【ヒノキチオール】ヒノキチオール

 「ヒノキ(檜)」を連想する人も多いかと思いますが、その通り。70年ほど前、「台湾ヒノキ」の精油から発見された皮膚に薬効のある成分の名前です。
 あえて「台湾ヒノキ」というのは、日本のヒノキにはなぜか含まれていないため。日本では、ヒノキの仲間であるヒバの一種の「ヒノキアスナロ」に豊富に含まれています。
これは青森県に多いことから「青森ヒバ」とも呼ばれています。
「ヒノキアスナロは材木として使われますが、これで建てた家には蚊やハエ、シロアリなどが寄りつかないといわれています。また、山里の人々の間では、ヒノキアスナロの樹液を塗ると虫刺されやヤケド、切り傷が治るとして利用されてきたそうです。実際、近年の研究で薬学的、臨床的に作用や効能が明らかになってきました」(高橋貴志先生)

メラニンを抑え美白肌を作る

 ヒノキチオールの皮膚への作用で、もっとも注目されるのは美白作用でしょう。
「皮膚のシミ、ソバカス、黒ずみは、メラニン色素の沈着が主原因です。メラニンはチロシナーゼという酵素が働いて作られるのですが、ヒノキチオールはそのチロシナーゼの生成と活性を抑える作用があります。また、余分なメラニンを排出する働きもあって、シミ、ソバカス、黒ずみの発生そのものが抑えられます。さらに、紫外線によって生じるメラニンの生成・活性の予防にも有効です」(高橋先生)
 ヒノキチオールの特徴のひとつは、皮膚への浸透力が高いこと。そのため、ヒノキチオールを配合した化粧品などの美白効果は大いに期待できます。ほかにも、肌に対して次のような作用があるとされています。
(1)殺菌・抗菌作用
(2)皮膚の炎症を鎮静する作用
(3)皮膚の収れん(引き締め)作用
(4)皮膚細胞の新陳代謝活性
 こうした作用の相乗効果により、さまざまな皮膚疾患の症状が改善するケースもあるそう。
「治療がむずかしい、アトピー性皮膚炎がそのひとつ。ヒノキチオール配合の入浴剤や化粧品で、皮膚の炎症やかゆみを軽減させたという患者さんはかなりいます。ただし、アトピーは原因も症状も複雑多様なため、誰にでも有効というわけにはいきませんが。
 また、やはり人によりますが、ニキビや水虫など、雑菌や真菌(カビ)による皮膚トラブルを解消したという実験例・体験例の報告もあります」(高橋先生)
 ヒノキチオール配合の育毛剤で円形脱毛症が治った、頭皮のかゆみやフケが治まったなどの話も。このように、皮膚への多様な効能が期待できるのです。

大量の木材からわずか0.01%!

 このヒノキチオール、大量の原料からわずか0.01%しか採れない貴重なもの。作り方は、ヒノキアスナロのおが屑を蒸して精油を採取し、さらに分離精製して抽出します。おが屑2トンから、わずか200gしか抽出できないとか。

 この“原液”は作用の強いものなので、製品化するときは希釈して使われます。
「ヒノキチオールは、殺菌・防腐目的に食品添加物として認可されているくらい、とても安全な成分です。ただし、アトピーなど皮膚疾患の代替療法として使う場合は、その人の肌に適応するかなどを確認するため、まず皮膚科医に相談してください」(高橋先生)
 一方、商品にはまぎらわしいものもあるようです。「ヒノキ油」や「ヒノキ水」、「ヒノキ入浴剤」「ヒノキの香り」などと謳っている場合、ふつうのヒノキが原料になっているかも。
 ふつうのヒノキにはいい香りはあっても、ヒノキチオールは含まれていません。商品名の「ヒノキ」に惑わされず、確かに「ヒノキチオール配合」かどうかをチェックしてください。
「なお、ヒノキチオール配合の入浴剤やオイルなどは、その香りによるアロマセラピー効果も期待できます」(高橋先生)

 さらに、部屋の防臭やカビの防止にも効果を発揮するヒノキチオール。私たちの肌や体、そして周りの環境もキレイにするミラクル成分に注目です。

右:主成分のヒノキチオールが働き、紫外線によるダメージから肌を守ってくれる、薬用日焼け止め乳液「エコロヴェール」35ml¥4,725/ヒノキ新薬
左:入浴剤としてお風呂に入れるなど、自由に使えるアロマオイル「青森ひば製油」10ml¥1,260/キセイテック

問い合わせ先/ヒノキ新薬■0120-344-112
キセイテック●0736-32-5075



お話を伺った先生
高橋貴志先生
 渋谷高橋医院院長。徳島大学医学部卒、東京医科歯科大学皮膚科勤務を経て開業。女性の皮膚トラブル治療の専門医として活躍。ドクターズコスメの研究・開発にも携わっている。