【フラーレン】ふらーれん

 読者の多くは初めて見聞きするコトバでしょうが、いま世界中でもっとも注目されているナノテクノロジー(超微細技術)の最新素材です。1985年に発見され、発見者はその功績によりノーベル賞を受賞しています。
「ダイヤモンド、グラファイト(黒鉛)と同じ炭素分子(物質の最小単位)の集合体で、サッカーボールのような美しい構造を持っています。それがバイオ技術によって粉末状に精製することが可能になり、まず工業面で最先端素材としての利用が始まりました。ついで生体に適合する水溶性フラーレンが開発され、医療、そして化粧品に応用されています。活性酸素の除去作用がきわめて高いことが確かめられたからです」(高橋先生)
 活性炭や備長炭の物質吸着作用はご存知ですね。それと似た効果、つまり活性酸素を吸着・除去する効果が、お肌においてハイレベルで得られるもの、と考えれば分かりやすいかも。

美白だけでなく毛穴引き締めも

活性酸素は体内のいたるところで発生し、臓器や血管(の細胞)などを傷つけ病気を引き起こしますが、ここでは皮膚組織に焦点を絞って説明します。
「皮膚組織では紫外線、刺激性の化学物質(化粧品の成分にも含まれます)、ストレスなどにより活性酸素が多量に発生します。発生すると皮膚組織を攻撃して、日焼けや皮膚の変性・老化(シミ、シワ、タルミ)の直接原因になります。フラーレンはこの皮膚で発生する活性酸素を抑制すると共に、発生した活性酸素を瞬時に吸着して無害化する作用があります」(高橋先生)
 その結果、当然のことながらシミ、シワ、タルミができにくくなるという嬉しい報告も。また、炎症性のニキビ・吹き出物も軽くなるとか。その効果は、フラーレン配合化粧品の使用によって確かめられてもいます。
 とくに日焼けによるシミおよびソバカス、皮膚の乾燥に対してフラーレンは独自の効果を発揮するそうです。

「日焼けする(UVA・UVBを浴びる)とメラニン産出細胞からメラニンが生成されて紫外線に対抗しようとしますが、フラーレンはその過剰な生成を抑制してくれます。このことは、広島県立大学の三羽教授がフラーレンを細胞に添加した場合としなかった場合のメラニン産出比較実験で証明しています。また紫外線そのものをブロックする作用もあります。さらにフラーレンにはビタミンC・Eに似た働きもあり、効果はビタミンCの約125倍もあるとされています」(高橋先生)

ビタミンCは皮膚細胞の酸化・変性・老化を食い止めると共に、美白作用があります。従って、フラーレンの美白効果は十分に期待できるそうです。美白効果、およびお肌の明度やすべすべ感がアップすることは使用者によって報告されています。
 その他、フラーレンにはなんと毛穴引き締め効果、セルライト予防効果(皮膚細胞の脂肪取り込みを抑制)もあるそうです。

フラーレン配合化粧品の選び方

フラーレンは、2005年頃に主にドクターズコスメとして皮膚科クリニックで試用が始まり、最近では技術力のある化粧品会社からも、フラーレン配合化粧品(ローション、美容液、日焼け止めなど)が販売されています。「商品によりフラーレン以外にもいろいろな成分が配合されていますから、自分に適したものをセレクトするといいでしょう。また、紫外線対策にはフラーレン配合コスメとUVプロテクトを組み合わせるとか、自分の従来のベーシック化粧品にフラーレン美容液を取り入れるといったように試してみてはいかがでしょうか。前述したようなアンチエイジング効果や美白効果は3~6カ月くらいで実感できると思います」(高橋先生)
 なお、生体に適合し皮膚に馴染みやすくして効果を最大限に発揮させるフラーレンは「ラジカル・スポンジ」と命名、マーク化されています(左下の写真参照)。このマークがついたものなら、品質は間違いないそうです。化粧品原料として化粧品工業会に登録され、副作用がないことも確認されています。

左:トマトのリコピンとブドウ種子油が加わった「ファートンクリアスポンジ〈美容液〉」15ml ¥5,250/サードニックス。 右:ノンアルコール、ビタミンC誘導体「APPS」配合。「JPSMフラレンCローション」50ml ¥10,500/渋谷高橋医院。両商品につくR.S.マークは原料メーカーの成分1%含有率を保証した証。



高橋貴志先生/渋谷高橋医院皮膚科医師。徳島大学医学部卒、東京医科歯科大学皮膚科勤務を経て、2004年より現職。女性の皮膚トラブル治療の専門医として、早くからフラーレンのドクターズコスメの研究・開発に携わっている。