【ローズマリー】ろーずまりー

ラベンダー、セージ、タイムなどと並ぶ代表的なハーブのひとつ。地中海沿岸地方原産のシソ科の低木で1年中緑の葉をつけます。和名はマンネンロウ。
「ラテン語の学名では“海のしずく”という意味が込められています。明るい紫色や薄い青色の花と独特の香りは古代ギリシャ・ローマの時代から親しまれているもの。最近は料理やハーブティーに使われていますが、もともとは医療に使う薬用植物でした」(加藤明先生)

 ローズマリーは古くからの言い伝えにも登場します。アダムとイブがエデンの園を追われたときに持ち出した薬草のひとつだとか、聖母マリアがイエス・キリストの産着を洗って干したのがローズマリーの木だったなど。昔は薬効があるのは、神に選ばれた木だからだと言われていたそうです。

美肌を手助け、体内から若返る

 ヨーロッパでは古くからハーブを医療に活用してきた歴史があります。なかでも、ローズマリーは医薬品としての効果と安全性が確認されているそうです。
「医学先進国のドイツで、世界的な権威である薬草研究機関(ドイツ・コミッションE)がローズマリーの薬効を承認しています。そこでは特効薬がないアルツハイマーの治療に処方されているのです。脳の重要な神経伝達物質である、アセチルコリンの分解・消失によって起こる病気がアルツハイマー。ローズマリーには、その分解・消失をとめる成分が含まれているのです」(加藤先生)

 このような効能から、ローズマリーは“記憶のハーブ”といわれています。健康な人が摂取すると、記憶力や集中力などの脳活動が高まるとされ、気分が晴れ、物忘れなどの脳の老化を遅らせることができるそうです。また、神経伝達のバランスを整え精神的な緊張や頭痛、イライラ、ストレスを緩和する作用も。ローズマリーのアロマセラピーやハーブティーが心を落ち着かせるのもその効果です。
 さらに、脳内のアセチルコリンは消化器系や血液循環系、筋肉系への神経伝達にもかかわっているので、アセチルコリンを守るローズマリーには、次のような薬効もあります。
●胃腸機能の改善
●虚弱体質の改善
●筋肉疲労の回復
「さらにローズマリーには、活性酸素のダメージを防ぎ美肌を保つ効果があります。
 20種類以上の多様なポリフェノールが、病気や老化の元凶である細胞の酸化を抑制。とりわけ酸化力の強い活性酸素を除去します」(加藤先生)
 活性酸素が原因の紫外線による肌へのダメージにも効果を発揮するそうです。
「紫外線を浴びると体内で活性酸素が作られます。それを除去し、手ごわい紫外線から肌を守るローズマリーはアンチエイジングに貢献するハーブといえます」(加藤先生)

 そのほか、ローズマリーには皮膚を引き締める作用や、強力な消臭・殺菌作用があります。

身近にあるハーブ 手軽に取り入れて

 ローズマリーは耐寒性が強く栽培が簡単なので、欧米では庭植えや鉢植えで育て、葉をひんぱんに料理で使います。薬効成分は葉に集中しており、枝先5cm分くらいでカップ1杯分のハーブティーができます。乾燥させた葉や粉末なら小さじ1杯分を目安に。乾燥粉末の茶葉やスパイスはスーパーでも入手できます。
 また、肉・魚料理に枝先数本をちぎってバターやオリーブオイルで炒めれば臭みが取れて、より料理がおいしく仕上がります。レストランで香草焼きなどのメニューに使われているのは、ローズマリーがほとんどです。
「葉のエキスをしぼった精油はアロマセラピーとして利用されたり、化粧品や石鹸、入浴剤、芳香剤などに配合されたりしています。精油成分は肌や呼吸からも体内に浸透して効果を発揮します。ローズマリーのエキスを顆粒や錠剤にした健康食品も出ていますよ」(加藤先生)
 家庭でも育てやすく、幅広く商品展開もされているローズマリー。手軽に取り入れましょう。

左:ローズマリーエキスのほか、血流を改善し、免疫力をアップする霊芝をはじめ、7種の有効成分を配合した健康食品。「ベルマッシュR」30包 ¥8,500/ナガセ ビューティケァ
右:フランス直輸入の乾燥ローズマリー。さわやかな香りが漂います。「ローズマリー」12g¥525/レピス・エピス 自由が丘店


お話を伺った先生
加藤 明先生
医学博士。1986年、ドイツのゲッティンゲン大学卒業後、手術や薬に頼らない治療、および予防医学を研究。サプリメントにも詳しい。「Dr赤ひげ.COM」でエッセイを配信。バイオリサーチ代表。