸化しやすく、活性酸素の攻撃を受けやすいのです。そこで抗酸化に特化したサプリメントの摂取が実際的です」(久保先生)
 その人の食事習慣や生活環境にもよりますが、久保先生がおすすめの抗酸化サプリメントはビタミンCとE。そして、イチョウ葉、アスタキサンチン。 「ビタミンEは広く細胞膜に存在しているので、細胞膜の酸化(老化)予防には不可欠。ビタミンCは、自身が抗酸化作用を持つだけでなく、ビタミンEの働きの効率を上げたり、古くなったEを再生する働きもあります。水溶性で尿と一緒に排出されることもあって、食べ物からの摂取だけでは不十分な人が多いようです」(久保先生)

 イチョウ葉は抗酸化作用がとても優秀ですが、食べ物からは摂れないのでサプリメントで補給します。フラボノイドでは、他に茶カテキン、大豆イソフラボンを。カロテノイド類では皮膚の酸化に対抗するアスタキサンチンが、特に女性向きのサプリメント。他にリコピン、ルテイン、β-カロテンなど。
「これら抗酸化サプリメントには生活習慣病予防、紫外線の害からの保護といった側面もあります。栄養成分別に過不足をチェックするサプリメントドックもありますので、体験してみてはいかがでしょう」(久保先生)

右から「ネイチャーメイド 大豆イソフラボン」(30日分)¥1,764
大塚製薬
「和サプリ 赤野菜」(2粒30袋)¥2,980/ケーツーコミュニケーションズ
「アクティオビタミンEC」(30日分)¥1,029/アサヒフードアンドヘルスケア


久保明先生
高輪メディカルクリニック院長。一般内科、生活習慣病のエキスパート。東海大学医学部教授(抗加齢ドック)をつとめる。
『女性のためのパーフェクトサプリメントブック』(主婦の友社)など、著書多数。