【カテキン】カテキン

カテキンとは、茶葉に含まれている渋み成分で、一昔前まではタンニンと言っていました。でも、タンニンはいろいろな植物にも存在するので、茶葉固有の渋み成分はカテキンとして区別するようになりました。
「茶葉にはカフェイン、アミノ酸、ビタミン・ミネラルなど体にいい成分がいろいろ含まれていますが、主成分であるカテキンの抗酸化作用は、その最たるものでしょう。カテキンは植物特有の化合物ポリフェノールの一種です。赤ワインのアントシアニン、大豆のイソフラボンもカテキンと同じポリフェノールの一種です」(大森正司先生)
 カテキンのもう一つの特性は、吸着性です。皆さんも経験があるかと思いますが、衣服にお茶や紅茶をこぼすと落ちにくいもの。それは、ほかの物質と結合するために起こることで、その強い吸着性も抗酸化作用に劣らず、体内では有益な働きをしてくれます。

脂質の吸収を抑えて肥満を予防する

「私たちの体にある脂質は活性酸素と結びつくと、過酸化脂質という有害物に変わってしまいます。これを酸化(錆びつき)といいますが、皮膚を含めて体の老化や病気のもとになります。酸化は細胞ががん化する原因の一つとも考えられています。カテキンはその酸化を抑制する力(抗酸化作用)が強く、体、特に血管、皮膚、脳の若さと健康を保つ味方と言えるでしょう」(大森先生)
 次に吸着作用ですが、食事で摂った脂質、特に中性脂肪は、胆のうから分泌される胆汁によって乳化。消化酵素のリパーゼが作用し体内に吸収されます。ところが、食事と一緒にカテキンを摂ると、その強い吸着力によって吸収前に脂質をからめとって排出するのです。また、血中コレステロールも吸着・排出されます。そのため、ダイエットや動脈硬化の予防になり、血糖値、血圧の上昇抑制にもつながり、いわゆるメタボ対策になります。
「カテキンのそうした効果は多くの実験で確認されていますが、私の研究室でも実験したことがあります。ネズミを2つのグループに分けて、一方は緑茶、もう一方は水を与え続けました。その結果、緑茶グループは中性脂肪、コレステロール値が低く肥満にもならず、記憶力も衰えることなく長生きしました」(大森先生)
 成人男女でカテキンの効果をテストした場合も、カテキンを摂取したグループのコレステロール値が下がりました。
 また、カテキンには殺菌・消臭作用があります。胃のピロリ菌を殺菌、お茶でうがいすれば風邪の予防、口臭が消えるなど大活躍。お茶はまな板や包丁の消毒にも使え、シンクやゴミ箱のニオイを消す効果も。

カテキン効果は毎日3杯以上の緑茶で

効能豊かなカテキンは最近、がん予防の面でも注目されています。静岡県などの茶所ではがん罹患率・死亡率が低いとか、毎日緑茶を多く飲む人と毎日3杯以下しか飲まない人とではがん死亡年齢に有意な差があるといった報告が数多くあります。

「実はカテキンにはたくさんの種類があるのですが、そのうち活性の強いガレート型というカテキンにがんの芽を摘み取ってしまう力があることがわかり、その実験報告も発表されています。ガレート型カテキンは、もちろん前述した抗酸化作用、吸着作用も強力です」(大森先生)
 そこで、ガレート型カテキンを抽出したサプリメントや含有量を強化した緑茶が出回るようになっています。ガレート型カテキン強化茶は、トクホ(厚生労働省が効能を認めた特定保健用食品)でもあります。

「手軽に飲めるのでカテキンの補給に適していますが、私としては緑茶を毎日3杯以上飲む習慣をもってもらいたいですね。緑茶を自分で煎れて飲むとリラックス効果がありますし、茶葉の成分をトータルに摂取できます」(大森先生)
 そのほか、抹茶は茶葉を食べるのと同じなので、カテキンを含めてお茶の栄養をまるごと摂取できます。茶葉を料理に応用する茶食もおすすめです。

左:ガレート型カテキン90%含有。コレステロールを低下させる特定保健用食品「カテキン緑茶」350Oml ¥168/伊藤園
右:1粒に煎茶2杯分のカテキン入り。「カテキンタブレット」300粒¥6,300/太陽化学



お話を伺った先生
大森正司先生
 農学博士、大妻女子大学家政学部教授。1970年東京農業大学大学院博士課程修了。食品科学の研究を専門とし、特にお茶については飲み方も含めて第一人者。著書に『お茶で若く美しくなる!』(読売新聞社)など。